黄龍の村
お誘いいただいて、同時視聴をしたもの。
ちょうどタイムリーに周りで何人か見ていて気になっていたので良い機会であった
いわゆる因習村にお調子ウェイ系がウェイウェイ迷い込典型的和ホラーといえる。
とりあえず1時間強しかない映画なので未視聴の人はぜひまずは見てきてほしいという気持ちが強い
◤視聴日8月18日◢
感想①~導入1~
冒頭に書いた通り『お調子ウェイ系がウェイウェイしてたら辺鄙な地に迷い込む』という導入で始まっていくホラー
まず前提として僕は『ホラー映画』というジャンルを見るようになったのは去年末頃からなんですけれども。それまで自分にはホラー耐性が皆無である、という認識をしていたため。
ただ、ホラー映画を見始めて、人並みに自分にホラー耐性があることを自覚してきたと同時に学んできたことがあって、それはこれからの展開でザクザクと死んでいく登場人物に対して視聴者が心を傷めないようにするためなのか、だいたい犠牲になる人物は視聴者からのヘイトを買いがち、ということです。
例えば馬鹿であったり、ノロマであったり、グズであったり、ウェイであったり。
で、この映画も例に漏れず登場人物がウェイであり、ウェイがウェイウェイしながらイチャラブチュッドライブBBQ馬鹿騒ぎをしているのをスマフォカメラで記録している、というシーンからはじまる。もういいよとっととひどい目に合っちまえよ、とイライラしてくるくらいにはそのシーンが続く。
僕見たことある!コンジアムの導入もこうだった!ホラー映画のお約束だ!!!!
そう思っている間に車がエンストして辺鄙不気味村にたどり着くウェイ達。
ヤバの雰囲気にも関わらずまだ頑張ってウェイを保つリーダー各男性に同情すら覚える。とりあず初対面に対してもヨイショする技量だけは尊敬に値するし。キメライジャーブルーだし。どちらかというとテニミュの方で認識してたんですけども。
閑話休題~役者の話~
テニミュの話にすこし話題がそれたので出ていた役者の方のお話をしたいと思います。
いうて、僕が存じ上げていたのは水石亜飛夢さんと中村龍介さんのお二方だけだったんですけれど。とはいえ知っている顔がいるだけで突然安心感があるの、すごいなって。テニミュとメサイアで大変お世話になっておりまして。一時期若手俳優の方々をかじっていた時期がね…ありましてね…。
中村さんめちゃめちゃ日本刀似合うな~~~!!って大興奮していました。出てくるだけで”輩”感がすごくて素晴らしいなって思います。相変わらず素敵な役者さんだ…。
感想②~導入2~
何故か閉鎖的っぽそうなのにやけに親切な村人。エンストした車を直す間休むと良い、と案内された家にはツイたその瞬間からウェイたちの人数分用意されている食事の食器・布団。まるで来ることを最初から知っていたかのように。そして有無を言わさず進められ断り難いまま食べることしかできない食事、いただくことしかできない休息。ウェイたちもちょっとヤバいんじゃないか?という気配を感じ始めながらも車という足も壊れたままで外に出ることもできず就寝することしかできない。
そして翌朝、ふと目が覚め窓から見えた様子のおかしい村人。彼らはみんな、目と口の部分にだけ穴が空いた顔を隠すようなお面を被っており…
雨穴だ~~~~~~~~~~~~「この村…なんか…変…!!!!!!!!」
いえ、絶対にそうではないんだけれど。『そういうお面』を見たらもう彼が脳裏に浮かんでしまうのである。こんなベクトルであの手のお面が「ノイズ」になるとは思っていなくて、ここで一旦一笑いしてしまった、絶対にそういうシーンではないんだけれど。
本格的にやばいと思うも見張りのように家のものが現れ朝ご飯へと案内され、逃げようもなく朝餉を頂いているさなか、ウェイの一人が突然背後から包丁を刺されて殺され……
というところまでは映画の公式サイトでも描かれているあらすじなのでここまでは全然書こうと思います。全然かきました。
ここから先については明確にネタバレとなるので今一度お願いするのですが、1時間ちょっとですので未視聴の方はまず映画を見てきてください。是非とも
感想③~以下ネタバレ~
朝起きた時点で仲間が一人すでに行方不明、続いて朝餉中に一人殺害され、怯える中言われるまま外に出され、言い放たれたことといえば「村の決まりである」という説明にならない説明と、殺されたての男性が腑分けされ、取り出した肉ではじまるBBQ。
曰く「おびんたわらさま」という神に捧げるべく全員殺す、という因習村ホラーらしい理不尽な宣告。向けられた銃を果敢にも奪うウェイ女性、暴発で理不尽に死ぬウェイの中では浮いていた男性。銃が奪われたことで右往左往する村人から逃げるウェイ達。
けれど銃を奪った女性はそのさなか愚かにもつまずいて己を頭を自分で打ち抜き、それに立ち止まったもう一人も追いかけてきた村人に頭を撃ち抜かれ死亡。なんとかそこから逃げ切り、何故か道端に落ちていたペットボトル飲料と堅揚げポテトを食べ、士気をあげるキメライジャーブルーがここから反旗を翻すのかと期待した瞬間頭を撃ち抜かれ死亡。
ここまででウェイのほとんどが死んだにも関わらず映画自体はまだ30分しか経過しておらず、ここからどう展開していくんだろうと不安になる最中。
暴発にて死んだと思われていた「ウェイの中では浮いていた男性」が起き上がる。
体感不可能、予測不能、ネタバレ厳禁!
と公式サイトに書いてあるだけのことはあるんですけども。
なんと、男性、防弾チョッキを着ており、突然必殺仕事人かのごとくテキパキと無線通信をはじめ、慣れた手つきで村人から武器を奪い、冷静かつ正確に射殺していく。何が起きているんです????
曰く、20数年前この村に親族が迷い込み、殺され、「おびんたわらさま」に捧げられたことに対する復讐のため、仲間を集め、技を鍛え、攻め込みに来ていたのであった!!!
ここに4人の男女が立ち上がる!!!スーパー戦隊かな????でも4人だしな…
後に潜入していたのだ、という村人側だと思っていた女性が5人目の追加戦士として参戦する。
スーパー戦隊だね!!!!!
ということで、前半30分は『よくある理不尽因習村殺戮ホラー』のていだったというのに、後半は敵地を殲滅に来た技あり集団の特撮作品に様相を変えたため、「『ホラー映画』のつもりだ挑んだ僕」はあっけにとられていたんですが「特撮すきな僕」が手を叩いて大喜びしていました。
不思議中国拳法(?)を使う村人女性とスーパー戦隊側女性2名とのキャットファイトが最高に良かったです。この映画はスーパー戦隊。よく見たら製作:東映ビデオなのである。納得である。
感想④~着地として~
村人を全て倒したと思ったスーパー戦隊たちの前に現れるのは常識が抜け落ちているような不気味な男性であり彼は「村人は自分を『おびんたわらさま』と言って祀っていた」「自分もここに迷い込み閉じ込められていた」「妹と母親の肉は食べた、それからずっと人肉を食べている」とのこと。
ただ、彼自身に神性を感じるものは一切なく、スーパー戦隊とはただの肉弾戦でおわり。
彼の言い分が全て本当だとすれば、不本意なまま肉親を食べさせられ、幽閉されていた被害者であり、復習にきたスーパー戦隊たちの親族も彼が食らったのだろうが彼自身は他の村人に比べて被害者の立ち位置であるはずなのに村人と同様に粛清されるのは少し可哀想ではないか?と思うところはあり。
その後、本編が始まったこともう見ずに済む、と思っていた『ウェイ打ち上げ動画風記録』が再開する。もうええてその演出、最初の十数分でお腹いっぱいなんだよな…と思いながら見続けていたところ、〆でスーパー戦隊の一人の「手伝い」として笑顔で元気なおびんたわらさまが現れたので、彼が死んていなかったことにだけ少し安堵していた。
序盤にも書いたけれど、死んでいったウェイたちは序盤で視聴者に十分ヘイトを取っていたので、死んでもなんとも思わない一方で、おびんたわらさまを「被害者の一人」と認識していた僕は彼の死に少し心を痛めていたので。
他人の感想を覗いた際の発見として
序盤のウェイ映像記録について
言われてみたら確かに~~~~??!??!??!
案内された村の家ですでに人数分の食器・寝具が用意されていたのはこの映像時点で村人に目をつけられてたためという説明が成り立っていたんですね…は~ちゃんと細かいところに気を配っておられる…。
おびんたわらさまのその後の解釈について
出典元はきちんと登場人物固有名詞を記載しているんですが、僕が登場人物名を覚えておらずこの記事で一切人名に触れていないので一部引用元の文章をいじって入るんですけども…。
「おびんたわらさま」はただの被害者であり、そこから狂って人肉主義者となっているのだとしても、なぜそんなものを村人が作り上げたのか、というと、まぁこのあたりの想像が一番無難なのかな、納得した解釈でした。
そして、相変わらず人肉を食らうのであれば、これも引用元に記載があるのですけど、村から帰還したスーパー戦隊(仮)メンツがこれからも悪者を粛清していくとして、人肉主義者望ん祭は死体の処理としてとても便利であり、そりゃ、〆のシーンで「手伝い」として楽しそうにしているよね~~~~~という気持ち。
総括
としては、これはホラー映画であったか、と言われると特撮映画であった、という気持ちはとても強いんですが、1時間ちょっとさっくりで接種できる娯楽としては良いものであった、という作品でした。