[キャッシュレスFACTBOOK] QRコード・電子マネー・クレジットカードの月次GMV(取扱高)予測 2020/05/06版
キャッシュレスの取材を受けるに当たり、一定数値を抑えておかないと的外れなこと言っていると思ったことが何度かあったので、自分用にまとめてみました。
QRコード決済、非接触電子マネー、クレジットカードを中心に、各社IR資料からデータを取ってきて、多少の推測も交えて月次GMV(取扱高)を予測しています。
※あくまで予測です。一定、納得性のあるロジックがあるものだけ扱っているつもりですが、間接的なデータしか用いていない場合もあるので、実数値と乖離がある可能性があります。この予測で発生した事件・事故には責任取れませんのでご容赦ください。桁感の参考程度に。
とにもかくにもまずは予測結果をお見せします。なお、予測ロジックは後で詳しく書きます。
なお、IR資料では四半期データがほとんどで、それを月次データに直しています。例えば、2020年1-3月の四半期GMVが120万円だった場合、2020年2月を120万/3ヶ月=40万円とし、2019年10月が30万円だった場合、その間の月は正比例で伸びる、という前提を置いています。
コロナの影響も考慮していません。最後にデータの有償配布もしてます。
PayPayが急激に伸びてますね。2020年2月で1250億円/月の予想。waon/nanacoは、基本は母体の流通に依存するので、横ばい状態。nanacoで1125億円/月、waonで1650億円/月。意外にd払いの規模が出てきた感があります。2020年2月で463億円/月。
なお、Edy、楽天Pay、au Payは十分なデータが取れなかったので予測できていません。
次いで、クレジットカードの各社予測です。クレジットカードは比較的データが公表されているので割と正しいと思います。楽天カードの伸びがすごいですね。キャッシュレスのトップと言えると思います。2019年11月で9008億円/月、年次で10兆円の大台を超えてきました。
dカードも存在感を増してきた印象。2020年2月で3867億円/月。ヤフーカード(2020年2月で1896億円/月)がエポスカードと同程度になってきたのも注目点。PayPayはこの陣営に割って入るステージになってきました。
なお、SMCC(三井住友カード)、au系は十分なデータが取れなかったので予測していません。
参考までに、クレディセゾンが毎年公表している、クレジットカードのイシュア別シェアの推移も載せておきます。ここでも楽天カードの伸びがすごいですね。元データはこれです。
予測は以上なのですが、ここから各社のGMV予測ロジックを説明します。
PayPay
PayPayは、ZホールディングスのIR資料で四半期毎の決済回数が公開されています。
また、経産省のキャッシュレス消費者還元事業の進捗資料に、各決済方法別の単価が記載されていたので、PayPayはQRコードの約1000円くらいとして、決済回数とかけてGMVを出しています。
なお、ヤフオクやヤフーショッピング内でのPayPay利用はもっと単価が高いものと予想され、もうちょい単価高いかもしれませんが、桁感が分かればいいということで!
LINE Pay
LINE Payは、グローバルGMVとMAUの国内比率が提示されているので、単純にその2つをかけています。LINE Pay海外はアジアで、日本より単価が低いと予想され、国内GMVはもっと高い可能性あります。
メルペイ
メルペイは、最近公表されたこちらのデータしかありませんでした。こちらに、経産省の進捗資料の単価をかけます。QRコードなのか、電子マネー(iD)なのか悩みどころですが、一旦電子マネーの1100円を採用しています。メルペイも、メルカリでの単価はもっと高いはずなので、GMVももっと大きい気がします。
d払い
d払いは、直球のデータがここ2四半期は公表されているのでこちら。d払い(iD)も含まれるので、iDの資産で下駄を履いてるかもしれません。
Suica
Suicaは、JR東日本のIR資料に利用件数が出ているので、そちらに単価をかけています。単価は350円としました。これだけは完全に勘です。1兆円はいっていない予想から。ちなみに、みずほウォレットや楽天との提携で、ブランドとしての存在感が出始めた印象。
nanaco
nanacoはちょっとこみいっています。まずセブンイレブンの全店売上を出し、セブンイレブン内のnanaco比率をかけます。そして、昔公表されていた、nanacoのセブンイレブン:イトーヨーカ堂比率を出し、イトーヨーカ堂分を足して計算しています。
2019年3月-2020年2月で約1.4兆円と出たので、当たらずとも遠からず感。
ちなみにですが、セブン&iの決算期は、3月-2月と1月ズレてるのが注意点。イオンフィナンシャルも前年度から2月決算に直しているので、小売は2月決算が主流なのでしょうか?
waon
waonは、イオンフィナンシャルの決算補足資料にGMVが載っているのでシンプルにそちらを採用。
電子マネー
なお、電子マネーは日銀が毎月レポートを出しています。対象は下記。
日銀の数値と比較すると、Suica+nanaco+waon3者合計で月次で1200億円/月くらい差があります。この中にEdyや、その他交通系ICが入るわけで、今回の予測値はそこまで大きくズレてない気がします。
クレジットカード
概ね直接的な数値が公表されているので、あまりロジックはありません。基本的にはショッピング(1回払い、分割払い、リボ払い)=包括信用購入あっせんの数値を使っており、キャッシング=貸金は除外したものを使用。
ただし、SMCCについては、19年GMV17.9兆円とあり、セゾンのイシュアシェアとの乖離が大きく、アクワイアラのトランザクションも含まれつっぽい。今回はイシュイングだけに絞ってるので除外しました。
三菱UFJニコスは、イシュイングとアクワイアリングの数値を分けて公表しており、合計するとSMCCの値と匹敵するので、そう思った次第。
ちなみに、日本クレジット協会が月次のGMVを公表しています。
まとめ
以上が今回のFACTBOOKです。下記あたりは数値感として覚えておいて良いですね。
PayPay:月1300億円
LINE Pay:月500億円
d払い:月500億円弱
メルペイ:月220億円?
nanaco:年1.4兆円
waon:年2兆円弱
Suica:年1兆円弱
楽天カード:年11兆円弱
カンム社のアピール
弊社もこの中に割って入るべく頑張っているので、全方位職種募集中!
スプレッドシートの有償配布について
(2023.05.17時点で新規配布をやめました)
この元データは、スプレッドシートにまとめており、新しいIRが出るたびに更新していくつもりです。そもそも公開情報をまとめただけなので、著作権も何もないわけですが、まあまあ、まとめるのに時間がかかっている(GW中の10時間くらい...)ので無料は嫌だが、必要な人には活用してもらいたいと思い、課金していただいた方限定でスプレッドシートへのアクセス権をお渡しします。
できること。
・スプレッドシート上の実データの閲覧
・更新データをいち早く閲覧
・スプレッドシートのコピー/ダウンロード
・このデータ/グラフをご自身のレポートなりブログなりで使用
もちろん、この予測で発生した事件・事故には責任取れませんのでご容赦ください。桁感の参考程度に。あと、どっかで飽きて更新しなくなるかもしれませんが、単発課金なのでお許しを!定期的にUpdateをnoteに書く予定です。より良い予測ロジックや、データソースがあってフィードバックいただければ反映いたします!(こんなマニアックなデータに何人課金するのか?も興味)
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