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初心者『ラグビー』を撮る⑥〜コロナ禍の秩父宮と大学ラグビー開幕戦〜

2020年10月4日 開幕

2月下旬のトップリーグ休止、その後リーグ中止、不成立と続き、ラグビー界はコロナ禍で日常が激変する中長い眠りについていた。

その眠りを覚ましたのは、関東大学ラグビー。

上記の一枚は、対抗戦グループAの開幕戦第二試合

早稲田大学対青山学院大学 の試合前の様子。

第一試合は、『慶應義塾大学対筑波大学』という注目の組み合わせだった。第二試合は早稲田の初戦とはいえ、相手が昨季入れ替え戦経験の青学だった事もあり、観客は少し減っている。

とはいえ、これがコロナ禍の秩父宮を如実に映していることに変わりはない。

座席は『3つおき』に販売されていたのだ。

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夫と行ってもこれでは一人観戦とほぼ同じ。まあ、ブツブツ一人解説の止まらない夫から逃れて気ままに観戦できたが。

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西スタンドは、大学関係者のみ、マスク姿の部員達が拍手のみで選手を応援した。

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青学の選手達は真っ黒に日焼けしていた。2020年の夏は後半とても暑かった。彼らは涼しい菅平にも行けないまま、灼熱の東京(正確には神奈川県相模原だが)で、日々鍛錬を積んでいたのだ。

授業にも出られず、友人にも会えない、自由を失った大学生活

日本中の大学生同様、彼らの苦しみは想像を超える。同世代の娘を持つ身には他人事とは思えなかった。

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これも試合前の一枚。

早稲田だけが円陣を組んでいるのは、感染防止のために選手入場すら一緒に行わないからだ。もちろん校歌斉唱もない。

涙が出た。沢山の苦難を越えて

彼らは『聖地』に戻ってきたのだ。

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お隣神宮球場では、無観客で東京六大学野球大会が行われていた。

この日は早稲田大学対法政大学。

秩父宮で青学が早稲田陣内に攻め入った時、神宮では早稲田野球部が得点を入れた。応援団は大音量で応援歌『紺碧の空』を演奏。その甲斐あってかラグビー部はピンチを脱出した。

借景ならぬ借曲、このカオスな試合進行はコロナ禍でも変わらない。

この試合はとても鮮烈な記憶として胸に刻まれている。noteに3回に分けて投稿した程だ。


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この日、青学は大健闘。後半一時4点差まで詰め寄った。青学二つ目のトライはインターセプトからの独走。賞賛の拍手が秩父宮を大きく包み込んだ。

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結果は、早稲田の快勝ではあったが、観客は総立ちで早稲田、青学、両校に拍手を送り続けた。

その写真はない。私も涙ぐみながら喝采を送っていたからだ。

この日わかった事がある。

いかに自分の心が飢え渇いていたことを。

『娯楽』と言われるスポーツは決して不要不急のものではない、ヒトが『人』として生きるための『心の栄養』であることを。

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