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【INDY】偉大なるINDY500四勝目の影に

13万5000人の観客が目撃した歴史の1ページ

第105回目のインディ500が終わってから2週間になろうとしています。その間にF1アゼルバイジャンGPでレッドブル・ホンダのチェコが優勝したり、全米女子オープンで笹生優花選手が優勝したり、エンゼルスの大谷翔平選手が打ったり投げたり、ニュースは尽きませんでしたね。そういういいニュースを見るにつけ、あ〜あぁという嘆息が止まりません。インディ500も勝ってたらなぁ‥‥。言っても仕方ないことは百も承知ですけどね。そんな時間が延々と続いています。

今年は13万5000人のファンがグランドスタンドに戻ってきて、ブリックヤードに活気も戻ってきました。そのファンの目の前で繰り広げられたドラマは、過去104回のどれと比べても遜色のないものだったでしょう。そんな今年のインディ500のドラマの一部を紹介出来ればと思います。


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INDYオブジェの上にあった200の文字。これが何を意味していたか、教えてもらうまで僕も知りませんでした。2021年はインディアナ州がアメリカ合衆国の州に加わってから200年目だそうです。州としては19番目。ぜ〜んぜん知らんかったw 


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昨年の覇者、ディフェンディングチャンピオンとして今年のインディ500に臨んだ
佐藤琢磨選手。昨年は計算通りの完璧なレース運びを見せていただけに、プラクティスからライバルのチェックも厳しかったですね。昨年は予選もうまく行って予選3番手フロントロウでしたが、今年は予選15番手のスタート。決して優勝を狙えない位置ではなかったんですけどね。


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予選であわやバンプアウトされそうになったウィル・パワー。2018年のウイナーなのにこんな事になるなんて。ペンスキー勢が精彩を欠き、ウィルはなんとか予選を通過出来ましたが、これがインディ500の怖さです。もう奥さんのエリザベスさんのペットボトルがぐしゃぐしゃなのが、わかるでしょうww


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片やバンプアウトされてしまったチャーリーくん。涙が滲みます。AJフォイトからのエントリーでしたが、何度も何度もアテンプトに向かう姿が哀愁を誘いました。あと1マイルのスピードが足りない‥‥。越えられそうで越えられない見えない壁に、すべてを打ち砕かれてしまいました。無念。


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予選でポールポジションを取ったディクシーをカナーンやエリクソンのチームメイトが祝福します。10万ドルゲット!💰 昨年のリベンジを果たすべく、ほぼ完璧な状態でレースを迎えていたディクソンとチップガナッシ勢でしたが‥‥。


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今年はいろんなセレモニー、イベントも復活しましたが、市内のパレードやスネークピットはキャンセル。その代わりに全ドライバーがダウンタウンに繰り出して、モニュメントの前で記念撮影でした。後は戦没者記念碑です。


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IMSが主催して、“お家をデコレーションしてインディ500を盛り上げよう“キャンペーンがあり600件以上の応募があったとか。それで当選したお宅にドライバーが訪問しちゃう企画がありました。琢磨選手が訪問することになったお宅にはなんとボルグワーナートロフィーも! お母さんは絶叫しまくりの大喜びでしたw  インディ500は地元のファンにも支えられているんですね。


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今年は一段とファンが集まってた30号車のピット裏。昨年はドライバーにサインをもらえなかったですからね。ドライバーさんも時間の許す限りサービスしますが、なかなか追いつきません。


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予選が終わった後にはちびっ子記者から質問も!w  お父さんがきっとビデオに撮ってYou tubeにでもアップするのかな? ちょっと恥ずかしそうに質問するところが良かったですw


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インディ500に向けて、ヘルメットにドラゴンをあしらってきたパロウくん。
プラクティスではクラッシュしちゃったけど見事復活! そして序盤からトップ争いに加わる堂々としたレースぶりでした。もしかしたら勝ってたかもね。ただ最後の最後で経験の差が出てしまったのよね。来年は勝てるか?


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レースがスタート! 今年の歓声はひと際大きかったなぁ。この瞬間をファンが待ち望んでいたことがよく分かります。この後の200周のドラマを見るために、ず〜っと待っていたんですもんね。


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最初のピットインが始まる頃にいきなりドラマが! ピット入り口でステファン・ウイルソンがクラッシュしちゃって、ピットがクローズになったのにディクシーとか燃料がないクルマたちがエマージェンシーで入ってきたり‥‥、ドタバタが始まります。燃料を稼いでいた30号車はステイアウトしてポジションアップ。8番手まで上がっていました。お、風が向いてきたか‥‥?


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ん? やっぱり最初からビーケイとコルトンは飛ばし過ぎじゃね?と思い始めた頃から、前に上がってきたのはパロウ、エリオ、パト‥‥。このあたりが速くて燃費をうまくコントロールしている感じ。その後ろにライアンとか琢磨選手とか‥‥。
なかなか面白いレースになりそうな気配でしたね。


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トレーナーの浩平さんのお祈りの時間が始まりましたw    お祈りが始まったということは、30号車が良い位置にいるということです‥‥。琢磨選手は序盤から燃費をうまく稼いでいたおかげで、最後に1ストップ減らす作戦に出た30号車。157周目の最後のピットからノーストップでチェッカーを目指します。マジ? 果たして燃料は持つのか? イエローは出るのか?? もうほとんど神頼み状態‥‥。チームは大きな賭けに出ました。


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レース中無線を聞いていたので大まかな状況はわかっていましたが、燃料があと何周持つかはピットボックスの人じゃないと分かりません。イエロー出ろ〜!と思っても、今出たら7号車勝っちゃうんじゃね?とか、もう頭は堂々巡りっすよw  
そして7号車がピットに入り、その後30号車も6周を残してピットに入ってきたのでした‥‥。この時点で上位でフィニッシュするチャンスはなくなりました。
うむむむ、残念。


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レース後このレースで見事インディ500四勝目を挙げたエリオを讃える琢磨選手。そう言えば2017年に四勝目を阻んで優勝してたしねw   このレースを勝ったのがエリオで良かった。もし他のドライバーであれば、もっとどよ〜〜んとした気持ちになっていたかも。エリオが琢磨選手より2歳も年上ってのも、良いじゃない?w   
僕は2001~02、09年の彼の過去三勝を見ていないので、初めて彼がインディ500で勝った所を見ました。レース後のセレモニーを全部無視してw、スパイダーマン決めた時はうれしそうだったなぁ〜。


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エリオにおめでとう!を言った後、ガソリンアレイに戻る琢磨選手。
悔しそうでしたね。彼もきっと眠れなかったでしょう。
最後のスティントまでパワーを貯めておいて、ようやく行くぜ!となったはずなのに。あそこは確率の低そうなギャンブルにかけるより、フレッシュタイヤを履いて、燃料満タンでブイブイ追い上げる所を見たかった。もしそれで敗れ2位でも3位でも、それは仕方ないと割り切れたでしょう。なんかスッキリ出来ない終わり方でした。もちろんチームの指示でそうなったんですけどね。

例えば2012年のファイナルラップ。琢磨選手はダリオに仕掛けてスピンして負けましたが、あれはあれで良かった。いや、スピンしたから良くなかったけどw 勝負をした実感は彼にもあったでしょう。でも今年は彼のポリシーとは真逆の戦略だったわけです。手元にスリーカードあるのに、ロイヤルストレートフラッシュを狙うような、ツモれば上がるのに急に役満狙っちゃうような‥‥(笑。

インディ500で空いた穴は、インディ500でないと埋めることが出来ません。それほどインディ500は偉大なレース。それを噛み締めているのは、他ならぬ今年のウイナー、エリオ・カストロネベスではないでしょうか。2014年にライアン・ハンターレイに敗れ、2017年には琢磨選手に敗れ2位に終わっていたエリオ。四勝目への挑戦をずっと続け、ようやくビクトリーサークルに辿り着いたのです。

琢磨選手には今年ぽっかり空いてしまった大きな穴を、またインディ500で埋めて欲しいと切に思うのでした。



今年もnoteを読み続けてくださってありがとうございます。
前回お伝えしたようにサポートしてくださるみなさんのために、色々お土産を物色しておきました。帰国前にもうちょっと増えるかも知れません(笑。昨年好評だったトレーダージョーズのエコバックもいっぱい買ってありますよw   今年はサポートの数も残念ながら(?)少ないので当選の確率は大きいですから、どんどんサポートしてくださいね。締め切りはまだ先。#何回サポートしていただいても結構ですよ(笑。アメリカ滞在中なかなか出費もままならないので、皆様のサポートをぜひお待ちしておりますm(_ _)m。

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