Vol.1 より深く味わう楽しみを提案するビールをつくる【COEDO】
経営者とブランディングデザイナー西澤明洋が対談し、ブランドの成長ストーリーを振り返りお届けするシリーズ「BRAND STORY」。
執筆・編集 加藤孝司
撮影 トヤマタクロウ
Vol.1は、クラフトビールが日本ではまだ一般的ではなかった時代から、上質な素材とビール職人の手づくりにより、日本のクラフトビール市場を牽引してきたCOEDO。ワインやウィスキーなどと同じように、バリエーション豊かにビールを楽しむスタイルを定着させて、今や20カ国で展開し世界のコエドビールといわれるまでになったCOEDOがどのように生まれたのか、コエドブルワリー代表取締役の朝霧重治氏にお話を伺った。
どこでつくっているかではなく、誰がつくっているか。
ーーまずはお二人の出会いから教えてください。
朝霧:私の大恩人でもある拓殖大学工学部デザイン学科の学科長もされていた竹末俊昭先生にご紹介いただいたのがきっかけでしたね。
西澤:はい。竹末先生は僕の出身校である京都工芸繊維大学の大先輩で、日立製作所ではデザイン部長もされていた方です。
朝霧:その当時は生き残っていくためにも、自社のビールをそれまでくくられていた「地ビール」というカテゴリーではなく、新しいビールの価値として伝えていくことを必死に考えている最中でした。ビールづくりは自信がある。そこで着目したのがデザインでした。竹末先生とはイタリアの企業と川越周辺の工業系企業との交流を図る経済ミッションに誘っていただいたご縁で知り合ったのですが、その時先生にいわれたのが、そもそも朝霧くんが求めているのは単発のデザインではないようね、ということでした。そこでご紹介していただいたのが西澤さんでした。
ーーそれが何年のことですか?
朝霧:2005年でしたね。
西澤」14年も前になりますか。ちょうど独立したばかりのタイミングでした。僕の仕事はブランディングデザインですが、その根っこにあるのはデザインマネジメントです。それを極めるために独立した経緯がありました。それで朝霧さんに初めてお会いしたときにもデザインを経営に活かしていく、という視点でビールのラベルのデザインだけでなく、トータルなデザインをさせてくださいとご提案しました。
朝霧:そうでしたね。現在ではウェブサイトはもちろん、フェイスブックやインスタグラムなどSNSも使い企業が情報発信をすることは当たり前な時代になりましたが、当時は企業が自社のサイトをつくること自体まれな時代でした。私自身としても商品のパッケージ、ウェブサイトのデザインから始まって、ステーショナリーといったブランド全体のイメージづくりまで、トータルなデザインの必要性を感じていました。
ーーデザインでどのようなことを伝えようとされたのでしょうか?
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執筆・編集
Photo:Takuroh Toyama
加藤孝司
デザインジャーナリスト/ フォトグラファー
1965年東京生まれ。デザイン、ライフスタイル、アートなどを横断的に探求、執筆。2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、デザイン、建築、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考。休日は愛猫ジャスパー(ブリティッシュショートヘアの男の子)とともにすごすことを楽しみにしている。http://form-design.jugem.jp
撮影 トヤマタクロウ
1988年生まれ。写真集や個展での作品発表を中心に、クライアントワークにおいても幅広く活動。http://takurohtoyama.tumblr.com
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