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お客様の意見を鏡に・・・

お客様に満足してもらう事は、我々飲食店にとって最も大事な事です。良かれと思い行ったことが、裏目に出ることも時には起こる。そんなサービス業の宿命を抱えつつ私たちはその時考えつく事を最善と信じて、日々を送っています。

一対一のお寿司屋さんでは、お客様のおなかの減り具合やお酒の進み具合を見計らいながら握ってくれたりします。そこまで配慮が届く握り手がどの位おられるかは解りませんが、気配を感じながら提供が出来たら、一流の領域に近づいているのではないでしょうか。

鉢の木では、お客様アンケートを大分前からから行ってきました。特に配達の場合は、直接お客様の表情が見えないこともあり、先ずは私が目を通すこととしています。それは対面できないお客様との細い糸として、繋がっています。

時に厳しいご意見を頂く事がありますが、その様な場合は、間髪入れずにお電話で、様子をお伺いします。


今年5月のアンケートに、海老が貧弱だ! とのご指摘を頂きました。当たり前のように、細めの海老を3本天ぷらにしてお届けしていました。

改めて社員で再検討を行い、3日後から太い海老を2本米油で揚げて提供することとしたのです。海老の香りも歯ごたえも良くなり、直ぐに対応することの重要さを、実感したエピソードとなりました。

電話をかける人は如何に謙虚にお聞き出来るかが、第一ハードルです。事務的な表情が、声を通してお客様に伝わるとアウトです。本人が料理を作っていなく、お届けもしていない中で、何処までお客様に寄り添えるか。想像力と包容力が試される場でもあります。

アンケートにせよお客様が異を唱えることは、少なからずストレスが生じる事ですから、先ずは落ち着いて、ありがとうございますと手をあわせる事から始めたいと心に念じています。

食材について「基本のき」のご指摘があったり、旧来との違いについてのご指摘があったり、そしてありがとうとのメッセージも沢山頂けます。時に緊張と改善に繋がり、時に安堵に繋がったりもします。

アンケートの設問はとても難しく、書くことに負担を掛けたくない為、選択方式ですが、自由記載欄も設けています。

「お客様の声を聴く」とは、私が社会人になってから常に耳にする言葉であり、お客様商売の原点です。気配に気づける私たちになりたいものです。

同じように見える旅館業は、24時間気を張る仕事ですが、我々飲食店は一晩寝ると新たな始まりとなります。ある意味昨日のことは区切りを付けて新たな今日が始まる。そんな飲食店は、私にとって天職かもしれません。

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PS.夏料理の写真撮影日でした。沢山のお客様とスタッフの笑顔が生まれますように。

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