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なぜ彼女は悪い魔女になったのか?『ウィキッド』から読み解く黒い羊と正義感

私の推しミュージカルのひとつは現在、劇団四季で上演中のウィキッドである。言わずと知れたオズの魔法使いのアナザーストーリーで、緑の肌をした魔女がなぜ悪者になったのかを読み解ける展開となっている。事前にオズの魔法使いの内容を知っておくとより楽しめるはず。

簡単なあらすじは、国を支配していたオズが大切な仲間である動物の言葉を奪い、共通の敵として仕立てる政策をとっていた張本人だったことに気づいた魔女が、国に立ち向かい闘うという流れである。国民の敵となった魔女は最終的にドロシーに水をかけられて死ぬ。そこで冒頭の、魔女をやっつけたぞ!と朗報を伝える場面につながる。

正義感の強いこの魔女がエルファバ、彼女と正反対の性格で善い魔女として仕立てられるのがグリンダである。どこにいってもなぜか浮いてしまう自分は特にエルファバに感情移入する。権力者に迎合することが常に望ましいのか問われると、そんな愚鈍であるよりも美しく孤独である方が絶対にいいだろと思ったりする。

このお話と似つかわしく思い出されるのが黒い羊効果である。集団内の異質な構成員の存在を排除することで結束するというのだが、どちらかといえば自分はこれまで黒い羊になりやすかった、というのも空気を読まずに自分の正義感からくる意見や、誰もが思ってるけど言えないことを柄じゃないのに堂々と言ったりするからだ。そんな感じの内容を欅坂46が歌った同名の神曲があり、ぜひ一度聴いてほしくなる価値がある。

話はウィキッドに戻り、とにかく音楽が素晴らしく、緑を基調とした美しい衣装や舞台装置も堪能できる。以前鑑賞した際、サントラを何度も聴いては登場人物になりきって熱唱したものだ。これから行く人はどうぞ楽しみに観ていただきたい。

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