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vol.5 フフホト-HOHHOT-

皆さん、こんにちは。

日本ではお盆休みですね〜。遡ること約2ヶ月前。6月18日が「端午節」という祝日で3連休でしたので、内モンゴル自治区の省都、フフホトに行ってきました。

内モンゴル?フフホト?何それ??って方向けに、簡単にご説明致します。

清の時代、モンゴル一帯は全て清朝の支配下に置かれました。20世紀に入り、ロシア帝国の侵攻を恐れた清朝は、北方の自国領土=モンゴルに漢人を送り込むようになり、漢人のモンゴル入植が加速化します。しかし、漢人が増えたことでモンゴル族との間に軋轢が生じ、1911年の辛亥革命によって清が滅亡→中華民国が成立すると、ロシアの援助もあって、外モンゴル(現在のモンゴル国)が独立を宣言します。その後、外モンゴルは内モンゴルの解放に向けて勢力を伸ばし、一時はモンゴルのほぼ全域を制圧しましたが、中華民国との関係に配慮したロシアの介入により、内モンゴルからの撤退を余儀なくされます。以降、内外モンゴルは紆余曲折を経て現在に至りますが、現在のモンゴル国と、中国の内モンゴル自治区との分断の歴史は、ここから始まったと言えます。本当にざっくりとした説明で恐縮です(汗)

ちなみに「端午節」は、日本では「端午の節句」「子供の日」として定着していますね。起源は日中で異なるようですが、中国では、かの有名な詩人「屈原」の命日が由来となっているのだとか。屈原は、楚滅亡の知らせを聞き、絶望のあまり川へ入水自殺をしてしまうのですが、彼を慕う人々が、魚に亡骸を食べられないように、或いは供養のために、笹の葉にくるんだ餅を川に投げ入れたと言われています。これが後に「ちまき」として広まり、中国では端午節の日にちまきを食べる習慣が根付きました。私も、上海で生活をするようになってから、なんとなーく毎年端午節の日にはちまきを食べている(食べさせられている)気がします(^ ^)

前置きが長くなってしまいましたが、中国最初の民族自治区である内モンゴル自治区。その省都、フフホトの基本情報は以下の通りです。

フフホト(呼和浩特)-HOHHOT-
所属:内モンゴル自治区(省都)
エリア:華北地区
面積:約17224㎡
人口:約311万人
タクシー初乗り料金:8元

内モンゴル自治区は、中国全土の約8分の1に相当する広大な面積を有しますが、省都フフホト市の面積は、内モンゴル自治区全体の約15%に過ぎません。それでも、日本の約半分。って、ややこしいな。

人口311万人は、モンゴルの人口とほぼ同じ。フフホトの人口はほとんどが漢民族で占められていますが、内モンゴル自治区の全域には400万人を超えるモンゴル族が生活しており、実は国家としてのモンゴルよりもモンゴル族が多い地域なんですね。

漢字表記だと「呼和浩特」。中国語のピンイン読みだと「HUHEHAOTE」ですが、私は毎回うまく言えずに噛んでしまいます。発音むずし。モンゴル語で、「青い城」という意味だそうです。タクシー料金はvol.3で訪れた南昌と同額。

では恒例の場所チェックいきましょう。

うおーーーーーーーーーーー!!!!!

8分の1すげーーーーーーーーーーー!!!!!

上海、香港、マカオが束になっても太刀打ちできない圧倒的広大さ。5回目の旅にして、ようやく1つ、でかいところが塗れました。


【Day.1】2018.6.15

3連休の前日、金曜日の仕事終わりにいつも通り虹橋空港へ。連休前のわりに混雑もなく、遅延もなく、実にスムーズにフフホトまで到着。フライト時間は2時間半ジャスト、意外と近い。飛行機の窓から見えた夕日が、本当に息を飲むぐらい綺麗で、モンゴルすげ〜とかなりテンションUP。その後のフフホトの体たらくを考えたら、あの夕日を写真に撮っておけば良かった(涙)え?ネタバレしてるって?

空港から約30分のタクシー移動で宿泊ホテルまで。今回の運転手さんも非常に良い方で、初めての内モンゴル来訪となる私に色々教えてくれました。ホテルに荷物を置き、とりあえず運転手さんオススメのレストランまで徒歩でテクテク。空港着いた時から思っていたけど、全くモンゴル感が無いぞフフホト。よく見てみると、レストランや銀行の看板にモンゴル文字?キリル文字?多分人生3周しても覚えられないであろう文字が併記されているのですが、モンゴルっぽさはそれぐらい。あとは至って普通の中国の地方都市。もっと「スーホの白い馬」みたいな世界が広がっていると思ったのに(古い)。

20分歩いて到着したレストラン。店名は「寂寞的豆芽」、日本語に訳すと「寂しいモヤシ」。店内は一切寂しさを感じないぐらい大繁盛しており、上半身裸の輩がビール片手にタバコを地面にポイポイするタイプのお店でした。一通り人気メニューっぽいの注文したけど、モヤシ要素がどこにあったかは未だに謎。

何だかんだでホテル戻ったのが24時。ちょうどW杯の時期だったので、朝方4時ぐらいまでサッカー鑑賞。ポルトガル vs スペインが神試合過ぎました。


【Day.2】2018.6.16

今回は3泊4日で日程に余裕があるので、遅めの起床。朝食をパスして、とりあえず運転手さんオススメの牛肉麺のお店で昼食。これまた徒歩で向かいます。何か気付いたらいつも麺を食べてるよなあ。前日のクソモヤシとは打って変わって、この日の「蘇氏牛肉麺」、どうやらチェーン店のようですが、最終日にもう一回行くぐらいGOODでした。まあ、ただの牛肉麺なんで写真は無いのですが。

そして、ここから、事前に調べていた観光ルートを辿っていきます。最初の目的地「イスラム風情街」までバスで15分ほど。ちなみにフフホトのバスめっちゃ進んでいて、上海でもまだ一部しか導入されていないQRコード対応のバスだらけでした。そしてバスを降りると、異様な光景が目の前に。

1st Photo @イスラム風情街

いや、どういうことなん?ここモンゴルじゃないん?

イスラム風情街。その名の通り、イスラム風情が漂う街でしたわ。真面目に書くと、イスラム風情街とは、フフホト市に住む回族(少数民族の一つ、ムスリム)の居住エリアで、イスラム様式の建築物が立ち並ぶ1kmほどの街道だそうです。イスラム圏でもこんなイスラム感あるランプ置いてないんじゃないかな。

せっかくなので、イスラム風情街を散策することに。このランプを少し左に歩いていくと、今度はこんな光景が。

2nd Photo @イスラム風情街の屋台

「切糕(チェーガオ)」という、新疆ウイグル族の伝統食品が売られていました。蒸しパンをもう少し餅っぽくした感じで、原料は、クルミ、トウモロコシ、ブドウ、卵など。20-30年前の中国は、スポンジケーキなんてまず売っていないし、売っていたとしても、とても食べられるような代物じゃありませんでした。幼少期の私も、とにかく中国のケーキはまずい!と思っていましたが、この「切糕」は普通に食べていた記憶があります。今思えば、初めて覚えた中国スイーツだったのかも。とても懐かしくなったので、ついパシャリ。興味津々な女の子可愛い。お父さんはもっと可愛い。

懐かしむだけ懐かしみ、「切糕」を食べるわけでもなく散策は続きます。3分ほど歩くと、道路脇に突然お寺の入り口が。中に入ります。

3rd Photo @清真大寺

清の時代、1693年に建てられた、フフホトにおいて最も古く、最も大きいイスラム教寺院です。

現在のモスクの敷地面積は6ムーで、西向きの宮殿です。前に廊下があり、正門の上には「清真大寺」の横額があります。そして門の両側には勝手門あります。正門から入ると、真正面の礼拝大殿の壁に刻まれた「主は唯一」の大きな四文字が飛び込んできます。その下には「見性、正心、誠意、修身、明心」10文字が楷書で書かれています。境内には主体となる建物、礼拝大殿が東向きで建てられています。大殿の前は通り抜けられるようになっており、南北に講堂があります。モスクの裏には南向きの浴室があり、南西側には望月楼があります。建物全体は中国の伝統建築を主とし、イスラム教の装飾芸術を兼ね備え、精巧で荘厳な造りになっています。境内には様々な掛け物があり、手書きのアラブ文字の「コーラン」30巻が収蔵されています。清真大寺は現在、フフホト市の保護文化財として登録されています。
引用:旅悟空さんオフィシャルサイト

清の時代からこういったモスクがあったってことは、やはりこの辺りはもともと中華圏ではなかったんだな〜と思わされますね。イスラムと中華が融合されたような建築様式。独特の魅力を感じます。

と、イスラム風情街だけで3枚も写真掲載してるあたり、その後の失速ぶりが垣間見えるフフホト旅行ですが、イスラムを離れて、今度はチベット仏教の寺院に向かいます。

4th Photo @大召寺

中国の旅行サイトで、モンゴル旅行の定番に挙げられる大召寺。明の時代、1579年に、当時の首領アルタン・ハーンによって建てられました。入り口にあった大きな銅像は、あなただったんですね。誰だコイツと思っていました。

祖父に劣らぬ智勇兼備の人物で、その才腕と器量でモンゴルを再統一した評価は高い。信心深い一面があり、チベット方面に進出した際、仏教に帰依している。のちに青海に迎華寺を建立し、ダライ・ラマ3世を迎えた。このため、モンゴル全土にチベット仏教が広まり、アルタンの孫はダライ・ラマ4世となっている。1542年に山西省に侵攻した際、男女20万人を虐殺し、さらに200万の家畜を略奪し、8万軒を焼き払うという残酷さを見せている。1550年に北京に迫った際、明軍を北京に籠城させるまでに追いつめたこともある。武勇ばかりが目立つが、亡命漢人の官僚、白蓮教徒、さらに明から生活苦で逃亡してきた農民などを積極的に受け入れ、彼らの文化を受け入れてフフホト(内モンゴル自治区の首都)など多くの都市を建設するという優秀な内政手腕も持ち合わせていた。
引用:Wikipedia

いや、アルタンやばいでしょ。20万人殺しておいて信心深いとか、もうそういうレベルじゃないでしょ。

大召寺は清の時代に改築が施され、以降は「無量寺」と呼ばれるようになりました。面積約3万㎡、建築面積約1万㎡。写真に納めた場所は、広大な敷地内のごく一部なのですが、お馬さんがモンゴルっぽかったので採用。ただ、広いってだけで特に感動ポイントは無かったな。とか言ってると、アルタンに目付けられちゃうかも。拝観料は35元≒560円。

ぶっちゃけ、この辺りからフフホトにだいぶ飽きていたのですが、圧倒的撮れ高不足のため、散策を継続。大召寺の敷地から繋がるオールドストリートへ。

5th Photo @塞上老街

明や清の時代の趣を感じる、お土産屋さん通り。何ていうか、色彩を感じない街並みでした。ところどころに、モンゴルらしさを感じるアンティークや雑貨が売られています。しかし、3連休だってのに人通りが少ない少ない。もしかして、フフホト観光=つまらないってのは世間の常識だったのかしら。

と、散々フフホトをディスり倒していますが、もともとフフホト旅行のメインは翌日の草原ツアー。まあ市内観光はどこもこんなもんでしょ!と自分に言い聞かせ、ホテルに戻って爆睡&W杯観戦。夕食に、モンゴルとは全く関係の無い火鍋を頂き、この日は終了。

【Day.3】2018.6.17

さあ、やってまいりました3日目の草原ツアー。やっぱりモンゴルといえば草原。市内観光が微妙なのも仕方ない、だってモンゴルだもの。今日こそ、「スーホの白い馬」の世界に出会えるはず。意気揚々と、事前に予約していたオプショナルツアーの集合場所に向かいます。料金は1人392元≒6,300円、若干高い気もするが、まあ妥当なところでしょう。クソ狭いミニバンに乗せられて走ること約1時間半。「希拉穆仁草原」という場所に到着し、最初のアクティビティである乗馬の準備をします。

6th Photo @希拉穆仁草原

スーホの白い馬いたわ。

お馬さんたち、本当にお利口で可愛い。私を乗せてくれたのは真ん中のお馬さん。カメラを向けると、何故か皆さん集合してくれました。SMAPならぬUMAP。みんな、ずっと仲良くするんだよ〜。

乗馬を終えて、ゲルの中で軽食タイム。10人1組のテーブルで、内モンゴルの伝統的なお菓子を頂きます。初めて食べるお菓子ばかりでしたが、なかなかイケる。普段あまりお土産とか買わないのですが、家族に2袋もお土産買っちゃいました。その後、昼食を挟み、午後からのアクティビティである競馬とモンゴル相撲まで待機せよとのお達し。こっからが地獄のように長かった。この草原、馬がいるだけで本当に何も無い。

7th Photo @希拉穆仁草原



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草が少ないんじゃ!!!!!!!!

思ってたモンゴルと違う!!!!!!!!

競馬とモンゴル相撲まで3時間待ちとか頭おかしいだろ!!!!!!!!

モンゴル相撲とか、ただのオッサン同士の掴み合いじゃねえか!!!!!!!!

普段温厚な私ですが、さすがにこれには怒り心頭。こんなしょーもない物見せられて6,300円!?いいよ、お馬さんは可愛かったよ。けど、そもそも乗馬1時間もいらんから!!!!いくら可愛いとはいえ、走りもしない時速3-4Kmの馬に1時間乗って誰が楽しいんだよ!!!!

いやー、久々にこんなクソみたいなオプショナルツアーに参加してしまいました。まあ草原のコンディションは人間がどうにかできるものじゃないですが、3時間も待たされて、おっさんの戯れを見せられるとは思わなかった。そもそも本当のモンゴル族かどうかも疑わしい。この時点で、フフホトに対する印象は最悪レベルにまで低下。本当にもう上海に帰っちゃおうかと思うぐらい。

とはいえ、「8 photos」にはあと1枚足りないし、初日のタクシーの運ちゃんが絶対行っとけとゴリ推ししていた羊鍋の店が残っていたので、とりあえずそこは行っておかなきゃな。。。。超絶ブルーな気持ちを押し殺して、帰路につきます。帰りのミニバンでは、ツアーガイドが「是非口コミサイトで5つ星評価してくださいね〜」とほざいている。あんたが客だったら、星1つでも付けたいと思うか?え?

とか言ってても仕方ないので、ホテルに戻り、気を取り直して運ちゃんゴリ推しのお店へ。

8th Photo @運ちゃんゴリ推しのお店

フフホトいっぱいディスってすみませんでした。羊鍋、すごいっす。適当に切り分けた羊肉を、シンプルな薬味と一緒に氷で煮込む。ただそれだけなのに、何ということでしょう。羊の概念が根底から覆される感じ。今まで食べてきた羊は何だったのだろう。もう羊とか気安く呼ぶのも憚れる。ヒツジ殿と呼ばせて頂きます。

最後の最後に、ヒツジ殿に出会えて良かったです。フフホト、やりよる。


【Day.4】2018.6.18

この日はもう帰るだけ。2日目に訪れた「蘇氏牛肉麺」をもう一回食べて、フフホトを後にしました。何はともあれ、運ちゃんの持っているグルメ情報はめっちゃ頼りになることを再認識。今後の旅でも、運ちゃんとは積極的に会話をしようと思いました。

と言うことで、第5回の旅先、フフホトの8 photosは以上となります。わざわざ内モンゴルに行くなら、フフホトじゃなくて良いかなってのが率直な感想です(笑)もっと美しい草原が広がっているところもたくさんあるそうなので。まあ、ヒツジ殿は本当に美味しかったので、これだけはまた食べてみたいな〜。今回の旅で痛感したのは、自分の撮影力の乏しさ。フフホトは、どこを切り取ってもパッとしないと言うか、あまり写真映えしないと思っていたのですが、中国の旅行サイトで他の旅行者がUPしている写真を見ると、自分のとは全然違ってすごく綺麗!同じ風景を切り取るにしても、撮影の仕方一つでこうも変わるものかと落ち込みました。これに懲りず、これから徐々に写真の腕も上げていけたら良いなと思います!

ではでは、また次回のエントリーをお楽しみに!
再见👋

フフホト-HOHHOT-
2018.6.15-6.18(3泊4日)
DAY1 ホテル→寂寞的豆芽
DAY2 蘇氏牛肉麺→イスラム風情街→清真大寺→大召寺→塞上老街
DAY3 希拉穆仁草原→鍋帥氷煮羊(運ちゃんゴリ推しのお店)
DAY4 蘇氏牛肉麺

次回の旅先:青島(2018年9月上旬投稿予定)

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