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句歌集『此処に咲く〜ラグビー2023/24を詠む🏉〜』


1.試練再び


 🏉ラグビー🏉
 W杯2015で南アを撃破した『ブライトンの奇跡』で一躍脚光を浴び、
 自国開催W杯2019のベスト8進出で人気沸騰❗️
 しかし、、
 熱狂冷めやらぬ翌年からのコロナ禍が状況を一変させました。
 リーグ戦は1シーズン中断、再開後も相次ぐ試合中止、さらに代表の海外遠征や国内でのテストマッチも長期に渡り中断しました。
 
 長い空白を経て迎えたW杯2023フランス大会。
 
 15人制ラグビー日本代表は、『世界』との差を再び突きつけられ、予選リーグ敗退で大会を終えました。
 
【より速く、より強く、より上手く】
 
 まずは、
 想像以上に進化していた【ポストコロナのラグビー】を目の当たりにしたW杯2023大会前の作品から始めましょう。

2.SAKURAを詠む〜山新た〜


 2023年夏、
 ワールドカップ直前のテストマッチでジャパンは連敗😰
 リーグワンで見慣れたはずのラグビーが『別のスポーツ』にすら見えました。
 スクラムの精緻よここに肥後の夏
 灼ける地や軋み砕けんタックルよ
 涼風やパリへ仄かな光あり
 スタジアム孫の手熱し夏の宵

勇ましいフィジーのウォークライ『シビ』
スピードもパワーも破格だったフィジー🇫🇯

 🇫🇷いよいよW杯2023本番🇫🇷
 フランス、特に南部でラグビーは熱狂的人気を誇ります。
 
 秋空や血も汗も知る三色旗
 フランスの秋よ楕円に膨らまん

 
 ジャパンは初戦のチリ戦に勝利します⭐️
 勝利の立役者は、大会前活躍を危ぶまれた『司令塔』、10番松田力也さんでした。
 この日キック成功率100%、お見事でした❗️
 
 10番の克己が射抜く秋陽かな
 
 
さて、次戦は強豪イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿、
 ジャパンは健闘しました。しかし底堅い強さを最後に見せつけられました🥲
 ただ、偶然とはいえ、
 あのゴール前での『ヘディング』から生まれたイングランドのトライは予想外でしたが🥲
 
 秋暁やヘディングトライとは如何に

 ジャパンは予選リーグ最終戦アルゼンチン🇦🇷にも敗れ、2勝2敗でフランスでの戦いを終えました。
 【身を削り魂奮い力尽く
  雄々しきSAKURA背の凛々しさよ】


 さて、
 この大会を最後に、SH 流大さんが代表引退を発表しました。
 コロナ禍前、サンゴリアスの練習見学に行った際、誠実にファンサービスを続ける流さんの姿に頭が下がるばかりでした。
 選手としての活動はこれからも続きます。ご活躍を心からお祈りしています。

 【代表の矜持刻みて灼く夏も
       凍れる冬も血潮滲ませ】
  【練習を終えて小雪の舞う中を
       幼子抱きサインする君】
    【楕円球追いし人生これからも
       熱き応援共に歩まん】

 W杯2023は南アフリカ🇿🇦の優勝で幕を閉じました。
 11ー12 ❗️
 差は僅かに1点🔥まさに激闘でした。

 秋空や闘い果てて滂沱せん

3、レヴズを詠む

 2023年12月、W杯の余韻が残る中
【ジャパンラグビーリーグワン2023/24】
 が開幕しました。

今季もレヴズ全力応援
公式マスコットのレヴズくん

   静岡ブルーレヴズ(=レヴズ) 
  静岡県磐田市に本拠地を置くプロラグビーチームです
。プロ化して早3シーズン目に突入です。
  W杯では、観客席にレヴズ社長山谷拓志さんの姿もありました。
 もちろん観光ではありません。チーム強化の一環として仏プロチームとの連携を実現させていたのです。
 【熱狂の南仏に見し富士の嶺
       レヴズ興せよラグビーの静岡】

 
 そう、レヴズは苦しんでいました。
 初年度、2年目、共に12チーム中8位。
  今季こそプレーオフへ❗️  
 そんな願いを込めつつ、、
 毎週末一喜一憂、ひたすら胃が痛い日々が始まるのでした。

 ⑴新監督を詠む


 レヴズは、今シーズン新監督藤井雄一郎さんを迎えました。
 

写真中央 仁王立ちするふじやん


 フランスでの戦いを終えた15人制日本代表チームで、『ナショナルチームディレクター』を務めた藤井さん、
 まずは、
 必須のミッションがありました。

 半ばレヴズの『お約束』と化し、ファンのトラウマになりかけていた
『終了間際の逆転負け😰😰』
 の払拭です🔥🔥
 さらに、
 パリ大会では輩出出来なかったW杯日本代表選手の育成🔥🔥も。

【 SAKURA燃ゆ国より富士を仰ぐ地へ
       熱く鍛えよ明日のSAKURAを】
  * 秋光や昨日の己超えるべく
    * ほとばしる汗と汗とや秋澄めり

 (2)新ACを詠む


 開幕前の10月下旬、
 チームは宮崎県延岡市で合宿を行いました。
 この地は前HC堀川隆延さんの故郷でもあります。
 

右が堀川さん、左はレヴズ社長山谷拓志さん


 今シーズンからAC=アシスタントコーチとして新監督藤井さんを支える立場となった堀川さん、
 故郷を離れ31年、新たな人生の門出です。

 『故郷の空に名残の月有りし
       楕円抱きて三十余年』
   『身の軋む鐘鳴る街の鍛錬よ
       頂き至る道と思えば』

 (3)試合を詠む


 そして迎えたリーグ開幕戦、12/9。
 【東芝ブレイブルーパス東京に
           13点差=完全に力負け】
 苦しい船出となりました🥲

 冬麗ここスクラムの妙なるか
 円熟の9番は駆けり冬の芝
 冬晴れにスクラム息の合いたるぞ
 寒風やラインアウトの指と指

 第二節は12/17。ホスト開幕戦です⭐️⭐️
 ヤマハスタジアムには恐竜まで登場❗️
 試合前から盛りだくさんの企画に沸きました。
 試合は、
 【コベルコ神戸スティーラーズに、
    残り7分で逆転され、4点差の惜敗🥲】
 ああ、今季も『あの苦しみ』は続くのか、、
 
 仰ぐ空ラグビーの笛吹かれたり(ラグビーは冬の季語)
 楕円球ラガーにひしと抱かれたる
 寒日和逆光に立つ恐竜よ

 トラウマ蘇る中迎えた🎄クリスマスイブ🎄の第三節、
 相手は【昨シーズンの覇者】クボタスピアーズ船橋東京ベイ。
 レヴズは、勝ちました❗️
しかも、
 終了間際の逆転勝ち⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
 レヴズよ、ファンは積年のトラウマを克服できました😭

 密集へ果てるラガーの覚悟かな
 (ラガー
=俳句ではラグビー選手を指す。冬の季語)
 
 年明けて第4節、
 三重HONDA HEATに快勝しました⭐️⭐️
 
 七草に心晴れたり10トライ

 続く第5節第6節はホストゲーム。
 第5節、
 東京サントリーサンゴリアスに残り時間2分で逆転され2点差の惜敗(またもトラウマ復活🥲)

 凍土やゴールラインに身を捧ぐ
 
 第6節、
 花園近鉄ライナーズには快勝⭐️
 
 この試合には、磐田市内公立中学校の生徒さんが招待されていました。
 美しいコレオグラフィーの掲出、
 素直で朗らかな応援の声に、大人ファンは心洗われました。
 若いって素晴らしい⭐️⭐️その一言です。

中央 招待された磐田市内中学校の2年生がGO REVSのコレオグラフィーを掲出
左中段 ねじり鉢巻の大将、身に一気に包丁を入れる姿は圧巻

 寒風や魚捌く眼の爛々と
 
(マグロ解体ショーが企画され、大将の見事な包丁捌きが披露されました)
  冬晴れやコレオグラフィー命満つ
 寒風や悲鳴歓声初々し

 しかし、、
 連勝を狙った第7節三菱重工相模原ダイナボアーズ戦に、(勝たなければいけない試合に)、競り負けてしまいます🥲🥲
 (ショックすぎて1句も読めず)🥲🥲🥲

 第8節はホストゲーム。
 レヴズの前身『ヤマハ発動機ラグビー部』から数え【クラブ創設40周年】を記念する特別試合が企画されました。
 チームの監督は清宮克幸さん⭐️=
 【北海道日本ハムファイターズ清宮幸太郎選手のパパ】、
 と言った方が通じる時代になりましたが、あのクセ強いキャラは健在、ファンには懐かしく楽しいひと時でした⭐️⭐️

懐かしの清宮さん。カリスマオーラは健在
ワイルドナイツOBの皆さんからこのエール


 五郎丸ポーズで祝す春の芝
 春めくや40年の勇姿あり
 春空に花道熱き試合かな

  しかし❗️
  肝心の試合は、
 【埼玉パナソニックワイルドナイツに大敗🥲】
 春疾風タックル低く弾けたり
 春光に大敗という現実よ
 春夕べ名入りタオルを掲げたる


 続く第9節も横浜キヤノンイーグルスに完敗🥲
 
 レヴズファン=レヴニスタに大いなる危機感=D2降格の危機、が漂います😰😰

  そして迎えた第10節、
 リコーブラックラムズ東京戦、
  レヴズは、勝ちました‼️
 
  陽春に眼と眼で分かつ勝利かな
  闘いを制し春光柔らかや
  春空やトライへ体投げ打ちて
  春風に勝利寿ぐ手締めかな
  永き日や胸撫で下ろすノーサイド

この試合が、今季レヴズ生観戦最後の試合となった

 さらに、
 第11節 
 『スター軍団』トヨタヴェルブリッツ戦。
 この日は雨☔、しかし、
 レヴズに雨は『天の恵み』なのでしょうか。 
 まさに快勝、完勝でした❗️

 スクラムに煙る背筋よ春の雨 
 勝鬨を天に吠えたり春夕べ
    

 第12節 
 三重HONDA HEAT戦も危なげなく勝利しました。
 春雲や快勝いかに心地よし

第13、14節は、
 激闘の末、なんと同点劇❗️
 しかも31ー31と点数まで同じ❗️という珍しい結果となりました。
 レヴズは強くなった❗️
 そう思わせる二試合でもありました。

 ネンイチや清水は青し春の丘
 
(第13節の会場は静岡市、清水エスパルスのホーム『アイスタ』。エスパルスサポーターの【熱狂的オレンジ】に染まるこのスタジアムが、ネンイチ=この日だけレヴズブルーに染まった。)

駅からオレンジ一色の清水(写真は昨シーズンのもの)


 砕け散るタックルありし花の雲
 喝采が包むトライよ春霞
 キック逸れ駆け寄る友よ花の山

 大砲の如きトライや春の宵
 春灯やハーフタイムの生ビール
 春朧同点という啓示かな
 初トライはにかむ君や春月夜

 【前半死んだふり⁉️、後半ビックバン】
 ともいえるレヴズの戦略はここまで見事的中🎯

 残り試合はあと二つ❗️
 しかし、
 相手も研究していました。
 タレントで上回るコベルコ神戸スティーラーズ、さらに最終節では東芝ブレイブルーパス東京が、
 前半からエンジン全開、後半さらに加速🔥でレヴズを圧倒😱😱
 
 完敗でした🥲🥲
 
 結果、6勝8敗2引き分け 
 12チーム中8位、4位以内に入れずプレーオフ進出を逃しました。

 
 さて、
 最終節はホストゲーム最終戦でした。
 企画の目玉は、EXILE AKIRAさんらのご出演による、試合前、ハーフタイム時のダンスショー⭐️
 AKIRAさんが磐田市ご出身であり、五郎丸歩レヴズCRO(当時)との対談を機会に実現したこの企画、
 私はテレビ観戦でしたが、スタジアム全体が興奮の唸りと化していく姿にただ魅了されました。
 晩春や指先までも意志ありき
 観客の魂弾む端午かな
 完敗を受け止め立つや惜しむ春

 
 今季リーグワンは、東芝ブレイブルーパス東京の優勝で幕を閉じました。

4、SAKURA を詠む〜超速へ〜

 リーグワン23/24シーズンが終わり、W杯2027オーストラリア大会に向け新体制が発足しました。
 ヘッドコーチは、
 あのエディー・ジョーンズさん⭐️

鬼の角も丸くなったとかならないとか


 イングランド&オーストラリアHCを経て、W杯2015以来の復帰です。
 掲げたテーマは【超速】
 エディーさんは新たな人材を発掘すべく、大学生を含む若手を次々と選抜❗️
 テストマッチに臨みました。
 初戦は、あの因縁の相手イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
 
 実力者居並ぶ相手に、ジャパンは完敗🥲🥲
 ある程度予想していたとはいえ、現実は厳しいものでした。
  超速やトライ決めたる夏の芝
  夏木立イングランドの懐よ
  大敗や痛み堪えし夏の宵


 続くマオリ・オールブラックスとの2連戦、
 更なる若手で挑んだJAPANXVは、第1戦に完敗🥲、しかし、
 トヨタスタジアムでの第2戦で接戦をものにして見事勝利❗️
 
 超速への挑戦は、これからも続きます。

 星涼しマオリのハカは轟ける
 魂の昇華を見たり夏のハカ

 夏灯し若きSAKURAのスクラムよ
 トライへと打ち鳴らす手や夏の夜

落胆も歓喜も共に荊なる
    道に咲かせん未知のSAKURAを】

(この句歌集は、日々noteに投稿した作品を加筆訂正、新たな作品も加え編集したものです。)

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