ふつう
ふつう。に惹かれる、ということについてのnoteを書きたいと思いながらおそらく半年以上が経った気がする。という下書きを1ヶ月以上寝かせてしまった。。なんだかバタバタしていた。
上の写真はうちのお昼の食卓などによくのぼるサンドイッチ。和菓子やお餅をつくっている地元の「尾崎餅店」のサンドイッチ。母が地元のスーパーで買ってくる。
ふつう。のサンドイッチ。でもこの、ふつう。のサンドイッチが、今はあぁ、いいなぁ。美味しいなぁ。と思う。
昔、母が遠足なんかに作ってくれたサンドイッチはまさにこういう感じのもので。サンドイッチ用の、すでに耳がカットされてパックに入った8枚切り?のパンにマーガリンを塗って、薄く切って塩して絞ったきゅうりと赤いハムがはさんであるのと、卵サラダが挟んであるの、の二つで1セット。
この母のサンドイッチ、美味しくて好きだったんだけれど、世の中にはいろんなサンドイッチがあるのだと知ると、具がたーくさん挟んであるやつが食べたい!とかって思うようになるわけで。
大学時代にアメリカに1年留学もさせてもらった時には、あのアメリカのサンドイッチの具の多さに感激したものです。(そして向こうのサンドイッチはなんだかしらないけどどこで食べても美味しい。日本のおにぎりみたいなもんか)
留学していたRhode IslandのProvidenceにCheese Cake Factory というお店があった。このお店はチェーン店で各地にあるんだけれど、ここの Grilled Shrimp and Bacon Club Sandwichが大好物だった。
今公式サイトで探したらメニューから無くなっていてショックだったけど(そりゃそうだ。20年くらい前の話)こんなやつ。
あとNYCのカッツデリカテッセン。一昨年久方ぶりに食べて感動した。
と、ちょっと話がずれて熱くなったけど、そんな具がもりもりなサンドイッチが最上だと思っていた頃から20年ほどたち、いまはこのふつう。のサンドイッチが、しっくりくるし好きだなぁ。としみじみ思う。
このサンドイッチが、「ふつう」。だから好きなんだ、と気づいたのは深澤直人さんのこの本をよんでいたとき。
日本人にとって「ふつう」という概念は切り離すことのできない生活の根底をなすものであり、それが美と思想の核をなしているように思えてならない。「ふつう」という価値が日本人にとってどれほどまでに重要な意味を持っているかを考えてみるのもわるくない。日本人は「ふつう」なのである。「ふつう」は心が回帰する場所なのである。
深澤直人さんは日本民藝館の館長も務められているが、この「ふつう」への視点って、やっぱり民藝につながるところもあるなぁと。私は一周回ってやっぱりそういうものに心惹かれるのだなぁ、、、とあらためて感じている。
NHK BSでやってる火野正平さんが自転車で各地を巡る「こころ旅」。これが好きなんだけれど、何が好きかって、正平さんとおば(あ)ちゃんたち、おじ(い)ちゃんたちとのやりとり。そして何と言っても立ち寄るお店の「ふつう」なご飯。決して活気があるとは言えない地方のまちの、ふつうの喫茶店や食事処で、ふつうのメニューを食べる。それがまぁものすごくふつうで。ものすごく美味しそう。そういうのが、いいなぁ、と最近思う。
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