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成人指定の長篇アニメ映画『フリッツ・ザ・キャット』(1972/米) 『AKIRA』(88)に通じる「暴力と破壊」の物語
◆『フリッツ・ザ・キャット』(1972/米/Fritz the Cat) ■未DVD化■
「米国初の成人指定されたアニメ映画」ですが、成人指定の理由が「暴力」なのか、「エロ」なのかは判らない。「(本来は子供向けの)アニメで暴力やエロを描いたこと」が原因なのかな、と想像しました。正解は知りません。
これといった主軸の無い話に、ゴチャゴチャした展開、カタルシスに欠けた終わり方。「当時の騒然とした時代(1960年代後半?)の風俗や価値観をアニメで表現した」アングラ映画。面白くはないが、時代を追体験できる△佳作。
本国アメリカではヒットしたが、日本では記録的な不入り(不人気)だった。
私はビデオで観ました。ロバート・クラム(1943-)の原作コミックは、すばる書房の『フリッツ・ザ・キャット』(1977年)だけ読んでますが、内容は主人公猫のフリッツが妹猫と無邪気に近親相姦する「アモラル」な話だった。
ちなみにクラムはラルフ・バクシ(1938-)が監督した映画版が嫌いらしい。
私は生まれていないし、勉強不足で詳しいことは知りませんが、「1960年代後半」の学生運動を中心とした時代の空気に強く影響を受けたと思われる、「ある時代の都市での暴力(反抗)と破壊が主役」という映画版『フリッツ・ザ・キャット』の設定は、「ネオTOKYO」が主役の映画版『AKIRA』(1988)に重なるものを私は感じた。ビデオで『フリッツ~』を観たのは『AKIRA』を観て20年近く経ってからですが、私はすぐに『AKIRA』を連想しました。
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推測ですが、大友克洋(1954-)や押井守(1951-)は、1960年代後半に先進国で起こった混沌とした国際政治(ベトナム戦争?)状況や過激な学生運動で騒然とした「社会が本当に引っくり返るかもしれない」という時代の熱気にメディア等を通じて10代の頃に出会い、郷愁を超えたものを感じているのでは。『フリッツ~』の後半の発電所を襲撃するテロ行為でも、『AKIRA』に出てくる極左ゲリラや「制御不能の暴走するエネルギー」を私は連想しました。
高画質なオリジナル予告篇 ⇒『AKIRA』を連想しませんか?
『AKIRA』(1988/日)の「暴力と破壊」が中心のファンメイド予告篇
『フリッツ・ザ・キャット』の海外の評価
↓映画パンフレットやコミックの表紙で少しは映画の雰囲気が伝わるかも?
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「日本版」VHSビデオのジャケット写真
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ジャケ写の「裏側」の小野耕世(おの・こうせい|1939-)氏による解説文
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サントラ(サウンド・トラック)のLPレコード
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漫画家/映画監督の↓大友克洋氏も何らかの影響を受けているだろうと推測。
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大友さんの『さよならにっぽん』最終話の背景として出てくるなぞの猫?虎?と思っていた絵、これでした!ロバート・クラムの「フリッツ・ザ・キャット」!大友さんもこのツルコミック社『Woo』創刊号を持っていたのでしょうか。今度聞いてみよ。 pic.twitter.com/6CkY8u33fP
— 鈴木淳也 【COMITIA144 お08a 大友克洋研究】 (@JunyaTheSphere) February 21, 2013
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