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vol.3 南昌-NANCHANG-

皆さん、こんにちは。

「8 photos in CHINA」の旅も3回目。少しずつ慣れてきた感じがします、ENZOです。今回は、4月13日(金)の仕事終わりから4月15日(日)にかけて、南昌に行ってきました。南昌?どこそれ?と思う方も多いと思います。観光地としてはマイナーな都市だと思いますが、中国の近代史に造詣が深い方は、「ああ、あそこね」と、すぐピンとくるはずです。

1927年、人民解放軍が誕生した革命の都市。それが南昌です。

まずは、南昌の基本情報から。

南昌-NANCHANG-
所属:江西省(省都)
エリア:華東地区
面積:約7402㎡
人口:約530万人
タクシー初乗り料金:8元

地理的には中国大陸のやや内陸寄り、長江南岸に位置する江西省の省都であり、上海と同じ華東地区に分類されます。

おお!!!!これでようやく、パッと見でわかる場所に行けます(笑)

熊本県とほぼ同面積、人口は北海道と同じぐらいですね。タクシー料金の8元≒135円は、平均的な地方都市の水準といったところでしょうか。


【Day.1】2018.4.13

20:55のフライトに向けて、18:30頃に会社から虹橋空港まで出発。うちのオカンが車で送ってくれました(^ ^) 当社から上海虹橋空港まで、渋滞が無ければ約20分。やはり虹橋空港はアクセス面で優れていますね。これが浦東空港発着のフライトだと、移動だけで時間も体力も消耗してしまうため、仕事終わりの2泊3日旅行はちょっと躊躇してしまいます。

大きな渋滞に巻き込まれることなく、19:00には空港到着。これで後はフライト時間までのんびり夕食を取るだけのはずでしたが、、、、ここでフライト遅延のアナウンス\(^o^)/ 飛行機での中国国内移動に遅延はつきものですが、もともとの現地到着予定が22:40のため、少しの遅延が翌日の体力に及ぼす影響大。待てど暮らせどボーディングは開始されず、結局、3時間弱の遅延となってしまいました。。。。。南昌空港に着陸した時点で、夜中の1:30。もうヘトヘトです。

南昌の空港で深夜に無事タクシーが拾えるか不安だったため、フライト遅延がわかった時点で、送迎車を手配しておきました。中国版Uberとも呼ばれる「嘀嘀打車」というアプリですが、今や生活必需品と言っても過言では無いほど、都市を問わず爆発的に普及しているアプリですね。このアプリの良いところは、空港迎車に限ってですが、フライトがどれだけ遅延しても運転手が無償で待機してくれるところなんです。が、運転手からすると3時間も遅延されると堪ったもんじゃないですよね。案の定、私の到着を待ち続けていた運転手も、ハナから不機嫌な様子。どうやら私が乗っていたフライトは、天候不良のため何度も着陸をやり直して上空をグルグルしていたそうで、「そのまま上海に帰っちゃうかと思ったわ!」「今日は商売上がったりだ!」と、イライラをぶつけてくる運ちゃん。フライト遅延はユーザーの責任では無いのですが、やっぱりちょっと可哀想だなと思い、睡魔と戦いながら運ちゃんの話し相手をすることに。初めて南昌に来たこと、この観光を楽しみにしていたこと(本当はそうでもない)などを告げると、打って変わって気の良いおじさんに様変わり。聞いてもいない情報を、これでもかと言うほど教えてくれました。最後に運ちゃんが、とっておきの情報として、宿泊ホテルから近い「63号食堂」と言うレストランが超絶オススメだと言うので、明日そこに行くことを決めて、深夜3時過ぎに就寝。不運な初日でしたが、地元の人と色々お話ができたので、まあ悪くはなかったかな。定刻に到着していたら、お互いずっと無言だっただろうし(^ ^)


【Day.2】2018.4.14

滞在時間が限られているため、ホテルでずっと寝ていたい衝動を押さえて、朝8時に起床。今回は朝食付のステイにしたため、ホテルで朝食を取り終え、南昌最初の目的地である「滕王閣」に向かいます。

1st Photo @滕王閣

653年、唐の時代に建てられた滕王閣は、湖北省の黄鶴楼、湖南省の岳陽楼と共に、「江南三大名楼」の一つとされています。高さ57.5m、6階建て。もとは、唐の二代目皇帝である太宗の弟、滕王が南昌に赴任した際に建てられた別荘です。昔の金持ち、ホンマ別荘大好きやな。

過去に幾度となく全焼しており、現在の滕王閣は、1989年に、29度目の再建を経て造られたものだそうです。中は博物館の様になっており、様々な展示品を見学することができます(入場料50元≒860円)。各階の楼閣からは、江西省を南北に貫く全長751kmの川、贛江(かんこう)を隔て、風情のある南昌の街並みが広がります。8 photosには採用しませんでしたが、楼閣からの景色も「いとをかし」でした。この日はあいにくの雨でしたが、これはこれで雰囲気がありますね。

南昌市のシンボルを後にし、次に向かうは、中国人民解放軍生誕の地、「南昌八一起義紀念館」です。滕王閣から徒歩1km強で着きます。

2nd Photo @八一起義紀念館

日本では「南昌蜂起」や「南昌暴動」として知られる、中国共産党による武装蜂起。1927年8月1日、「江西旅社」というホテルだったこの建物に、周恩来をリーダーとする国民党革命委員会の総司令部が置かれました。当日の午前2時より開始された軍事作戦は成功を収め、午前中には南昌を一旦掌握するに至りましたが、その3日後、蒋介石の国民党主力軍に逆に包囲され、撤退を余儀なくされます。南昌蜂起から南昌放棄となったわけですね。あ、そういうの要らない?

この8月1日は、共産党が初めて独自の軍隊を持った日であることから、後に建軍記念日とされました。ちなみに、「起義」は中国語で「蜂起」を意味しますが、「義を起こす」と言う表現は、蒋介石による上海クーデターが「四・一二事件」や「四・一二反革命政変」と名付けられていることと対照的に、共産党の立場が如実に反映されていますね。

重厚感のある元総司令部に出迎えられ、奥へと進んで行きます。入場料無料。現金をほとんど持っていなかったので、地味に嬉しい。

3rd Photo @八一起義紀念館

1959年に一般公開となった当記念館(中国語は紀念館)の入口をくぐりぬけると、いきなり物騒なモニュメントがズドーン!めっちゃ革命感が伝わってきますね(稚拙な感想)。お恥ずかしながら初めて知ったのですが、後ろの赤い旗、人民解放軍の軍旗です。共産党の結成や、中華人民共和国建国の歴史に興味がある方にはお勧めの観光地ですが、わざわざここを訪れる日本人はどれぐらいいるのかしら。ただ、入場無料の観光地としては、かなりクオリティ高いです。歴史的価値の高い展示物もたくさんありました。

約1時間かけて革命気分に浸った後は、これまた徒歩1kmほどに位置する、梁(502-557年)の時代のお寺へ向かいます。

4th Photo @佑民寺

約1500年の歴史を誇る佑民寺は、荘厳な雰囲気を纏った、南昌市内唯一の仏教寺院です。妻には全く理解されないのですが、私は結構お寺が好きです。

敷地内は清々しい緑に溢れており、ちょうど午後の梵唄(仏教讃歌)の時間だったのでしょうか、寺院内から修行僧たちが歌う声明が漏れてきて、何とも言えない厳かな旋律に包まれます。高さ5.3mの銅仏をはじめ、見るからに立派な仏像がいくつか祀られていました。拝観料は2元。近年、中国のクサレ寺院は平気で100元とか200元とかの拝観料を設定したり、お香を高く売りつけたりしていますが、この良心的な拝観料は、佑民寺が由緒正しい寺院であることの証明なのかもしれません。

そんなこんなで、気付けば既に午後の14時。運ちゃんイチオシの「63号食堂」を目指し、ホテル近くの「第一街区」と呼ばれる商業街までバスで移動。中国最大の食べログ系アプリ「大衆点評」で得た情報を頼りに、極限に近い空腹状態で店を探し回ること15分。

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全然見つからない。。。。。。。。。。。。


おいおい。まさか運ちゃん、実はフライト遅延したのずっと根に持ってて、わざとガセネタよこしたんじゃねーだろうな。お詫びとお礼を兼ねて渡した昨日の50元返せや!!!

と言っていても仕方ないので、「63号食堂」があるはずの場所で、近くの美容院から出てきた美容師のお兄さんに聞き込み。すると、確かについこの間まで隣が
「63号食堂」だったけど、どうやら引っ越したそうな。

むむむ。運ちゃん、疑ってごめんよ。。。

引っ越し先の住所はタクシーで20分ほどかかるようなので、止むを得ず、とりあえず近場で腹ごしらえをすることに。

5th Photo @第一街区の食堂

たまたま目に留まった「啤酒鴨米粉」の看板に惹かれ入店。啤酒はビール、米粉はベトナム料理のフォーに代表されるライスヌードルのこと。つまり、ビール・ダック・ヌードルですね。ビール・ダックと言っても、別にビールを飲ませて飼育した鴨という訳では無く、ビールで煮込まれた鴨のことです。こうすることで、鴨肉の味わいが濃厚さを増し、香りが引き立てられるのだとか。江西省特有の、絶妙なピリ辛加減、なかなかイケます。右の茶碗蒸しみたいな容器に入っているのは、「肉餅湯」と言う南昌名物の肉団子スープ。一見油ギトギトのようですが、意外にサラっとしていて、口の中に広がる酸味が食欲を促進します。空腹しのぎにフラっと入った小汚い食堂でしたが、むしろ合格点。2品で17元≒290円、満足です。

この時点で午後15:30。前日からの疲れが一気に押し寄せてきたため、一旦ホテルに戻って仮眠を取ることに。

この日の夜は全くノープランだったので、仮眠明けにスマホで色々と検索。すると、「秋水広場」の噴水ショーが良かったという情報がいくつか出てきました。噴水かあ。。。2週間後にマカオ行くし、マカオの噴水ショーに比べたら絶対しょぼいよな〜と思いつつ、まあホテルから近いし、ショーの開始時間もちょうど良いし、とりあえず行っておくかと、一切期待せず秋水広場に向かいました。

ホテルの裏手からずっと続く川沿いのプロムナードを歩くこと約25分、ようやく人だかりが見えてきました。あ、確かに噴水あるわ。けど、、、、、え!?!?噴水ショーってこのションベンみたいなやつ!?!?

秋水広場と思われる広場の入り口には、まるで残尿の如く、申し訳無さそうにチロチロと飛び出る噴水があるだけ。。。。うわーーーーーー完全に失敗した!香港シンフォニー・オブ・ライツの二の舞や!片道30分近く歩いた自分がアホらしい。そういや、あの運ちゃんも秋水広場の噴水が必見とか言ってたけど、お前やっぱガセネタばっかじゃねーかこの野郎!と怒りに震えていると、少し遠くから「きゃーーーーーーーーーーーー」という悲鳴のような歓声が!むむむ!あ、あれは!?

6th Photo @秋水広場

運ちゃん、2回も疑ってごめんな。。。

南昌の噴水ショー、普通に凄かったわ。。。

ショーは、残尿の奥で普通に始まっていました。てへぺろ☆(・ω<)

絶えず動き続ける噴水を上手く撮る技術が私に無いため、写真的にはこんなもんですが、このショー、マジで凄かったです。BGMの音楽ともよくマッチしていたし、最後の最後は、この写真の3-4倍ぐらいにまで一気に水が上昇します。普通に見とれてしまい、肝心のクライマックスを撮れなかったのが残念(涙)右の大きな建物は、南昌シャングリ・ラ ホテル。超高級ホテルのイメージがあるシャングリ・ラですが、南昌は1泊1.5万円以下で泊まれるようなので、かなり割安だと思います。秋水広場は一大屋台ストリートとしても有名で、台湾B級グルメを中心に数十軒の屋台がズラっと出店しています。珍味で知られる臭豆腐の匂いが立ち込めているため、慣れていない方は結構キツイかもしれません。ちなみに私は何年経ってもあの匂いには慣れません。

臭豆腐エリアを抜けて軽めの夕食を取り、いつかシャングリ・ラに泊まることを夢見て、この日は自分の宿泊ホテルで就寝。


【Day.3】2018.4.15

最終日。16:30のフライトまでそれなりに時間があるので、遅めの起床。

今日の目標はほぼ一つ。幻の「63号食堂」である。

この2日間、運ちゃんに対する信頼度はビットコイン並みに変動しましたが、「63号食堂」が確かに存在したこと、前日の噴水ショーが思った以上に素晴らしかったことで、今やストップ高。あれだけ推していたレストラン、きっと期待を裏切ることは無いでしょう。とりあえずお昼時までの時間つぶしに、秋水広場に続く2つ目の広場、八一広場へ by subway(南昌に地下鉄が走ってるなんて知らなかった、完全にナメてました)。

7th Photo @八一広場

八一(8月1日)の由縁については先にご紹介しましたが、「八一」を冠した場所は、南昌の至る所に見られます。八一公園、八一大橋、八一大道、八一体育場etc.

ここ八一広場もやはり、南昌蜂起を記念するランドマークであり、中国の各都市に存在する「人民広場」として、市民の憩いの場となっています。手前には高々と中国国旗が掲げられ、江沢民元国家主席の字で「军旗升起的地方(軍旗が昇った場所)」と記されています。右後方に見えるのは、八一起義記念塔。高さ53.6m、最初に訪れた滕王閣とほぼ同じ高さ。そう考えるとめちゃめちゃ高いな。

広場で凧揚げをしている人がめっちゃ多かったので、南昌人の凧所有率すげーなんて思っていましたが、よく見ると、凧を揚げている人より凧を売っている人の方が多い(笑) 中国人の商魂逞しさ、恐るべし。

広場でのんびりした後は、いよいよ本日の、いや、もはや南昌旅行のメインイベント、「63号食堂」へGO GO!

引っ越し先の住所もアプリで調査済み、そこにお店があることもちゃんとチェックしたので、今度こそ間違いない。一体どんな南昌名物が私を待ち受けているのだろうか。たった一度の食事に対してここまで胸が熱くなること、今まであったかな。まるで初恋のような気持ち。ああ、もう待てないよ「63号食堂」。。。
































8th Photo @63号食堂ではないレストラン

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おう。

自分、63号とか言うたか?

ワレ、こっちから2度も出向いとんのに、また引っ越したらしいなあ。

何やワレ、三国志の諸葛孔明か?

おう。

はい、63号、ありませんでした。63号があったはずの場所には、全く別のレストランが。そこの店員さんに話を聞くと、つい最近までここは確かに「63号食堂」だったけど、先日引き渡しをしたばかりとのこと。

そもそも63号って何なん?63号、夜逃げしてんの?63って、夜逃げの回数なん?

完全に心を打ち砕かれましたが、空腹には勝てず、近くのローカルレストランにて、南昌最後の食事。

何と何と、これが大当たり!写真のホルモン土鍋煮(中国語で肥肠煲)、アサリのピリ辛炒め(香辣花甲)、四季香(日本には流通していないパクチーのような野菜)のニンニク炒め、計3品と白米を注文しましたが、ご飯が進む進む。もともとホルモンが大好物の私、ビールも2本いっちゃいました。これだけ食べて飲んで、総額135元≒2300円。もう63号とかどうでも良くなるぐらい、大大大満足。また南昌に来たら、絶対ここ再訪します。

ビールで気持ちよーくなりながら帰路へ。幸い、帰りのフライトは定刻通り飛びました。

と言うことで、第3回の旅先、南昌の8 photosは以上となります。正直、江西省って中国でも地味な存在なので、観光地にも食事にもほとんど期待していなかったのですが、行ってみたら意外と素敵な街でした(南昌出身の方ごめんなさい)。散々運ちゃんのことイジっちゃいましたが、実際のところ、南昌の地元の方は皆さんとても親切でしたし、たくさんの緑に覆われた清々しい街という印象を受けました。遅延さえ無ければ上海から1時間ちょっとで行けますし、都会の喧騒を離れて、ちょっとした癒しを求めに行くには最適な街だと思います(^ ^) 

ではでは、また次回のエントリーをお楽しみに!
再见👋

南昌-NANCHANG-
2018.4.13-4.15(2泊3日)
DAY1 空港→ホテル
DAY2 滕王閣→八一起義紀念館→佑民寺→第一街区→秋水広場
DAY3 八一広場→63号食堂があったとされる場所

次回の旅先:マカオ (2018年5月上旬投稿予定)

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