蔵書目録 6/30~7/8入荷分 本棚にそっと飾りたくなる 、左利き萌え本
…こちらの選書の理由は、左利きの人にとって気持ち悪い話ではないだろうか…左利きどころか全人類にとって気持ち悪い話ではないだろうか…
購買意欲を削いでしまって厳いのではないだろうか…この本も、売りたいんだけどな〜…
などと悩み、友人の「左利きの女」さんに、一緒に箸を使う席で先に聞いてもらったところ、赦されたというか、好意的に受け止められたような感触でしたので、ここでも洗いざらいお話しします。
…でもやっぱり左利きの人は、読まないでください…
「左利きの女」のページだけご覧ください。
ありがとう。今度ラーメン食べに行きましょうね。以上。
よろしくね。
左利きでも右利きでもない、左利きに萌える棚主が見つけました 「左利きの女」萌え本
6/30、『月刊「左利きの女」/第一の「左利きの女」』を搬入しました。
入荷26冊目。
先日、コミティアというイベントに売り子・客として参加したわたくし、ZINEというものに興味を持ちました。
”薄い本”を売り買いするイベントは初めてだったんですが、漫画だけではなく写真集や読み物など、色々あるんだと知りました。
とても見つくせない盛沢山なブースの中、元々のお目当ての御本に加え、狩猟の漫画・1種のフィルムにこだわった写真集・美味しそうなグルメイラスト本、さらに、売り子が付けてたら注目度抜群のピアス、などなど、薄い本以外のものも買わせていただきました。すごいイベントでした。
その後、棚を構えるPASSAGE SOLIDAでZINEしばりのフェアをやるとのことで、「うちの子(豆本)も、イイですか…?」とお尋ねしたら仲間に入れてもらえたりして、ZINEというものの自由さに可能性を見出しちゃいましたよね。
フェアは「文学フリマ」にちなんでZINEを集めており、行けなかったそのイベント関連のZINEもネットでチラチラ見るようになりました。
ら、見つけてしまいました。
「左利きの女」萌え本を。
「左利きの女」萌え本。
そんな本があっていいのですね…
棚主のわたくしも、「左利き」に萌えるんです。言っちゃダメかなと思って、黙ってましたが。ごめんなさい。
棚主は「左利きの女」ではございません。
左利きでも右利きでもございません。
ついでに言うと女でも男でもございません。と思っています。
めんどくさいですね。ごめんなさい。
「作られたであろう右利き」に自分で反抗して、こうなってしまいました。
気づいたら、ペンも箸も右手で使っていました。生まれた家の人は皆右利きでした。ご近所や幼馴染は存在しないので、周囲のすべての人が右利きでした。
利き腕のことを特に意識することもなく過ごしていましたが、ある時、その家の年長者が、「左利き」のことを特殊な呼び方で読んでいるのを聞きました。
濁音と促音の混じった、その気持ち悪い響きで、説明を受けるまでもなく、蔑称として使っている言葉なのだと察しました。一般的にどうかは知りません。気持ち悪くて調べたくないので。
違うハサミが要るから区別、とかではない、ただの悪意。
伝統の侮蔑を惜しげもなくふんだんに使って煮詰め、型にはめて押し固めて冷やし、分断、差別でキャラメリゼ、丁寧にドドメ色のラッピングまで施して寄越されたような、えづきそうなほど濃密な気持ち悪さ。
何の説明もなしに、音だけでこんなにストレートに悪意が伝わるなんて、もはやすごい、発明ですね。そのセンスを他のことに使えないのかな。
自分が右利きなのは、そう躾けられたからだと察しました。
あまりにも気持ち悪くって、「どうして左ではだめなのか」「自分は元々どっちの手を使おうとしていたのか」、なんか聞きたくもなく、ただ悲しくなりました。
「あなたが苦労しないように躾けたんだよ」だとか、もし悪気なく言われたとしても、とにかくあの気持ち悪い言葉の響きが大っ嫌い。本当の意味で許せない。もう、わからなくっていい。
それで、自分から、態々、左手を使うようにしました。見せつけるように。そういうところも、気に入らなかっただろうなと思います。
食卓で左隣にいた人からは、視界に入らぬよう体ごと背けて座られていたので、こちらが左手で箸を持とうが不都合はない状況でした。箸はわりとすぐに上手に使えるようになりました。嫌な子ですね。
元々、家の人たちとあまり話すことはなかったけど、そのあたりからもう、声を出さず耳もふさぐように、一日も早く逃げることしか考えずに過ごし、ちょっとズルい口実を作ってでも、どうにか最短時間で逃げました。嫌な子ですね。
家に閉じ込められていない時間は学校に閉じ込められていましたが、学校では、左手は使わないようにしていました。からかわれるネタを増やしたくないので。その頃確か学年が20人ほどの、今は消滅したような小さい社会で、もちろん既にいわゆるいじめられっ子だったので、子どもの中に混ぜられるだけで地獄なので、弱いので、さらに弱みを見せられない、と、隠してしまいました。そんな小さい社会で弱みを増やしたら、ランドセル背負わされてる間をやり過ごすことも困難なんですよね。
弱み、としてしまいました。ごめんなさい。
だから、多分誰にも「左利きなの?」とは指摘されなかったと思います。
あの時間、何だったんだろう。本当に独りで本かラジオと一緒に過ごしていたんだなーと思います。今思えば。
自分が本来はどっち利きだったのか、もう知る由もなしですが、もし左から右へと”矯正”されていたとしたら、相当負荷がかかっていたんでしょうね。
”矯正”の強制で、吃ってしまう子もいるって、この本にも載ってました。嫌ですね。
で、また自分から態々左を使う再”矯正”なんかしたら、脳は大混乱だったでしょうね。だからこんな仕上がりなのかもしれませんね。
彼らの、「左利き」の特殊な呼び方が許せなくって、こうなってしまいましたが…
(最近、都会の「左利きの女」の友人に聞いたけど、方言じゃあなくって広く使われてた呼び方らしいですね。本当に嫌ですね。)
この因縁と、「左利き萌え」の気持ちが、同時にあります。
なんででしょう。
くだらない縛りのないご家庭で育ったのだな~って想像して、ああ良かった、素敵だね…って思うのかもしれません。
いや…実際は、のびのびした環境ではなかったとしても、”矯正”されそうになった経験があったとしても、右利きフレンドリーな世の中で不便に思うことがあったとしても、今ちゃんと左利きでいてくれることが、なんだかうれしい…
もしかして 僕のように Road of Resitanceを 道なき道を 燃える 鋼鉄魂(アツいハート)で 進んでいる 志願兵の左利きさんもいたりして…?
…(いませんよね)(いたら教えてください)…
あなたが左利きだとうれしい。
好きなアーティストさんが左利きだとうれしい。
手元を見てしまいます。
そんなの気にしてほしくないですよね。ごめんなさい。
因縁から来る「萌え」、気持ち悪いですね。ごめんなさい。
本人には、「左利きなんだね」とか、言いません。別に特別なことじゃあないはずだから。右か左、世の中に半分ずついていいはずのことだから。天才肌とか、変わり者とか、そんなわけない。ただ左手で持っただけ。
そこに黙って萌えています。ごめんなさい。
左利きの人は、左利きを気にされたくないだろうけど、自分以外の左利きが同席していたらうれしかったりもするんじゃあないかな?とも思って。
左利きさんと同席する時は、広さに余裕のある横並びや向かい合わせなら、左手を使います。狭いカウンターなら、左利きさんの右隣に座って、右手を使います。
大勢いる席では、隣り合う人たちに合わせて使い分けます。どっちでも良さそうなら、最近はなるべく左手を使います。
因縁からだけど、今では両手が使えて役に立ったりもするんですよね。
右腕を骨折した時、とか…
…あなたがどっち利きでも、
邪魔にならないようにこっちが合わせるから、
狭いラーメン屋で横並びで一緒にラーメンを食べられますよ。
とりあえず言いたいのは、このことです。
…で(??)、こちらのZINEを早速手に入れるぞ!となりましたが、文学フリマに出たという話題は昨年のことでした。
都内にお取り扱い書店があるそうですが
では、お取引いたしましょう!と、作者さまにご連絡差し上げて、送っていただくことになりました。緊張しますね、お取引。
ここの駄文ほどではないものの、左利きへの想いをメールにつらつらと書いてしまい、引いてしまわれたかしら…という心配もございます…
(多分引いてます)(ごめんなさい…)
見本誌もいただいているので、お手に取って読んでいただけます。
右利きの作者さまが態々左手で書かれた、素敵なメッセージが同封されておりました。
こちらの「見本誌」の目印マステも、右手左手両方を使い分けて、あんまり気負わずにササっと書いてみました。
ペンは初めに慣れた右手の方がだいぶ使いやすくって、字はだいたい人に見せるために書くもんですし、右手でばっかり書いてしまうので、右手の方がマシな仕上がりですね。
左手だと、インクのこすれを気にして恐る恐るゆっくり書いてしまうので、ちょっとぎこちないですね。
この世は、文字も右利きに都合よくできていますよね。
どっちにしろ、幼くて下手な字だと思っているので…まあ、こんなもんで…別に左でも読めなくはないねっていう、両利きというほどではないねっていう、とくに面白みはないねっていう感じですね。
こんな時代に あえての 「紙の雑誌」!
ってところも、良いですね、PASSAGEの理念と通ずるものですね。
うちの本棚にそっと飾りましょう。
そっとというか、横向きではみ出しちゃってますけど、またZINE関係のフェアなどなど、機会があればフェア台に並べてもらいますね。
目につきにくいかな?と思ったら、搬入翌日、さっそくお買い上げいただきました。ありがとうございます。
「左利きの女」めがけて来てくださった、棚主さまだとお聞きしています。お会いできたら、ご感想と、左利きさんでいらっしゃるのかどうか、お尋ねしたいです。
憧れてしまいました… 写真家。時々、カメラ女子 な、第三の「左利きの女」
7/2、『月刊「左利きの女」/第三の「左利きの女」』を搬入しました。
入荷27冊目。
この説明文とコンテンツの並びを見て、「第三」は絶対に読まなくてはいけないと思ったのです。
既刊4冊の中でも特に興味深かったこちらの「第三」の左利きの彼女は、「お母さんに作られた左利き」で、写真家さん。
あえて、彼女を左利きに育てたお母さん。そのお母さんと、フィルムカメラでコミュニケーションをとっている、ということなどなどが書かれています。
写真家さん、っていうのを、そもそも尊敬してるんですけど…
「作られたであろう右利き」に反抗してきた棚主と…
母を含め”家族”たちと、コミュニケーションを断ってしまった棚主と…
ただただ適当に撮っていて、”写真家。時々、カメラ女子”なんて風にはできない棚主と…
撮って独りで満足してしまって、写真でコミュニケーションということに憧れる棚主と…
まるで逆で、すてき!と思ってしまいました。
右から左でも、左から右でも、親が”矯正”するのを良しとしてはいけないかもですが、彼女の物語には、本当に出会えてよかったな、思います。
棚主は長年、いろんな国製のフィルムカメラを楽しんでいますが、カメラのシャッターボタンって、どこの国のも、右ですよね。日本のも中国のも、ソ連→ロシアのも、もろもろ。
フィルムの装填も、右側に引っ掛けて、右手で巻くようになっているし。
この世は、カメラも右利きに都合よくできていますよね。
なので、利き手でない手で写真を撮る、左利きの写真家さんたちに、とっても興味を持っていました。
第三の彼女もなんですが、もう、カメラはそういうものだから、別に皆さん違和感なく右手でバシバシ撮っているのだとしても、その作品や所作がとっても気になります。
そんな、「利き手とカメラの曖昧な関係」についても、書かれています。
この話を読んで気が付きましたが、目にも右利き左利きがあるんですね。
カメラのファインダーを覗く時は、いつも左目で覗いてるなー、と。
(適当トイカメラ写真なので、覗かないことも多いです。)
じゃあ目は左利きなのかなー、と思いましたが、その時右目は閉じていて、左目はそんなに自在に開け閉めできないんですよね…ウインクで閉じる目も右だけ…
目は、どっち利きでしょう?…??
ノーファインダーでフィルム写真をバシバシ撮るってところは、彼女と一緒なんです。うれしい。
あと、フィルムカメラで撮って現像してデータ化してSNSに載せるのは、”強者”っていわれていました。ふーん。俺、強者じゃん。
イチ推しの、「第三」です。
「第二」「第四」も取り寄せておりますので、後ほど、よろしくね。
「子犬の絵画史 たのしい日本美術」も再入荷しております。
入荷25冊目。
うちの棚での最多売上数(2冊)を誇りますので、今後もお取り扱いしたいと思います。
"本屋さん始めました"、から、2ヶ月が経ちました
PASSAGE SOLIDAのフローラ・トリスタン広場7番地 に棚をお借りして、2か月が経ちました。
6月中、3冊売れました。
「子犬の絵画史 たのしい日本美術」「豆本No.0002」「カフカ断片集」
が売れました。
お買い上げありがとうございます。
管理画面の見方を教えてもらって、お買い上げが店頭かオンラインかわかるようになりました。今までのお買い上げ全て、店頭だそうです。
それを踏まえて、工夫していきたいですね。
いまだに、ただの大赤字が進行しています。かなり厳いです。
もう少し続けるために、売りまくりたいです。
もう7月も3分の1終わっちゃいましたが…3か月目も、何卒です。
#わたしの本棚 #神保町 #Passage #シェア型書店 #SOLIDA
(読むなって言ったのに…うんざりしたでしょうから… 2ポイント付与)
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