2022年に描いた文字とか振り返り
こんにちは、Σです。
1年間で800作近く投稿していてキリがないので、描いていて特段たのしかった作品や特殊な作品を中心に、2022年の作品をざっと振り返ります。
1月
2022年1作目。筆文字アンビグラムの描き方を試行錯誤。
映像化に挑戦。
内包型に初挑戦。1単語では史上初かもしれない6重マトリョーシカ型。
1日1アンビを締めくくる自信作。思いついたときと既出チェックにひっかからなかったときの興奮は忘れられない。
熟語ばかり探していたところを、ひらがなを含む単語も含めて探すことでまだ可能性を広げられた。
2月
長めの単語に挑戦。「お前それサバンナでも同じこと言えんの?」はむさしさんを中心に流行した作字のお題に便乗するかたちで制作。
お気に入り。
さらに最長記録を伸ばして8重マトリョーシカ型。いがときしんさんの作品「東京タワー」に便乗。
図と地を反転させる全体集合が文字ごとに区切られていない回転図地反転型に初挑戦。
3月
特殊文字組みに挑戦しようとした痕跡。
月刊アンビグラム参加作。ただの単語だけでなく、文字に関する事柄はどんどんアンビグラムに繋げていきたい。
図地反転型は字の見た目ががたがたになってしまうことが多く、本作のような作字としてきれいな図地反転型をずっと目指していた。
文字のパーツの一部を図案と対応させるのをいかに正当っぽい方法で行うかを研究。
お気に入り。
対角での4ヶ所交換型に初挑戦。
文字組みありきの対応解釈を初めてうまく生かせた。
4月
お気に入り。題材はこちらの曲のタイトル。ちょうど「一部を隠しても読める」ということをアンビグラムに生かせないかと考えていたころだった。
袋文字対応に初挑戦。
旋回規則に沿った旋回単位のパース変形の実験。
「姫森ルーナ」型の制作にようやく成功。
「指文字」も文字かもしれない。
かすれによる揺らし方に初挑戦。mojiyaさんのツイートを参考にした覚えがある。
アンビグラムではない作字もしてみたり。
5月
題材を提供していただいて張り切って制作。
お気に入り。
10分作字で初めてアンビグラムに挑戦。次の「側」、その次の「巣」も非常にアンビグラマビリティが高く、この回以降はほとんどの回でアンビグラムかそれに類するものを10分で描いている。
とてもお気に入り。かすれや重ねの技法を身につけたことで、かつて試してうまくいかなかった題材がとてもきれいに仕上がった。
交換型に初挑戦。
4面旋回型に初挑戦。
お気に入り。
6月
みんビグラム参加作。かっこいい。
上下どちらからでも読めるかもしれない和同開珎パズル。たくさん答えていただいてうれしい。
振動型を除き、90°単位で考えうるすべてのパターンで旋回型を描くアイデアはしばらく頭の片隅にあったので、うまくいきそうな単語に出会うのをずっと待っていた。アンビグラム制作は「待ち」の時間が長いこともままある。のちには三字熟語版の「過渡期」、四字熟語版の「絶対服従」も。
お気に入り。
7月
アンビグラム的な処理によって文字らしく見えなくなってしまうところをいかに文字側に寄せるかが勝負なことが多いが、本作はかなりうまく字形を対応させられて、わざわざ文字側に寄せずともしっかりと文字らしく見え、「パーツごとに色を変える」という作字的(文字側から離す)処理を加えることができた。
お気に入り。
note始動。
「姫森ルーナ」型+袋文字対応。
6面旋回型・9面旋回型に初挑戦。6面旋回型の「アンビグラム」はもっと詰められる気がしてほかの解法を見てみたくて呼びかけていたらたくさんの方が描いてくださった。「アンビグラマビリティ」にもその影響が見られる。
8月
みんビグラム参加作。おもしろい対応解釈。
「イロハニ」で「信」になるという気づきから広げたというだけの寄せ字。螺旋さんによるアンサー「阿多福/ワカヨタレソツネナラム」から、「蛇皮線/ウヰノオクヤマケフコエテ」「推薦文/アサキユメミシヱヒモセスン」ととてもたのしいラリーに発展した。
特殊文字組みの研究成果。
リプライでいただいたアイデアを実現。図地反転型を描きながら考えていくのも案外できるという発見を得られた。
自然な文字組みでの斜め鏡像型に初挑戦。
単語をイラストで置き換えてみたり。
douseさんの作品「底辺」に憧れてのドット図地反転型。
いい感じの作字。
TOOBOEさんの楽曲『敗北』のロゴデザイン。今年のできごとどころか自分史上最大のニュースのひとつ。TOOBOEさんもトキチアキさんも本当に大好きだったので本当にビビった。
お気に入り。
9月
筆文字アンビグラムの描き方を試行錯誤②(→参考)。
スリットアニメーションとムンカー錯視を掛け合わせて。
一部パーツを反転しても読める。フロクロさんの作品「千年王国」で意識した技法。
ずっと描きたかった七字熟語ケルベロス型。
お気に入り。
10月
お気に入り。
きれいに文字を等分する無旋回重畳型に初挑戦。新しい型に挑戦するときに、何かとアンビグラマビリティが高い文字から考える(本作の場合、「感」の左半分が「旡」っぽいところから考えた)のはいい方法かもしれない。
アイデアも完成形もなかなかいい。
多面共存型、鏡像図地反転重畳型、鏡像重畳型と、まだ描いたことがなかった型にもいろいろ初挑戦。
ちょっとした解説がけっこう反響をいただいた。
「所以」よろしくかっこいい図地反転型が描けてうれしかったやつ。
海外の方にけっこう反応をいただいたり。
題材はこちらの曲のタイトル。自分でも気に入っており、今年いちばん伸びた作品でもある。
漢字のみの単語ではおそらく最長の7重マトリョーシカ型。
技法の実験。交差法というのはこちら。
1文字目/3文字目、2文字目/4文字目が対応する回転型に初挑戦。この対応関係で早い例だと意瞑字査印さんの「安野光雅」が思い当たる。
11月
「門」はそれっぽければ読める。
お気に入り。
技法の実験。
MC Taniguchiさんの作品「馬力/12345」に便乗。
元ネタはこちら。おそらく和文アンビグラムで史上2番目に文面が長い。たいへん光栄なことに、長文アンビグラムのパイオニアたるマサトさんにもお褒めいただいた。
お気に入り。
4倍重畳型に初挑戦。もしかしたら史上初かも。
douseさんの作品「新参」「後遺症」の、縦横線→斜め線、斜め線→縦横線の完全対応に憧れて。
お気に入り。
12月
旋回重畳図地反転型に初挑戦。定義上これがアンビグラムかは怪しいが、非常にたのしい技法を開発できた。のちの「弥縫策」もお気に入り。
考えられる全パターンの筆脈の「ふ」をいろいろなフォントから探し回った。[1][234]のタイプの「ふ」がなかなか見つからなかった。
螺旋さんの作品「黄道十二星座」が最高すぎて、名数系のものをいろいろ考えていたころ。
おンビグラムに便乗。「お話」「お椀」「お釣」「お空」と、普段であればなかなか描けないような作品を、「お」という1文字を軸足にすることで描くことができてとてもたのしかった。特に本作は3画/16画という圧倒的な画数差を、1種類の規則で解決していてとてもお気に入り。
お気に入り。
リボン状対応解釈。
作字AdventCalendar2022初参加作。
筆文字アンビグラムの描き方を試行錯誤③(→参考)。この描き方がかなり描きやすく、本作以降この描き方で筆文字アンビグラムをたくさん描いている。月刊アンビグラム参加作なので、本作より前に投稿している「井戸端会議」「一文なし」「戦/平和」「乱痴気騒ぎ」などのほうが描いたのは後。
ふだんから「生」をほぼこの字形で書くので、この「生」があまりにも「fe」の鏡映であることの発見作。
「銃・病原菌・鉄」と合わせて、今年の研究の集大成たる作品といえそう。対応解釈が文字組みを決めるのではなく、文字組みが対応解釈を決める作品。「旋回式重畳型」のほうは、化学さんの作品「必要最低限」を見て以来憧れていた1文字+1文字→1文字の旋回式重畳型でもある。
「月」「旦」「勿」のほぼ完全対応。
螺旋さんの作品「夏日/真夏日/猛暑日/酷暑日」を見て以来憧れていたマトリョーシカ共存型に初挑戦。
変体がなをアンビグラムにしてみたり。
本作や「地域的な包括的経済連携協定」で、「姫森ルーナ」型の拡張を研究。
筆文字に特殊文字組みにと今年の研究成果の盛り合わせ的作品。最初は「良いお年を」で描こうと思ったが、先行作品があった。
12月の1ヶ月間に投稿した100作品を10×10に並べると「アンビ」の\軸鏡像型アンビグラムになる、という作品。アンビグラム尽くしの1年を締めくくるにはこれをやろうと決めていた。大変だったが、それをはるかに上回るたのしさがあった。
まだ誰もやったことのないようなアンビグラムに挑戦したり、誰かのアンビグラムに憧れて未踏の技法に挑戦したり、とにかくたくさん新しいアンビグラムに挑戦できた1年間でした。一緒に開拓を進めてくださったり、インスピレーションにつながるすてきな作品を描かれたり、そして作品を見てくださったりするみなさんには、感謝してもしきれません。1年間ありがとうございました。
それでいてなお、まだやっていなくて絶対にいつかやりたいと思っている型や技法が山ほどあるので、これからも探究は尽きません。来年以降もお付き合いいただけたらうれしいです。
それでは、良いお年を! 来年もよろしくお願いします!
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