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vol.6 青島-QINGDAO-

皆さん、こんにちは。

「8 photos in CHINA」第6回 青島編をお届けします(^ ^)

日本人の方に、青島を「チンタオ」と紹介してもほぼ100%通じるので、中国の地方都市の中でも知名度が高い都市の一つではないでしょうか。逆に「アオシマ」と伝えると、元都知事か織田裕二が思い浮かんじゃいますね。

では、青島の基本情報からお伝えしていきます。

青島-QINGDAO-
所属:山東省
エリア:華東地区
面積:約11282㎡
人口:約930万人
タクシー初乗り料金:10元

青島は山東省随一の大都市ですが、省都は青島ではなく、「済南」に置かれています。vol.1の上海vol.3の南昌(山西省)と同じ華東地区ですね。近場にばかり行っているのがバレる。

面積は、日本で6番目に大きい秋田県と同じぐらい。人口は1,000万人に迫る勢いで増加しており、神奈川県の人口(日本2位)を少し上回ります。ちなみに、山東省全体の人口は約9,600万人で、広東省に次いで中国2位だそうです。タクシー料金10元≒160円は、地方都市の中では高額の部類。

場所を確認しましょう。

中国最大の半島、山東半島が突き出ていますね。山東省の北は渤海、東は黄海で、青島は山東半島の南海岸あたりに位置します。少しずつですが、地図上で目視可能な場所が増えてきました。

さあ、旅のスタートです。


【Day.1】2018.8.24

今回は、連休ではない通常の週末旅でした。金曜日、ちょっと早く退勤して虹橋空港へ。15:55のフライト。ほぼ定刻通り、1時間ちょいで青島に到着。空港から市内までは結構距離があり、タクシーで約50分かかりました。とりあえずチェックインして荷物を置き、最初に向かったのは「五四広場」。南昌の八一広場もそうですが、中国の広場は、「記念日+広場」というネーミングが多いですね。

五四広場(ごしひろば)は、中国山東省青島市の東部に1990年代にビジネス街を新たに造成した時に造った海浜公園である。広場の名前は、五四運動を記念して名づけられた。最も有名な彫塑は「5月の風」で、海を埋め立てた広場の中心にある。五四広場の周りの海面は北京オリンピックのヨットレースの競技場になった。五四広場の東部は青島の新しい商業圏で高層ビルが立ち並び、北側には青島市政府がある。5月1日と10月1日の青島ビール祭りの時にはイベントが開かれる。
引用:Wikipedia

五四運動とは、1919年パリ講和会議のベルサイユ条約の結果に不満を抱き発生した、中華民国の北京から全国に広がった抗日、反帝国主義を掲げる大衆運動(こちらもWikipediaから引用)のことを言います。「抗日」と聞くと日本人の方はムムムっとなるかもしれませんが、抗日関係の記念日、建物は腐る程存在するので、特に物騒に思う必要はありません。五四広場に着いたのは夜9時ぐらいでしたが、地元民や観光客で賑わっていました。「5月の風」は、高さ30m、火が燃える赤い松明を模した彫刻だそうですが、私には巻きグソにしか見えませんでした(怒られるわ)。

蒸し暑い上海とは違って、爽やかな海風が吹き抜ける広場でのんびり過ごし、10時頃にホテルに戻って就寝。翌日の登山に備えます。


【Day.2】2018.8.25

青島と言えば海&ビールのイメージですが、山も有名なんです。秦の始皇帝も訪れたとされる嶗山(ロウ山)。2日目は、「海上第一名山」と称されるこの山に挑みます。

朝8時に、事前手配していたドライバーさんがホテルまでお出迎え。美しい青島の景色を楽しみながら、東に進むこと約1時間。海抜1,132.7mの嶗山登山口に到着しました。富士山が海抜3,776 mなので、その3分の1にも満たない山ですが、下から見上げると迫力十分。今からこの山を登るんだと思うと一気にテンションが下がってきましたが、ここで引き返す人は恐らく歴史上一人もいないと思われるので、無理やりテンションを上げて登山開始。ロープウェイでショートカットもできましたが、70をとうに過ぎているであろうお爺さんお婆さんが普通に登山しているのを見て、自力で登る決意をします。


登山開始2分:久々の運動っていいな〜
登山開始5分:登山楽しいやん!
登山開始8分:ちょっと息が切れてきたけど、まだ始まったばかりだし頑張ろう!
登山開始10分:あれ!?何かおかしい。
登山開始15分:どうしよう。。。やめるなら今だよな。。。
登山開始20分:嘘やん。。。もう無理やん。。。
登山開始21-50分:。。。。。。。。。。
登山開始60分:💀💀💀💀💀💀💀💀

途中何度も諦めそうになり、死の淵を彷徨い、戒名が3つほど浮かんできたところでようやくロープウェイ降り場に到着。清々しい達成感と充実感に浸っていると、ロープウェイから降りてきたカップルの「ここから山頂までどれぐらいかかるかな〜」という会話が聞こえてきました。















ぜつ‐ぼう【絶望】希望を失うこと。全く期待できなくなること。
引用:goo国語辞書



ロープウェイ降り場=山頂だと思ってたけど、全然違ったわ。ただの中腹だったわ。おとなしく最初からロープウェイ乗ってれば良かった(涙)

もうこうなったら意地です。ここから更に30-40分の苦行を経て、この戒名にしようと決めたところで、辿り着きましたSAN-CHO。

1st Photo @嶗山

うー!!!気持ちいいーーーーーーーー!!!!ここまで登りきった自分を褒めてあげたい。有森裕子さんの名言が心に染みます。

そして、山頂に到達した者だけが目にすることのできる、神秘的な光景。

2nd Photo @嶗山

現代版画家の力群さんによって彫られた「天苑」の2文字。本当に天界にいるような気分になる、幻想的な光。これは感動したな〜。

登っている途中は本当にキツイんだけど、喉元過ぎれば熱さを忘れる、とでも言いましょうか。いざ登頂すると、またチャレンジしたくなりますね。登山にハマりそうです。ただ、下りのHPはゼロだったので、素直にロープウェイで下山。

3rd Photo @嶗山

ロープウェイ、超超超気持ち良かった!これはもう完全に病みつきになります。圧倒的な開放感。山って言うのはな、自力で登ってナンボなんだよ!何を行きから楽しとんねん!と、登りのロープウェイに乗っている人たちにガンを飛ばしながら下りていきました。中国全土を旅する中で、恐らくこれから何度も登山の機会はあるでしょうが、嶗山はちょうどいい感じの難易度だった気がします。山東省には、「泰山」という有名な山もあるのですが、

古人の文献にいう。「太山おのずから高いというも、東海の労に及ばず」。ここにいう「太山」はすなわち「泰山」であり、ロウ山の前では、泰山もロウ山に及ばないと嘆くというのである。
引用:人民中国インターネット版

古代から、嶗山は山東省随一の名山として知られていたんですね!納得。

下山してドライバーさんと合流し、嶗山の麓にある海鮮料理屋さんで昼食を取りました。どう考えてもツーリストプライスで、かなりボラれている気はしたものの、新鮮な海鮮の前に沈黙。小汚いお店でしたが、味は抜群でした。その後、別の鑑賞ポイントをいくつか回って、嶗山巡りは終了。車1台チャーターして、登山料など含めて一人510元≒8,200円。個人的にこの出費は大アリです(フフホトの草原ツアーと比べたら天と地の差)。

市内に戻り、ホテルで小休憩。実は、この後に向かう場所こそが今回の旅のメインテーマなのです。まだ17時前でしたが、少し早めにその場所に行きたかったので、大してお腹も空いてないけど、とりあえず晩御飯。ホテルから徒歩数分、青島名物「鮁魚餃子」のお店へGO。

4th Photo @船歌魚水餃

く、黒い!こんな漆黒の餃子、上海在住10年目にして初めて目にしました。「鮁魚」というのは「サワラ」のこと。餃子の餡に魚を使うってのは相当珍しいですね。奥の白い餃子がサワラ餃子なのですが、手前の漆黒餃子は、何とイカスミの餃子!サワラ餃子ってだけでも驚いたのに、イカスミ餃子にはぶったまげました。そして、この二つとも超絶美味!もともと水餃子は大好きなのですが、これは本当にヤバいです。確実にハマります。青島に約20店舗チェーン展開している「船歌魚水餃」、もし上海にあったら絶対通うわ。ってブログ書きながら今調べたら、何と上海にも2店舗進出しているではありませんか!!!本気で嬉しい😍😍😍

サワラとイカスミの奇跡を堪能し、いよいよ本日の、いや、今回の旅最大の目的であるイベント会場に向かいます。市内からタクシーで約1時間、19時頃に到着。入口で入場料20元≒320円を支払い、テーマパークのような会場を奥へ進んで行くと、いかにもなモニュメントが見えてきました。

5th Photo @ビール祭り会場

青島ビール祭り。中国在住の方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。1991年から開催されているビール祭りは、国の関連部門と青島市人民政府が共催している地元の一大イベントで、2018年は第28回目の開催となります。今年は3ヶ所の会場が使用され、開催期間も過去最長の38日間になるなど、青島の夏の風物詩として多くのファンを惹きつけています。私が訪れた会場は去年から増設された西海岸会場で、閉幕式を翌日に控えた最後の土曜日ということもあり、ものすごく賑わっていました。前からずっと来てみたかったビール祭り。実際に訪れてみると、自分の想像を遥かに超えるイベント規模で、入口からこのモニュメントまで徒歩10分以上、奥に見える建物と同じ規模のパビリオン?が約10個あり、各パビリオンに1社ずつビールメーカーが出店・出展しているような感じでした。ちょっとした万博ですね。敷地面積は、東京ドーム約16個分(筆者調べ)。その中でも一番の盛り上がりを見せていたのは、やはり地元メーカーの青島ビール館。

6th Photo @ビール祭り会場

熱気ムンムン。暑苦しい、騒がしい、けど楽しい。思った以上に祭りでした。老若男女問わず、中国人も外国人も、ものすごい勢いで乾杯し続ける異様な光景。生ビールが1杯70元〜とかなり高額にも関わらず、飛ぶように売れていきます。ビール祭りのスローガンは、「青島と世界が乾杯!」だそうですが、そのスローガンの通り、30以上の国から、200を超えるブランドの、1300あまりのビール銘柄が販売されており(統計が全部アバウト)、会場にもアジア系、アフリカ系、欧米系、中東系、色々な国の人たちが来ていました。ビール祭りのために青島来てから一滴も飲んでいなかったビールを解禁し、青島ビール館→ハイネケン館→バドワイザー館を回って、気持ちよーくなりながら帰路に。朝からフルに活動し、とても充実した濃ゆ〜い1日になりました。

【Day.3】2018.8.26

最終日。前日の登山と暴飲でクタクタのため、ホテルでゆっくり過ごしたいところでしたが、ビール祭りと双璧を成す青島のシンボル、ビール博物館に向けて朝から始動。ホテルからタクシーで約10分。風情のある建物がお出迎え。昨日あんなに飲んだのに、またテンションが上がって来ました。

7th Photo @青島ビール博物館

1903年から続く青島ビールの発祥地であり、2003年の100周年式典から一般に解放された施設です。博物館の名を冠していますが、れっきとした現役のビール工場でもあります。館内をガイドさんが案内してくれるツアー(160元≒2600円)に申し込み、VIP待遇で館内を巡りました。このVIPツアーの良いところは、ビールの製造工程を見学した後に、工場で生産しているビール原液、生ビール、黒ビール、クラフトビール、白ビール、ピルスナービール、計6種のビールを試飲させてもらえるところ!ビール大好き人間の私からすると、天国のようなひととき。何ということでしょう、ビールってこんなに美味しい飲み物だったんですか?青島ビールさん、昨日のビール祭りのビールが霞むぐらい美味しいじゃないですか。これはもう反則ですよ。市場に出回ったらプレミアつきますよ。ってぐらい、言葉で説明できないぐらい、うますぎる。「試飲のビール全部飲むお客さんは久々です」とガイドさん。すみません貧乏性なもので(^▽^;) そんなにお酒を飲まない妻も楽しんでいましたし、館内で紹介して頂いた青島ビールの歴史も非常に興味深く、何回来ても楽しめる場所だと思います。お土産で、自分の好きな写真をプリントした特製ボトルまでもらえます。ビール博物館、超絶オススメです!

ブログ書いてるうちにビールが飲みたくなって、既に3本目のビールを片手にベロベロになっていますが、最後の1枚をお届けします。ビール博物館からタクシーで20分ほど。青島に来る前からチェックしていた海鮮のお店へ。

8th Photo @九層海鮮塔

もう何なん青島。素敵過ぎるやん。また痛風に一歩近づいたやん。この海鮮ギッシリのタワーが、写真以外の海鮮づくしタワー含めて全部で3つある、このお店定番のセットを注文。前日食べたサワラ餃子とイカスミ餃子も再注文し(もちろんビールも)、計360元≒5,800円。「九層海鮮塔」っていうダイレクトな店名も好きやわ〜。さすがにこのお店は上海へは進出しておらず、青島で1店舗のみで営業されているそうです。もう青島大好き。絶対また来ます。

と言うことで、第6回の旅先、青島の8 photosは以上となります。最初から最後までずっと楽しかった青島の旅。これはもう再訪間違い無しです。過去に訪れた中国の旅先の中でも、ベスト5に入るぐらい素敵な街でした。観光客が増える夏シーズンは、移動費や宿泊費など含めて物価が相当高くなってしまいますが、それでも青島を訪れるのであれば夏一択かと思います。日本からの直航便もかなり飛んでいますし、上海からは1時間強で行けるアクセスの良さ。新鮮な海鮮が食べたくなったら、週末にフラっと青島へ行ってしまうかも。

ではでは、また次回のエントリーをお楽しみに!
再见👋


青島-QINGDAO-
2018.8.24-8.26(2泊3日)
DAY1 ホテル→五四広場
DAY2 嶗山→船歌魚水餃→ビール祭り
DAY3 青島ビール博物館→九層海鮮塔

次回の旅先:北京(2018年10月上旬投稿予定)

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