宮本くみこ🎀作家系ライター
「なんか書くの面倒くせぇな」って想いを詰め込んだ珠玉のエッセイ。たまに小説以外の文章について触れるかもしれません。「お前も苦労してんだな」って思いながら読んでください。
コロナになったけど病院予約が取れず、自力で完治させました。その時の鬱憤をやけくそで綴った記事まとめです。全12話予定。約1万5000字。時系列に読めて便利です。
「なぜ小説を書いているのか」 先日知人が何気なく尋ねてきた。本人は純粋に疑問に思っただけで、深い意味はない。だが私は困った。本当にわからなかったからだ。 小説との5回の出会い私が最初に小説を書いたのは二十三年前。中学一年生の時である。 プロになる人は書き始めて五年以内にデビューすることが多いし、挫折する人はさっさと小説と別れてしまう。 だが私はズルズルと小説と付き合い続けてしまった。もちろん何回も別れようと思ったことがある。でも「やっぱりやめられない!」と思い直し、ま
「こんな仕事辞めてやる!」 そう思うたびに開く転職サイト。しかし、たくさんの求人を読んでいるうちに思うのです。「この表現、わかりやすいなぁ!」「次書く時に使おう!」と。 私は求人広告のライターをしています。リクナビやバイトルなど、求人サイトに掲載する求人の詳細を書いています。「仕事内容」や「職場の雰囲気」など、求人を開くと出てくる文章全般だと思ってください。 一般的にネット記事ではPV数(閲覧数)を重視しますが、求人広告では採用者数がすべて。究極的にはPV数1000
20円と聞いて、安いと思うか。高いと思うか。節約家なら惜しむべきだし、浪費家なら気にならない金額だろう。一般的には、そこまで高い金額だとは思わないはずだ。 しかし先日(というかこれを書く三十分前)に、20円を惜しんだせいで酷い目に遭った。本記事では、その学びを共有したい。 テリヤキバーガーかテリヤキチキンバーガーか「お腹減ったな」 ひと仕事を終えて、時計を見ると13時。ランチのピークタイムは過ぎた時分だ。安価なランチをそれほど待たずに食べられる。今日の昼食は奮発し
サッカーワールドカップ大会開催のたびに現れる、ちょんまげ姿の名物サポーター。名前は知らなくても、大観衆のなかでひときわ目立つその姿を知っている人は多いのではないか。 この人の名前はツノダヒロカズさん、通称ツンさんだ。ニュースにも度々取り上げられるツンさんは、ネット上にも多数の記事が公開されている。それらを読んでいて、私は思った。 「この人が本当に言いたいことって何だろう」 ネット記事には、筆者が書きたいこと・読者が知りたいことが書かれている。しかしツンさん本人が言
1993年10月28日、Jリーグ史に語り継がれる事件が起こった。2対1と優勢だった日本が、試合終了直前のロスタイムにゴールを決められた。勝てば翌年の本大会に出場できる試合。同点となったことで、日本は初の本戦出場を逃した。 後に「ドーハの悲劇」と呼ばれるこの事件。サッカーファンのみならず、日本中にインパクトを与えた。 そんな試合を見て、サッカーファンになった男がいる。ちょんまげサポーターのツンさんだ。今ではサッカーワールドカップ大会のたびに注目される名物男だが、この時までは
ある日、小説を書いていて、ふと思った。 「これって本当に起こりえるか?」 今書いているファンタジー小説の舞台は、山岳地帯にある小国。山といっても岩山で、植物が生えない不毛の土地だ。そんな国で、主人公は米を食べていた。 「米って水がないと育たないよな。こんな岩山で、水田が作れるのか?」 水だけじゃない。田んぼを作るには平地も必要だ。考えるまでもなく、山岳地帯で稲作は不可能だと判断した。輸入して米を入手できるが、雑草も生えない土地なら農耕自体が不可能だ。よく考えれば分
「エッセイを仕事にしたい」 そんな思いから始めた、noteでの自主連載。 おかげ様でコロナ闘病記を書き上げ、「これから新連載を始めよう」と新しい希望に燃えていた8月某日。とんでもない事態に陥った。 小説ネタが溜まってしまったのである。 「なーんだ、それくらい」と思うかもしれない。 しかし私にとっての一番は、小説。ライスワークである仕事は別として、小説執筆は最優先事項だ。 なぜこんなことになってしまったのか。 実はTwitter経由で、小説のネタが多数提供された
七月二十八日、木曜日。実は私のコロナの症状メモはここで終わっている。 これから先は咳とだるさがダラダラと続く、ただの風邪状態。特筆すべきようなことは何も起きなかったのだ。 今日の症状として、まず鼻水が減った。しかし身体のだるさは相変わらずだ。しかも今日も猛暑。この頃の東京は連日の信じられないくらい暑い日々が続いていた。 もう暑いからだるいのか、熱があるからだるいのか、コロナだからだるいのか。わからなくなってきた。とにかくだるくて、あまり頭が働かない。まるで怠けている
七月二十七日、水曜日は〆切日だ。朝11時〆切のためアラームをセットしたが、ちっとも起きれない。そりゃそうだ、朝四時に寝たのだから。 体調は普通の風邪レベルまで落ち着いていたが、寝不足で具合が悪くなりそうだ。 そんな思いで早起きしたのに、仕事は10分で終わった。朝一でクライアントからOKが出て、システム処理後にクライアントへ御礼メールを返信。 あっけなく仕事が終わって、なんだか物足りないくらいだった。 終わるなりベッドに倒れ込む。なんだかんだ言いつつ、まだ本調子
七月二十六日、火曜日。起きた瞬間、こう思った。 「うん、風邪の末期状態だな!」 風邪をひいて最もつらい山場を越えた、あの時の感覚である。 ちなみに、コロナにかかった私の総合的な感想は「強めのインフルエンザ」である。 決して馬鹿にしているわけではないが、よほど重症化しない限りこんなもんだろう。ワクチンを接種していれば、もっと軽かったかもしれないが、まあ、そこは過ぎたことだから考えない。 今日は滝汗をかかずに仕事をすることができた。しかし相変わらず頭が回ってない。
五日目の月曜日には、大きな変化があった。 一つめの変化は、食欲が戻ったこと。 働いたせいか、普通の食事が食べたくなった。もちろん緑のたぬきも。そこで配達サービスを用いて、お弁当を取り寄せた。選んだのはハンバーグ弁当。オニオンソースを身体が欲していたのだ。 後遺症のせいか鼻づまりのせいか、味はよくわからなかった。でも久しぶりにまともな食事ができたのは嬉しかった。食べる喜びを再確認した。そして、やっぱり一回では食べきれなかった。保存した残りは夜に食べた。発症後、よう
七月二十五日、待ちに待った月曜日。九時前のアラームで私は目覚めた。 「おや?」起きた瞬間、二つの変化を感じた。 一つめは、アラームが鳴るまでぐっすり眠っていたこと。長時間睡眠がとれていたのだ。 これまでは水とトイレで頻繁に起こされたから、睡眠時間は細切れ。起きて「まだ夜が明けてないのかよ」と何度も思った。 二つめは、体調の変化。インフルエンザを発症して、もっともつらいピーク時を過ぎた、あの時の感覚だ。体温計はないが、体感で38度より下がったように思う。 漠然と
七月二十四日、日曜日。ようやく苦難の土曜日を乗り越えたが、日曜日も症状はさほど好転していなかった。 今日は特に身体(特に節々)の痛みが強い。幸い胸の痛みは引いていたが、熱特有の身体の軋みが強い一日だった。 そして、最悪なことに咳に痰が混ざり始めた。この時はてっきり「痰さえ出し切ってしまえば、咳は収まる」と軽く考えていた。しかし、これが長く続く咳&痰地獄のスタートだったとは。結局喉の痛みは三週間経っても消えていない。本当に厄介な存在だ。 なんだかんだで、発症してから
七月二十三日、土曜日。十時を前にして関連機関への電話を諦めた私は、再びベッドに横になった。寝つきは悪いが、いくらでも眠れる。しばらくゴロゴロした後、再び眠りに落ちた。 午後に起きると、新たな症状に襲われた。胸の痛みだ。場所的には肺かもしれないが、両乳房の真ん中が熱い。体が一生懸命に病魔と闘ってくれていることを知り、自分自身が愛おしくなった。 「人体ってこんなに熱くなるんだ」と思った。 調べたら、救急車を呼ぶ目安に「胸の痛み」がある。 「もしかして、救急車呼ぶべき?」
海外進出なんて、自分には無縁なものだと思っていた。しかし最近、友人たちの海外進出が著しい。 ある友人はドバイでの個展を開くため、人脈作りに勤しんでいる。ある友人はバルセロナへ飛び、自分の活動を広めている。 そして最近出会ったある人は私の一歳下なのだが、近年まで世界中を飛び回っていたらしい。率直にいって羨ましい限りだ。 もちろん私にも夢がある。自分の小説が翻訳されて海外の書店に並び、世界中のファンが熱狂する。そして私はサイン会という名目で世界を飛び回って……。 現
エッセイを仕事にしたい。 そう思っている人は多いだろう。私もその一人である。自分の好きな文章を書いて生活できたら楽しいし、雑誌に自分の記事が載ったら周りに自慢できる。収入も名誉も得られて、最高の気分だろう。 だが「エッセイ 募集」で検索すると、公募しか出てこない。エッセイストの有償依頼はないのが現実だ。私はライターであるためよく案件を探すのだが、エッセイストの案件は見たことがない。 だから私も諦めていた。「自分にはできないのだ」と。そこでハッと閃いた。 「そう