ラグビーTV観戦記☆日本代表vsイングランド代表〜桜、今は『此処』に咲けども〜
1、懐かしの聖地は今
Twickenham 、トゥイッケナム⁉️
日本語ではどうにも発音しにくいこの地名。
ロンドンの『新宿』的存在【ピカデリー・サーカス】から地下鉄に乗り、郊外へ向かう大ターミナル駅【ウォータールー】へ、ここから列車で20分ほどでこの街にたどり着くらしい。
要するに、新宿から飛田給の『味スタ』に行くような感覚か。
私がロンドンで短い日々を過ごした2000年代初頭、ラグビーのスタジアムはどこか『おっとり』した雰囲気に包まれていた。それは『聖地』と呼ばれる『あのスタジアム』も同様だった。シニア層もちびっ子達も、まるでピクニックの様にゆったりと観戦を楽しんでいた。
今映像に映る『あのスタジアム』、2012年ロンドン五輪、2015年ラグビーW杯を経て、八万人以上収容可能な最新鋭巨大スタジアムへと変貌している。
ラグビーの聖地『Twickenham Stadium』
この地で、我らが日本代表は、ラグビーの発祥国イングランド代表と激突するのだ🔥🔥🔥
11月のロンドンは【低温高湿、曇天&日没早すぎ】が定番だが、この日は上空に淡いパステルの青空が広がっていた。観客も気持ちよくビールを飲めそうだ。
この日のメンバーはすでに発表されていた。前回AB’s戦で大健闘した日本代表(以下、ジャパンと表記)は、ほぼこの時のメンバーで固められていた。
イングランド代表HCは、あのエディー・ジョーンズさん。日本ラグビー界には見かけない濃すぎるキャラが懐かしい。先日アルゼンチン代表にまさかの敗北を喫したイングランド🏴、この日は必勝態勢だろう。
この試合は、真夜中ながらNHK総合が放映していた。
現地レポートは、W杯2015イングランド大会代表の五郎丸歩さんが務め、ゲスト解説には同代表『キンちゃん』こと大野均さん、2019日本大会のヒーロー福岡堅樹さんが入っていた。夏のフランス戦、先月のオールブラックス戦で大健闘した日本代表への期待の高さが垣間見える🌟🌟
両国の選手が入場してきた。ジャパンの選手達はダウンジャケットを着込んでいる。やはり肌寒いのだろうか。
ここでまず黙祷が捧げられた。といっても英国前国王のため、ではない。【世界中の戦火で倒れた人々を追悼する】との事。追悼のラッパが空へ高らかに吹き鳴らされた。胸に言いようのない悲しみが込み上げる。なぜこんな世の中になったのだろう😢😢
続けて両国国歌が演奏された。
『GOD SAVE THE KING 』と歌詞が変わったイギリス国歌、人生色々ありすぎた皇太子チャールズも、遂に国王となったのだ🥲🥲
80000人超の大観客は、この新たな歌詞を熱唱した。この地響きのような歌声は、六甲颪の如くグラウンドに吹き降りるかのようだ。ジャパンには、まさに『どアウェー』の戦いが始まろうとしている🔥🔥
2.前半〜赤い薔薇には棘があった〜
キックで主導権を争う両チーム、だったが、、
イングランドは【速い❗️強い❗️上手い❗️】
開始早々から、イングランドは怒涛の攻撃を見せる。とにかくスピード感が違う🔥🔥加速してるからタックルも強烈だ😳😳これが発祥国の『底堅い強さ』なのか。
勢いに押されたのか、ジャパンは早々にペナルティーを取られた。ジャパン陣内深く入ってきたイングランド、ラインアウトからモールで押してきた🔥🔥ジャパンはこれに耐え逆襲に出るも更なる反則をおかしてしまう。
イングランドはショット選択、主将ファレル選手は落ち着いて決めた🔥🔥
その後、今度はイングランドにペナルティー、ジャパンは相手陣内に入った。
マイボールのラインアウトから攻めるジャパン🔥🔥しかし、イングランドの激しいディフェンスでボールを奪取され、逆に自陣に攻め込まれてしまう😨😨
この日の問題はここで噴出した😨
【スクラムで勝てない】
こうなるとイングランドは一気に深く侵入してくる。次第にイングランドは試合の主導権を握り始めた。
ラインアウトからモールで押し込むイングランド🏴ジャパンはこれに応戦したが、機を見てボールは左へパスされる🔥そこからの速攻に日本は対応しきれなかった。イングランド15番はジャパンのディフェンスを振り切り悠々トライを決めた。ファレル選手もCG を決めてきた。
ジャパンのピンチは続く😨😨
FWの平均体重で上回る日本、しかし続けてスクラム勝負に負ける😢😢。これでは自陣を脱出できない。
それにしても、、
イングランドの圧はよほど強いのか、あるいは湿気で手が滑るのか、ジャパンはボールが手につかずスムーズにパスが通らない😢脱出しても再び自陣に押し戻され、またもやスクラムに負ける。
この時、アメリカ大リーグの様な野太い応援が聞こえた。いや、これは歌だ❗️
『スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット』この歌詞はラグビーに全く無関係らしいが。
相変わらずキックの応酬は続いていた。
その時だった😨。眠気は一瞬で吹き飛んだ❗️
又キックする、と見せかけて、イングランド15番は一気に走ったのだ🔥🔥日本は虚をつかれたのか、15→9→14とみるみるボールは前へと運ばれる😨😨山沢選手がトライ寸前の14番を渾身の力で止めるも、一瞬早くボールは10番に渡っていた😢😢
イングランド右隅にトライ🔥🔥
ファレル選手も確実に決めた。
https://twitter.com/jrfumedia/status/1591456449842249729?s=46&t=P-6tTpxZn-d3R85z57pi-g
試合も前半終盤、
ようやく、ジャパンにもチャンスが巡ってきた。
早くボールを回し、久々に敵陣へ🔥ライリー選手、リーチ選手が走る🔥🔥さらに攻めるジャパン、ゴールラインは目前だ🔥🔥アドバンテージも得た、ジャパンどうする⁉️
ここで、ジャパンはショットを選択、山沢選手は確実に決めた。
17-3 、要するに2トライ2ゴールで追いつける点差だ。しかし、、
高く蹴り上げるボール(ハイボール)の争奪戦に負け再びピンチに😨ここで自陣からリーチ選手が抜け出し、さらにライリー選手が一気に駆け抜ける🔥🔥ボールを前に蹴り出したライリー選手、追いつくか⁉️これは寸前で止められるも、イングランドにペナルティー、シンビン🟨も出てイングランドは10分間14人だ。
ジャパンは再びショットを選択。山沢選手は堅実にきめた。
17ー6 コツコツと差を詰めていく🔥
前半は早くも35分を経過した。
ボールの動きは落ち着かない。ここでイングランドのペナルティー、ジャパンはチャンス🔥
しかし、
山沢選手の長く蹴ったボールは、タッチに出ない❗️❗️そのままイングランドボールとなりプレーが続いてしまう。
イングランド高く蹴り上げたボールを自らキャッチ🔥🔥再びジャパン陣内深くでの攻撃が始まった。一度はボールを奪取したジャパン、しかし自陣で再びボールを奪われてから、イングランドが3つ目のトライを決めるまではあっという間だった😨😨
ここで前半終了。
ジャパンの見せ場は数えるほどだった。
イングランドの赤い薔薇、その棘は想像を超えて鋭く太くジャパンに突き刺さった😢😢
ジャパンを応援するファンの心は、後半どれほど激しく血を流すのだろうか。私は真夜中に一人途方に暮れていた。
3.後半〜フランスまでの茨の道を〜
後半が始まった。
10番は山沢選手から李選手に変わっていた。
日本はラインアウトを起点にテンポ良く攻めていく🔥🔥ここでイングランドのペナルティー。
ジャパンはショット選択、しかし李選手のキックは不成功😢😢
ここでシンビンの選手が戻りイングランドは15人に。
イングランドの圧は依然速く強い🔥🔥ジャパンはボールを保持しても前に出られない。逆にボールを得たイングランドの攻めは速い。
ここでまた、野太い合唱で『あの歌』が聞こえた。
日本はジリジリと後退、さらにジャパンのペナルティー😢
イングランドは自由闊達に動いていた。
ラインアウトからモールへ、さらにモールから出たボールは素早く左へ右へ、さらに前へと力強く動いていく🔥🔥あっという間にトライは決まった。キックも成功。
31ー6
ジャパンに試練は続く。
イングランドの圧にボールを再び奪われ、そこからのイングランドのボール回しは鮮やかだった、ゴールラインへ蹴り出したキックも絶妙だった。再びイングランドのトライ、キックも確実に決めた。
予想以上の大差がついたが、ここでジャパンは意地を見せる🔥🔥
ジャパンは最初のスクラムに勝つ。敵陣深く入りトライのチャンスだ🔥🔥、攻める日本、強い圧になかなか前進できないが、間隙を突いてワーナーディアンズ選手が抜けだした🔥🔥そしてボールは斎藤選手の手に🔥🔥そのまま駆け抜けてトライ❗️キックも成功❗️
その後、、
イングランドは、ジャパンの攻撃をガッシリ止め再三ボールを奪取した。ジャパンは後半に入りスクラムの修正ができたようだ。これを機に敵陣へ入る。目まぐるしく攻守が交代する中でジャパンはジリジリと前進していく🔥🔥
ああ、また『あの歌』が聞こえる😳😳。今までになく深く響く歌声が。
ジャパンはゴールライン上まで到達、しかしトライに至らず、ボールは更に回っていく🔥🔥。ライリー選手はキックでボールを前に、しかし追いつけずトライには至らない😢😢
再びジャパンは前に出るが、ついにこらえきらずペナルティーを取られてしまう😢😢
イングランドは窮地を脱した。あの歌声は止まない。
今度はジャパン陣内深くに攻め入るイングランド、ラインアウトからモールで押し込み、ゴールライン上になだれ込んだ。
ここで、トライに関してジャパンにペナルティーの判定、フィフィタ選手がシンビン🟨となった。
イングランドにペナルティートライが認められた。
あと10分。
ジャパンはスクラムを機に攻め上がるが、イングランドの圧は未だ強い。次第に出遅れるジャパン、遂にボールはタッチにでてしまう😢😢
ここで、この試合の『タックル数』等が画面に表示された。なんとイングランドは日本の倍以上タックルしていた事が判明😳😳そりゃ、強いに決まっている😳😳
イングランドは最後まで手を緩めない。
フィフィタ選手のいない大外右にキックパス、次いでキックでボールを前へ、ドリブルでさらに前へ🔥🔥この鮮やかな連携プレーでそのままトライに結びつけた。CG も成功、
ついに50点台に乗せてきた。
イングランドは止まらない🔥🔥
トライには結びつかなかったが、硬軟自在に走り蹴り、力強く当たり、ハイボール争奪では高く跳び、ジャパンを終始翻弄した。
このエナジーはどこから生まれてくるのだろう。ジャパンは凄まじい攻撃の業火に巻かれていた。
ここでノーサイド
完敗だった。
両チームの選手達は互いの健闘を讃えあった。ジャパンの選手達の表情は険しかった。
テレビで見る限り、観客席からは取り立てて歌声など聞こえてこない。静かに母国の圧勝を堪能していたのだろうか。
もう日の落ちたトゥイッケナムは、きっと身を切る様な寒さに包まれているだろう。
〜あとがき〜
久々の完敗でした。
点差以前の問題、試合の流れが日本に来る気配すらしなかった、というのが正直な感想です。
イングランドは強かった、速さと強さは強烈でした。なによりそのエナジーの持続力に驚かされました。
テストマッチである以上、この結果を『ジャパンの現在地』というのは言い過ぎでしょう。しかし、最先端のラグビーはこんなにもパワフルでスリリングだ、という現実を見せつけられると、まだまだジャパンは進化しなければならない、あと一年、険しい茨の道を歩まなければならない、と思わされます。
一年後のフランスで、より高い場所で『咲く』ために、この試練を良き糧としてほしい、一ファンとしてそう願い、彼らに寄り添い、未来を信じるばかりです。
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