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文豪【夏目漱石(なつめ・そうせき)】のミニ・バイオグラフィー 『世界の偉人は名探偵』より

推理クイズ本『世界の偉人は名探偵』〈1987年版〉の[P.81-82]からの引用。


《〈探偵癖の文豪〉 夏目漱石(日本 1867-1916)
_作家としては奥手(おくて)で、最初の小説『吾輩(わがはい)は猫である』を書いたのは、三九歳のときだった。それまでは単なる英文学者にすぎなかったが、余技のつもりで、この『猫』の第一回分を俳句の雑誌に発表したところ、意外と好評をえたので、急に自信がわき、それからは、まるで休火山が大噴火したかのように、『草枕』や『坊ちゃん』など、矢つぎばやに名作を書いて、またたくまに日本文学史上、もっとも著名な文豪になった。_彼には、一種の探偵癖――というより、自分がだれかに探偵されているという被害妄想があった。ロンドン留学中に発狂したと噂されたり、帰国後も、しばしば奇態(きたい)な行動を示したのも、この強度の被害妄想からくるノイローゼが原因である。『吾輩は猫である』を執筆中も、隣家の二階に下宿している学生が、いつも自分の行動をスパイしていると錯覚して、「おい、探偵くん。今日は何時に学校へいくかね?」「おい、探偵くん。今日のお出かけは十一時だよ」_と、毎朝、大学へ出勤する前に、書斎の縁側から、その学生の部屋に向かって、大声で怒鳴ったという。_こそこそと卑怯(ひきょう)に尾行しなくても、こちらから堂々と教えてやるぞと、いっぱし上手(うわて)に出たつもりなのだ。追跡狂の典型的な症状である。『吾輩は猫である』には、探偵をからかい、憎悪する文章が各所にあるのも興味深い。》



私は小学生の時に1カ月ほど入院していた期間があり、娯楽が無いので仕方なく暇つぶしのために差し入れされていた「挿し絵」付きの子供向けの『吾輩は猫である』でも読むかとなった。昔も今も小説を読むのは苦手なので、結局最後の2ページだけ読んだが、「挿し絵」にも描かれたオチに驚いた
ネタバレになるが、ちばてつや氏の『あるあしかの話』にも通じる無常観。



☆★☆夏目漱石の小説が原作の「映画化作品」のリスト☆★☆



私が↑の中で観ているのは1本だけで、中村雅俊(1951-)が主人公のイラチな青年教師を演じた『坊っちゃん』(1977)だけ。私はわりと好みの映画です。


私は未見だが、松田優作主演の映画『それから』(1985)の主題は「モラトリアム」だと、評論家の呉 智英(1946-)が『バカにつける薬』に書いていた。



漱石をモデルにした漫画では、『「坊っちゃんの時代』が、単行本は2冊ぐらいしか読んでないですが好きでした。関川夏央原作、谷口ジロー作画。
内容は忘れてるけど、ほんまりう作画の『漱石事件簿』はつまらなかった。


https://jp.mercari.com/item/m61743624574
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夏目漱石の小説が原作
(原案?)の漫画では、↓の作品は「プチ・トラウマ」。


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#世界の偉人は名探偵 #藤原宰太郎 #偉人伝 #バイオグラフィー #日本人

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