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K
2024年3月8日 08:16
誰かの恩に縋って生きて欲しくないだなんて俺の妄言に過ぎないのだろうか。誰にも支配されてほしくない。そう思って仕舞うのも俺の我儘だろうか。献身とも盲信とも違うような気がする。地球ぜんたいが満たされなくとも俺はお前に世界の広さを見てほしい。知ることができれば慈しむこともできるから。お前が聞いたら笑うかな。ただの気まぐれなんだよ、ほんとさ。どうかこの言葉がお前を縛りつ
2024年2月29日 06:10
仄かに香る高価なコロン。あなたさえいなければ。背筋が伸びて新鮮な空気が肺を満たす。お願いだから出ていって。もう、あなたの隣は、息苦しいから。涙が頬を伝った。私にも秘密くらいある。女は言った。なのにこんなのはあんまりだわ。僕らには相応しい終わり方だったのかもしれない。欲しい物程手に入らないんだな。男はそう嘯くと、薄ら笑う。本当の結末にどうか、気づかないままで。
2024年2月24日 09:25
私たちの生活の中で起こる諍いのその根底にあるものは、きっとものすごく単純で幼稚なものであるに違いない。世界を救うのはいつだって難しい。「結局、自己満足でしかないんだ」窓の向こうを見ながら男は呟いた。放たれた言葉はひどく無機質で、表情は見えない。探し物はここにあるのに。貴女と出会ってから、なぜだか目が離せなかった。今日はやけにあいつが絡んでくる。暇なのだろうか。そこまで心配され