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静岡ブルーレヴズ観戦記☆プレシーズンマッチ☆vs釜石シーウェイブスRFC〜『鉄人』の地に『ラグビー』の風よ吹け〜

1.秋の声を聞きながら

東北の秋は早い。

もう土手のあちこちにススキが揺れる。

木々も色づき始め、朝晩は涼やかな風が肌を通り過ぎる。

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青々としていた水田も黄金色に染まり始め、ギッシリ実の詰まった稲穂が重そうに頭を垂れている。

ここから冬までは駆け足だ。

突き刺す様な冷えこみ、気がつくと舞い降り、いつのまにか止む小雪、時に目の前の信号すら見えない激しい横殴りの雪、凍てつく路面、ダウンコートに降る粉雪は美しい結晶となりハラハラと落ちていく。

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凍った池に映る木々の影 撮影時は12月

東北の長く厳しい冬の前に、ほんのひととき訪れる穏やかな秋の日々。空気は驚くほど澄んでいる。できればマスクを外し胸一杯吸い込みたい。

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岩手県釜石市。釜石鵜住居復興スタジアム

東京から約3時間、東北新幹線新花巻駅で下車、ここからJR釜石線と三陸鉄道リアス線を乗り継ぎ『鵜住居』駅まで約2時間。東京から三陸沿岸地域は、気が遠くなる程遠い😳😳

2022年9月11日

この地に、私が応援するプロラグビーチーム『静岡ブルーレヴズ』が乗り込んできた🔥🔥

相手はこの釜石市をホームタウンとする『ジャパンラグビーリーグワン』D2所属

『釜石シーウェイブスRFC』

もちろん大人世代は、この地がかつて『北の鉄人』の名を冠された社会人ラグビーの名門『新日鉄釜石』の街であったことを知っている。

この地が2011年3月11日の『東日本大震災』で大きな被害を受けてから11年半。

【『黄金の國、いわて。』presents ともだちマッチ】

そう命名された親善試合開催のためレヴズはこの地を訪れていた。震災の年にチームの前身『ヤマハ発動機ジュビロ』がこの地を訪れてから、ほぼ毎年の恒例行事となって今に至る。

メンバーは9日に発表されていた。
この日、偉大なる英国女王エリザベス2世の逝去が発表され、大ブリテン島から遠く離れたこの極東の島国も少なからず悲しみに包まれていた。

両チームメンバーは次の通り。

釜石シーウェイブスRFCには、日野レッドドルフィンズからかつての古巣に復帰した片岡将選手がスタメンに選ばれていた。弟の領選手もリザーブに入っている。

レヴズは、今季補強の目玉🔥SHブリン・ホール選手がスタメンに名を連ねていた🌟🌟スーパーラグビー優勝チームの実力者だ🔥🔥

この名前を初めて聞いた時、すぐにこのキャラが思い浮かんだ🍮もちろん彼の名は『ブリン』であって、フィジカルもハートもタフな男に違いないが🌟🌟

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レヴズにとっても釜石にとっても、このプレシーズンマッチは、『親善試合』であると同時に、シーズン開幕に向けた『一実験場』でもある。

【誰が試合で使えるのか】

レヴズメンバー表には、この選別に晒されているであろう若い選手も多く名を連ねていた。

ベテランと若手、昨季メンバーとメンバー外、そして新戦力。【競争と協調】が試合でどう表現されるのか、プレシーズンマッチはその『試行錯誤の過程』をファンが楽しむ機会でもある。結果は『とりあえず』二の次だ💦

私は指定されたYouTubeを開いた。

家族のいる週末、日帰り困難の釜石遠征はさすがに出来なかった🥲🥲

kickoffは12時。主婦の労働時間に見事被っていた。心持ち昼食の時間を早め片付けまで終えた時、時計はすでに12時20分を回っていた🥲

食後のコーヒーを口にしつつ、私の心は『黄金の國』へと飛んでいく、、

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世界遺産 岩手県 平泉 中尊寺金色堂 撮影時は今年初夏一列の

2、前半〜RUGBYを魅せる男〜

どういう訳かYouTubeのミュート解除ができない😨😨😨

結局、

私はこの試合を『無音』で見ることになった🥲

                    *    *     *

既にレヴズは2つのトライを決めていた🔥🔥

決めたのは、今年もトライ量産が期待されるマロ・ツイタマ選手🌟🌟さらに期待の若手岡崎選手🌟🌟

レヴズにとってはプレシーズンマッチ初戦。しかも地形のせいか風が強そうだ。グラウンド周辺に連なる幟が千切れるように旗めいている。

リードしている、とはいえ、レヴズの攻撃には、ある種『プレシーズンマッチらしい』どこかチグハグな雰囲気が漂っていた。そして、、

自陣に押し込まれ、しかも釜石ボールのスクラム、という場面がやってきた。ここで、『あの男』が現れた🔥🔥

おお😳😳あなたが🍮ブリン兄さん🍮🌟🌟

180センチを優に超える、SHとしてはある種規格外の大型選手だ。いや、驚いたのは体格だけではない。

ボールをスクラムに投入しようとする釜石SHに絶えずプレッシャーをかけている😳😳

もはや『絡んでる』という表現がピッタリくるだろうか。しかも投入した瞬間ボールを手にしようとする選手に容赦なく襲いかかる🔥🔥

より強くより激しい『super rugby』の境地、それが🍮ブリン兄さん🍮のスタイルだ。

兄さんのアグレッシブなリズムに呼応するかの様に、レヴズの攻撃は、徐々に躍動感を増していく🌟🌟釜石のディフェンスは後手に回り、レヴズはトライを量産していく🔥🔥🔥

27分 ツイタマ選手、31分 ブリン兄さん、34分 再びツイタマ選手、38分 鹿尾選手、

さらにトライ後のCGまでなぜか兄さんが決めていた。

REV UP❗️

レヴズ2022/23シーズンのスローガンの如く、選手達は的確なタックルで相手を仕留め、自在にグラウンドを駆け抜けた。チーム全体がうねるような推進力を見せていた🔥🔥

爽快🌟🌟、そんな前半の流れだった。

あっという間に前半も終了間際、、

ここでガス欠が起こったかは定かではない。

あれよあれよという間に釜石に渡ったボール、釜石の石垣選手は猛然と駆け出した。1人2人とレヴズディフェンスを俊足で振り切っていく🔥🔥

前半41分 釜石 石垣航平選手トライ🌟🌟

観客席に翻るいくつもの大旗はどちらのチームのものだろうか。なにしろ無音でのスマホ観戦、小さな画面越しに揺れる大旗の波が会場の興奮を伝えていた。

スタジアムの背後には深緑の山並みが、頭上には澄み切った青空が、果てしなく広がっていた。

3.後半〜不屈の男達に〜

前半終わって38ー7 レヴズは大差をつけている。が、しかし、、

後半開始からの20分間、レヴニスタは苛立ちと不安を最大限につのらせたことだろう💦

釜石は、ハーフタイムで見事に修正してきた🔥選手も一気に交代させ、絶好調時のJ1柏レイソルの如く、レヴズの勢いを削ぎ落とし激しく攻め上がっていく🔥今度はレヴズが守勢に回り翻弄されていた。

後半開始早々 阿部竜二選手が さらに19分タタナ・ダラス選手が🌟釜石連続のトライ🌟

一気に19点まで積み上げてきた😨

石垣選手とタタナ・ダラス選手は、今年5月に活動を休止した宗像サニックスブルーズから移籍してきた。阿部選手は地元企業に勤務しながらの選手生活を始めた新人だ。

【ラグビーを続ける】

この強い思いを叶えるため『白河の関』を越え三陸の地に足を踏み入れた不屈の男達。彼らは『闘士』であり『鉄人』なのだ🔥🔥🔥

さあ、レヴズ、どうする⁉️

後半14分で、ブリン兄さんは田上さんと交代した。さらに他の選手も交代させていく。これで活力が蘇ったのか、レヴズは再び落ち着きを取り戻していく。

とはいえ、ラインアウトもスクラムも、要するに何もかも、発展途上の過程にあったが。

後半23分 奥村選手が、  26分 山口選手が、さらに34分杉原選手が。

レヴズはトライを重ねた。

そして、ノーサイド

59ー19

レヴズは快勝した🌟🌟

試合後、両チームはそれぞれに円陣を組んだ、

緑の芝に浮かぶ赤と青の輪。

いつも見慣れた光景が、なぜかとても美しく見えた。

青のレヴズが作る円は、まもなくスッと解けていった。

赤の釜石が作る円は、スタッフも加わりさらに大きな円となって、しばらく解けなかった。

バックスタンドへの挨拶を終えた両チームの選手達は、メインスタンドに一列に並んだ。

マッチデースポンサー様からレヴズに岩手米『金色の風』が、MOMに選ばれたツイタマ選手に(おそらく)焼肉セットが贈られた。

両チーム選手に挟まれる様に、釜石のチーム公式マスコット『フライキー』と、桜のジャージに身を包んだ謎の『黒いこけし風キャラ』が観客に手を振っていた。後で調べてわかったが。彼はこけしではない。

ウニ丼だった😳😳😳

岩手県PRキャラの5人組ユニット『わんこきょうだい』のメンバー『うにっち』だ。😳😳😳

両チームの選手達は、フライキーとうにっちを囲む様に記念撮影を行った。(下掲写真左上)

(*注 後日、彼は釜石地区担当の『うにっち』ではなく、盛岡からの応援メンバー『そばっち』であったことが判明しました。チームの皆様申し訳ごぞいません。)

強い陽射しに青々と光る芝の上に、赤と青のジャージがモザイクの様に並ぶ。笑みを浮かべた選手達は、少し眩しそうにカメラに目を向けていた。

〜あとがき〜

昨季最終戦から約4ヶ月。ようやく、ラグビーの季節が巡ってきました❗️

レヴズの初プレシーズンマッチの舞台は岩手県釜石市。
あの震災から11年と6ヶ月。各被災地の復興は、歳月の経過により新たな問題を生じさせつつも、着実に前へと進んでいます。

対戦相手の釜石シーウェイブスRFCには、宗像サニックスブルーズからの移籍選手も含め頼もしい新戦力が加わりました。他のチームにはない骨太さ、ハングリー精神を感じさせるチームです。

今回は小さな古いスマホ画面、しかも『無音』での観戦でしたが、かえって『純粋に試合を楽しむ』ことができたような気もします。

東京から遥か遠い東北地方三陸沿岸地域。これから冬を迎えるにあたり、日常生活や練習環境に様々な困難があるかと思いますが、釜石シーウェイブスRFCの更なる躍進を心からお祈りしています🌟🌟

さて、レヴズの新戦力ブリン・ホール選手、その存在感は強烈でした❗️
『日本ラグビーは進化した。しかし世界はそれ以上に進化している』
そんな厳しい現実を目の当たりにした思いです。
より速く、鋭く、強く、厳しく❗️
開幕までのプレシーズンマッチでレヴズがどれだけREV UPできるか、
今から楽しみです🌟🌟

さて、、、
これはレヴズ観戦記ではありますが、釜石にお住まいの『ある方』に思いを馳せながら書きました。

片岡晴未さん
釜石の片岡将選手の奥様です。
まだ幼い2人のお子さんを伴っての釜石生活は始まったばかり。管理栄養士として素敵なレシピを公開されつつ新生活でのエピソードを日々SNS上に綴られています。

これから始まる長く厳しい東北の冬、片岡選手のご活躍と共に、片岡家のご健康とお幸せを心からお祈りしています。

なお、トップ画と第1章に使用した写真は、岩手県内ではありませんが、ちょうどこの時期の東北地方の一風景を撮影したものです。

また、トップ画左の渓谷は、岩手県一ノ関の景勝地『厳美渓』。これは初夏の風景です。

伝説の深夜番組『水曜どうでしょう』の聖地(東北生き地獄ツアーの『空飛ぶ団子』)としても有名ですね😅
トップ画の満月の写真は、試合前日の東京での撮影です。この日は『中秋の名月』。釜石では一層美しく見えたことでしょう。














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