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noteで長編小説連載はじめます
どうもこんばんは、蜂八です!`( ´8`)´
長らくお待たせしておりました……
超水道最新作『ghostpia』、めでたく公開となりました!
そうそう、僕もちゃんと参加してるんですよghostpia。
ほら、こんなふうに。
すごい! 自分でも何をしたか分からなくてすごい!!
「僕って何かすごいことしましたっけ」と
ghostpiaシナリオ担当のミタさんに訊いたら
「これからすごいことに
『Angell Doll』まえがき──「それ、持って行ってみなよ」
こんばんは、蜂八憲です!`( ´8`)´
ではでは、改めまして。
10/11(土)からnoteで長編小説『Angel Doll』の連載を始めます。
どうぞ宜しくお願い致します!ヽ(=´▽`=)ノ
さてさて、前回の記事では
note連載の概要についてお話ししましたが、
本日は作品のちょっとしたエピソードについて。
Angel Doll ──Story──
「エンジェルドール」と呼ばれるヒュ
act1 : Sun. Dec. 17th
「ついに、彼女ができたんだ!」
鈴木からそんなメールが送られてきたのは、昼のことだった。
誇らしげな一文で始まった文面は、
ひとしきり「彼女」についての惚気を並べ立てた後に、
こう締めくくられていた。
「家に来てくれよ! 俺の誕生日祝いも兼ねてさ」
鈴木は、俺の幼い頃からの友人だ。
古くは幼稚園から、そして大学に至る現在まで……。
幸か不幸か、俺たちは一緒の学校に通ってきた。
いわゆる、腐れ
act2 : Mon. Dec. 18th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17thから読む
翌朝、俺はマンションの裏手にあるゴミ集積エリアへと向かっていた。
月曜日──燃えるゴミの日。
ここ二週間ほどゴミを出しそびれていたために、
膨れ上がったポリ袋を両手に提げる羽目になってしまった。
朝方の空気は冷やかで、ぴんと張り詰めている。
息を吐くと、白いもやが大きく広がった。
手早く済ませて、暖房をきかせた部屋に戻ってしまいたか
act3 : Tue. Dec. 19th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
窓から差し込んでくる陽の光が眩しくて、目を開けた。
重いまぶたをこすりつつ、ベッドから起き上がる。
ぼんやりとした頭を抱えて、傍らのデジタル時計に目をやった。
PM 5 : 18
「……はっ?」
──PM、だって?
霞がかった思考が、さっと晴れていくような心地がした。
今は「午後」五時すぎ。
てっきり朝だと思い込んでいたぶん、
act4 : Wed. Dec. 20th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
居間の空気を、暖房が緩やかに掻き回していた。
カーテンを開ければ、ガラス窓は結露した水滴にびっしりと覆われている。
手で表面をぬぐうと、ひんやりとした感触とともに明瞭な景色が現れた。
太陽はすでに高く昇り、さんさんと光を降らせている。
コーヒーを口に運びつつ、眼下の街並みを眺めてみる。
昨夜も雪が降ったらしい。
見渡す限りの家々は
act5 : Thu. Dec. 21th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
俺は、ほの暗い闇の中を走っていた。
前方には凛の背中があった。
こっちだよ、と笑い声が弾む。
二つの足音が重なりあい、遠く響いている。
どうやら、鬼ごっこらしい。
ずっとずっと前から、追いかけていたような気がする。
そろそろ交代させてやらなければ。
俺は力を振り絞り、ぐんと加速する。
じわじわと、凛との距離が縮まっていく。
……
act6 : Fri. Dec. 22th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
朝の電車はがらりと空いていた。時刻は早朝五時を過ぎたところ。
乗る時間をいつもより四時間も早めたのだから、
空いているのは当然だった。
乗客はみな、一様にくたびれた雰囲気をまといつつ、背をシートに預けていた。
それは俺にしても同じことで、慣れない早起きがたたったのか、
爽やかな朝とはお世辞にも言えやしない。
重力が何割か増したように
act7 : Sat. Dec. 23th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
目覚めると、目の前にリンの顔があった。
どうやら、そのまま寝込んでしまったらしい。
音を立てないように、そっと身を起こす。
ソファーにもたれる格好で、すやすやと寝息を立てるリン。
そのままの体勢で寝ていれば、首や肩を痛めてしまうだろう。
俺はリンの背中を、ゆっくりと後ろに倒した。
背中に右手を当て、左手を膝の下に差し入れてそっと持ち
act8 : Once upon a time
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
──私は、自分の名前が嫌いでした。
最初にそう思ったのは、小学生の頃だったでしょうか。
「『りん』の名前って、むずかしい字をかくんだね」
長い休みのたびに、先生から返却される通知表。
そこに記されている私の名前……『凛』の字を見ては、クラスの人たちに口を揃えて言われたものです。
自分の名前に使われている字を、何気なく辞書で調べた時。
act9 : One more chance
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
目覚めた時、私は薄暗い部屋の中に居ました。
打ちっ放しのコンクリートで囲まれた室内。
そこに窓はなく、自分の居場所はおろか、今が朝なのか夜なのかさえも判然としませんでした。
私は後ろ手に縛られていて、目の前には何人かの男女がいて。
私の起床を待ちわびていたらしく、彼らは飢えたような視線を注いでくるのでした。
彼らは、自らを「傀儡」
act10 : Sun. Dec. 24th
◀第1話 act1 : Sun. Dec. 17th から読む
ぶつん、と。終わりを告げる音がした。
世界にノイズが散らされる。
音と光の錯綜は、激流となって感覚を焼いていく。
「──っ、あ、ああ、」
どこかで誰かが呻いていた。哀しそうに、叫んでいた。
「──ああああああああああああ!!」
頭の内側が、膨れ上がって破裂しそうな錯覚。
ひび割れそうなほどに鋭い痛みが、身体の中心に走った。