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デンマークでアメリカン・ドリームは通じるか?

”幸せ”は一人だけのものではないと思う。周りの人が幸せで、私も幸せ。
わたしなりに人を幸せにする方法を模索する中で、書いた考察。

自分も、未来の子どもたちも、年老いていく親世代たちも、皆が末永く幸せになれる方法とは…?

人類共通の願い:"幸せ"になること

日々、いろいろな人と過ごしていると、どうしても
「この人とはわかり合えない!」
という人も出てくる。

ただ、その人も自分と同じ”人間”。
何かしらの共通点はあるのではないか…?
おそらくそれは、『幸せになりたい』という願いを持っていること!

しかし、共通しているのはそこまでで、
「どのような時が幸せですか?」という問いがあるとしたら、
答えは人によって違うと思う。

たとえば
・愛犬と一緒にいる時間が幸せ
・仕事が終わって、ビールを飲む瞬間が幸せ
・子どもの寝顔を見る時が幸せ
・推しのコンサートに行けることが幸せ
・おいしいものを食べているときが幸せ
・仕事で相手に喜んでもらえた時が幸せ


では、「”幸せ”に必要なものは何ですか?」と聞かれたら
どのように答えますか?

お金、時間、家族、社会的ステータス…

こちらもきっと、人によって興味深い答えが出てくるんじゃないかと思います。

各国の幸せの違い

ブータン 幸せの国からの転落

幸せな国といえば”北欧諸国”、というのは、かなり多くの人に浸透してきているように感じる。実際に、「北欧から学ぶ幸せ」というような内容で書かれている本は山ほどあります。

幸せな国について思いを巡らせていた時に、ふと、ブータンという国を思い出した。
あれ、幸せな国 第一位はブータンではなかったっけ?
昔、テレビでブータン特集を見たことがあったので、その映像が焼き付いていた。そこで調べてみると、2019年度に世界幸福度ランキングで156か国中95位に転落している。

国内情勢的に何があったのか詳しくは分からないが、一説によると
かなり閉鎖的だったブータンにも各国からいろいろな情報が入ってくるようになり、他の国と”比較”するようになったことが原因らしい。
他人が良く見える、いわゆる、隣の芝は青いということだろうか。

幸せの定義はもちろん、人によって様々だが、
国ごとに、「一般的には〇〇であることが幸せとされている」という傾向はあると思う。

たとえば、デンマークとアメリカ、幸せに対する価値観はかなり違っているように見える。

アメリカン・ドリーム

アメリカというと、「アメリカン・ドリーム」という言葉がある。それが今も、どれほどアメリカ人の価値観の根底にあるかどうかは分からない。

この「アメリカン・ドリーム」では、経済的な成功・社会的地位が重視される傾向がある。2023年の世界長者番付を見てみると、トップ30のうち17人がアメリカ出身者で、彼らは桁外れの”お金持ち”だ。「アメリカン・ドリーム」というのは本当にビッグなものを連想しているんだろうなあ


たしかに、お金や名誉が手に入れば、幸せかもしれない。そして、そのような人たちをテレビで見ていると、余計に”お金持ち”や”権力者”に憧れるかもしれない。

しかし、そのような”幸せ”の考え方は、ある意味「利己的」である。
ストレートに言うと、自分が幸せなら良い、という考え方。

それはそれで良いと思うが、ここで登場させたいのが、デンマーク。「アメリカン・ドリーム」とは程遠い考え方を持っているらしい。

デンマークの「ヤンテロー」

「ヤンテロー」という言葉、聞いたことはありますか?
人に問いかけつつも、わたし自身この記事を書きながら出会った言葉です。

厳密には "Law of Jante(ヤンテの掟)"。
これは何かというと、デンマーク生まれの作家が、90年前の1933年に、架空の都市「ヤンテ」という街を舞台に小説を書いた。その”架空の”街の決まりごとが、"Law of Jante"だそうだ。

北欧の人は大抵この「ヤンテ・ロー」を知っている、というよりも「ヤンテ・ロー」は現在まで続く北欧諸国の社会理念らしい。


そろそろ「ヤンテ・ロー」がどんなものか、気になりますよね。
簡単にまとめると、"自分だけが特別だと思い、人に偉そうにするな。”という内容。

「ヤンテ・ロー」精神が根底にあると、
・大人は子どもより偉い
・年上(上司)は年下(部下)より偉い
・金持ちはすごい
という考え方には至らないようだ。

周りの人を出し抜いて幸せになろう、という考え方もない。
高福祉からも分かるように、”自分が”幸せになろう、と思うよりも”みんなが”幸せであることに重きが置かれているように思う。

日本は先進国だけどヒンコン国?

そもそも、なぜアメリカでは、「アメリカン・ドリーム」のような貪欲さが生じるのだろう。
ーそれは、生活が保障されていないから。

日本でも「大企業に入ったうちの子はエライ」と考える親やおじいさん・おばあさんがいたり、日本が、学校に教えられた通りの勉強ができる子が有利である”受験戦争”を戦い抜くのが大事、という状況から中々抜け出せないのは、国民に、ひとつ踏み外せば生活が苦しくなるという不安があるからなのではないか。

ここで、日本・アメリカ・デンマークの貧困率を見てみたいと思う。
日本の貧困率   :15.7%(6人に1人が貧困)
アメリカの貧困率 :18.0%(5人に1人が貧困)
デンマークの貧困率:6.4%(15人に1人が貧困)
(2019年の情報:https://www.globalnote.jp/post-10510.html

ここで言う「貧困」は、”相対的貧困”というものだから、あくまでその国の文化水準・生活水準を基準にし、その国において所得が低いかどうかということで定義されている。
すなわち、アメリカの生活水準と日本の生活水準は違うので、アメリカの貧困層の所得=日本の貧困層の所得、ではないということ。

貧困率といっても他の国はどうなの?ということで、G7(主要先進7か国:アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、フランス)で比較してみると、なんと日本、アメリカに次いで2番目に貧困率が高い。
日本も思った以上に、格差社会なのかと少しショックを受ける。

因みに、日本よりも”受験大戦争”国家である、おとなり韓国の貧困率を見てみると、日本よりも高い16.3%!

貧困率と幸福度、必ずしも反比例しているわけではないが、やはり、先進国においても貧困と隣り合わせであることは、学歴・スキル・競争社会を作り出し、それは現代の生きづらさに繋がっていると思う。

目を閉じたときに見えるものが”幸せ”

”幸せ”と近い言葉に、”豊か”という言葉がある。
思い返せば、私の小学校は「豊町(ゆたかちょう)」という場所にあった。

”豊か”と聞くと、何を思い浮かべますか?
ドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉がある。
”Less is more. 少ないほど豊かである。”

”幸せ”には、”心の豊かさ”が必要だと思う。
経済的に貧しくても、周りの協力があれば、まずは心を豊かにできるし、経済的には困っていなくても、心が豊かでない人だっている。

これから私は色んな人に出会い、明るい未来を創っていく。
未知の旅が始まるが、私の中にはもう答えがあり、それを一つ一つ形にしていく旅なのです。



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