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小学生の息子2人の夏休みを利用して、男3人でインド旅行に行った話_4(オウランガバード・デリーへ)

前回は旅の始まりムンバイをお伝えしましたが、次に訪れた町オウランガバードの行動をnoteします。

ムンバイから電車に揺られ7時間。初めて訪れるオウランガバードは、ふたつの世界遺産にアクセスするための拠点として3泊しました。

オウランガバードに着いた私たちは、世界遺産であるエローラ・アジャンターの石窟寺院を訪れるため拠点となるホテルを探し、遺産までの交通手段を考えました。

ホテルは当てがあったわけではないので、駅前のホテルに飛び込みひとつひとつ価格と部屋の状況を確認し検討をしました。
その中で駅に一番近く、マネージャーの雰囲気がいい感じだったホテルに決めたのですが、その時に一つの違和感を感じました。

『今日確認したホテルはどこもほとんど値引きに応じない/応じてもほとんど下がらなかったなぁ。』

この時はオウランガバードという土地の特性かな?と考えたのですが、その後訪れるヴァラナシで20年前の感覚を引きずっている私の方が現代の旅の実態と乖離していることに気づきました。。。。

ホテル併設のレストランで食べた料理が辛く、叫んでいる長男を「こいつは、どこにいてもウルサイなぁ」と冷めた目で見る次男

行き先は2つの世界遺産と決まっているので、交通手段は旅行代理店を通じて貸し切りタクシーを利用しました。

オウランガバードの町はエローラ/アジャンターそれぞれへのアクセスがいいという事になっていますが、それぞれタクシーでも片道1時間/3時間とかかるので、滞在する時間も考慮するとそれぞれ1日がかりとなります。目的地までの交通手段は以下。

①ローカルバス
②政府観光局運営の観光バス
③自分でリキシャ/タクシーに交渉・手配する
④ホテルや旅行代理店にタクシーを手配してもらう

当たり前ですが①<②<③<④と価格が高くなっていきます。
①ローカルバス:3人で下見をしましたが、バスのポンコツ具合はいい感じでした。長男は日本で見かけないバスのおんぼろ具合を面白がってましたが、旅の初めで我々にはどの程度耐性があるのかが分かってなかったので今回はパス。
②観光バス:こちらは毎日運航で出発時刻が7:00と書いてあったのですが、窓口で確認すると、どうも出発時刻がはっきりしません。「9:00くらいまでには来る」みたいなことを言うので、本当は本命だったのですが3人でいつ来るかわからないバスを待っているの嫌だな~。と考えました。
③個人で手配:まだ旅の調子が出ておらず、手配する手間とストレスがかかるのでパス。
→このよう経緯で費用は掛かるのですが、④を選択し、代理店に手配してもらいました。道中は結構悪路もあったので、結果良かったかなと考えています。

有名な観光地には自称ガイドが登場し、法外なガイド料を請求してくるのがインドの定番ですが、アジャンターでもしっかり登場してきました!

実は20年前の旅行の際に私はアジャンターの遺跡を訪れていました。当時はヴァラナシという町から、確かバスを利用して遺跡に近い町で一泊し、訪れたと記憶していますが、その時にうんざりしたのは、自称ガイド達の売り込みでした。

20年前の夏の日。遺跡へ徒歩で向かうと、近づくに連れ明らかに普通の兄ちゃんたちに、こんな声掛けをされました。

「おぉフレンド!アジャンターは広い遺跡だ。折角遠いところから来たんだから、知識と経験が豊富な俺をガイドとして雇わないか?お前は友達だから、ローカルプライスでいいぞ!」
※わたしは満足に英語をヒアリングすることができないので、雰囲気と彼らのどや顔を思い出し和訳しています。

しかし大学生だった自分より明らかに若く、お世辞でも賢そうに見えない彼らに教わることはない印象を受けたのと、自分もそうですが相手もたいがいに適当な英語なので、万が一彼が正しい知識を有していたとしても、、、とても相手が伝えることも、私が理解することもできそうにないと考え、「ナヒーンだ!ナヒーン!(ナヒーンはNoのこと)」と言い続けました。しかしかなりしつこく、遺跡の入り口までついてきてなし崩しにガイドをしようという魂胆だったので

目を吊り上げ、こぶしを振り上げ「てめぇ、いらねぇって言ってんだろ!いい加減にしろ!おらぁ!!」とめちゃくちゃ大声の日本語で伝えたところやっと諦めてくれました。
※インドの方だけかもしれませんが、今回の旅行でも何を言ってもダメな場合は「大声の日本語でまくしたてる」というのが一番効果的でした(笑)


午後になり、観光客が増えてきたアジャンター

この経験からも自称ガイドを懸念していましたが、今回はさすがに代理店を通じてタクシーを手配したのでこういう事は起きないだろうと、油断をしていました。

アジャンター当日は約3時間のドライブをし、やっと遺跡に着くというところで、なぜかタクシードライバーが急に道端のチャイ屋(茶屋)に寄りました。

「もう少しで、アジャンターです。今日は暑くアジャンターは広いのでここで一度休憩をし、ミネラルウォーターなどはしっかり購入してください。最低2リットルは必要です。あなた達はお子さんもいるのでその倍くらい持って行ったほうが安心です。遺跡内には売店はありません。遺跡を出ですぐのレストランは高いです。」

言っていることはとてもまっとうで、我々を気遣う内容だったので、若干いぶかしながらも茶屋に入りました。
しかし、店の中から運転手に近づき握手をする人物。その人物がこう話しかけてきました。

「ハロージャパーニー、私の名前はアジャイ(覚えてないので適当な名前です)!お前達の運転手は、古くからの友人だ。私はガイドをしているんだ。
 おぉっと、、、、ガイドと聞いて警戒しないでくれ!今日私は他の日本人をガイドするためにここで待っている。たしか名前はノダと言ったなぁ(手帳を見ながら)。
 お前知っているか?(知っているわけねぇだろ!)。そうそう、私の義理の弟が後から来るから挨拶をさせてくれ。」
※わたしは満足に英語をヒアリングすることができないので、雰囲気と彼らのどや顔を思い出し和訳しています。

こんな話をしながらも、アジャイは勝手に人数分のチャイを注文し我々に振舞おうとしますが、借りを作りたくないので、チャイが届いた瞬間に先に支払いをすませ面倒くさそうな義理の弟が来る前に、出発をしようと車に乗った瞬間、どこからともなく義理の弟が現れました。

「さきほどは義兄が世話になった。わたしはサニーだ(もちろん覚えてないので適当です)。アジャンターは広くて暑い。水はちゃんと持っているか?  
 そんなことより、私の実の兄がアジャンター遺跡でお土産屋を出している。何を隠そう我々の一族は昔からここで石を採掘している。いろんな宝石が獲れるんだ。ルビー、サファイヤ、なんちゃら、かんちゃら(宝石の種類も覚えてないので適当です<(_ _)>)。
 (わたしが、宝石なんか買う金ないよ。と言うと)いや、買ってくれるなんて思ってないから大丈夫だ。アジャンターを見終わったら、寄ってくれるだけでいいんだ。本当だ無理に買わなくていい。約束する。兄貴と俺は金銭的につながってないんだ。お前らがここにきて、少しでもハッピーになればいいと思っているだけなんだ。
 そうだ、今日は俺は暇だからアジャンターを一緒に回ってやるよ!もちろん、お金はいらない。ただし、見終わったら最後に兄貴の店寄ってくれ」

すげぇ!こんなに分かりやすくバックマージン(宝石が売れた場合に販売額の○%を兄貴からもらう算段)を狙っているやつがいるのか!と思い、まぁもう勝手に車に乗っちゃってるし断る方が面倒だから、このまま流れに身を任せようと思いました。念のためその後2回ほど「俺はお前にお金を払わないよ!ガイド料は無しだ!」という事を伝え、サニーも了解をしました。

すべての遺跡を細かく見て回る長男

サニーは流石に宝石屋の一族らしく、遺跡までのそこら辺に転がっている石の種類を細かく説明してくれました。

遺跡についても説明をしていましたが、どれもガイドブックなどで知っている情報ばかりだったので、正直ガイドとしてもお金を払えるレベルではないな・・・。と思いながら聞いてました。

さて遺跡も見終わり、サニーは自然な流れで兄の宝石屋に連れて行きました。もちろん私は宝石なんかに興味はありません。兄は満面の笑みをたたえ説明をしてくれます。しかし私は全く興味がないのです。こればかりは個人の嗜好の問題なので仕方ないです。。。
しかし、意外にも次男が食いつきました!!後から聞くと「だって宝石って日本で売れば高く売れるでしょ!お父さん、うち金持ちになれるんだよ!」という事で金に目がくらんだようでした(笑)

店主としても明らかに興味がない父親が逃げてしまわないよう、とりあえず次男に請われるままに、説明を続けます!しかし次男が良いという宝石は高く、店主は次男から「バフットマヘンガー(とても高い)!」と何度も言われます。

店「ぼっちゃん幾らなら払えるんだい?」
次「500ルピー(約900円)だよ。お父さんからこれしか貰ってないからね」
店「500ルピー!?それじゃ、これらは無理だ。。。。どうですかお父さん、息子さんはかなり気に入っているようなので、お父さんがお出しされるというのは?これらは本当に価値があるものなんですよ。」
私「ナヒーンだ!彼が欲しいものは彼の財布から出すのが我が家の掟だ」
店「・・・・・。そうですか、では坊ちゃん。ここら辺からいかがですか?本当は1000ルピーですが、半額にまけておきます(涙)」
次「それも悪くないね。それをもらうよ!」

わたしは、こういう事態を想定して子供たちには、500ルピーずつ渡していくというルールを作っていました。500ルピーを使い切ったらまた500ルピーを渡すという。もちろん旅の中で、本当にどうしても欲しいものがあれば、その場合はちゃんと相談をしてくれとも言い添えています。

店の方は明らかにアテが外れ、サニーとしてもまさかの売り上げ500ルピーという事態になりました。。。そして彼は別れ際、息子ふたりがトイレに行っている間に話を切り出してきました。

サ「今日は一日どうだった!?私のガイドは満足だったか?」
私「まぁね。今日一日ありがとう!」
サ「そうか、じゃぁ、ガイド料をいただけないか?もちろんお前はフレンドだからローカルプライスで良い」
私「なぜガイド料を払うのだ?」
サ「それは私は今日という日を、お前のために丸一日使ったからだ。このままじゃ私はただ働きになってしまう。」
私「私は約束通り宝石屋に行っただろう。申し訳ないがガイド料は無しだ!私は払う気はない。事前に確認したが、お前も不要と言ったじゃないか!」
サ「言ってない!私はそんなことを言ってない!」
私「そうか。だとしても私は、払わない。絶対に払わない!」

私は宝石を買わないことも伝えていましたし、勝手に車に乗ってきたのは彼の方で、ガイド料を払わないことも2回伝えています。
インド人の中で「日本人なんて適当にごねれば、金払うだろう(笑)」と見くびった行動をとってくる人たちが残念ですが一定数います。昔から私はそういう時は絶対に払わないと決めていました。


結構すぐに飽きちゃう次男

帰りの車で明日のエローラでは絶対にこんな真似をするな!とドライバーにかなりきつい口調で伝えたところ、翌日のエローラはトラブルなく快適に過ごせました。

遺跡としては3人ともアジャンターよりエローラの方が面白かったという感想でしたがサニーの登場で印象としてはアジャンターの方が印象に残りました(笑)。
そんなこんなで、2つ目の町オウランガバードに3泊をしたあと、8月1日に飛行機でニューデリーへ行きました。

※このnoteは2023年7月29日~7月31日までの期間を記載しています。
次回は、ニューデリー・ヴァラナシあたりの話をnoteする予定です。

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