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大文字の謎

五山送り火はいつどうしてだれが始めたのか、記録が残っておらず迷宮入りしているらしいんです

・ 弘法大師 空海が大の字に護摩壇をくんでいたことに由来する
・北極星や五芒星、魔除けの印であるという説
・「一」と「人」ひとりの人(人型)に見立て無病息災を祈ったことから

所説あり、未だに正式な見解は出ていません

ただ、毎年8月16日に松明の炎で描くことで死者の魂を弔い、あの世へ送り出すかがり火であること
それをだれかからだれかへ永遠と受け継いで千年の時を超え現代まで風習として、祈りの儀式として土地に根付いているということは確かです

2022年
7月26日
コロナウイルス陽性だと判定される
8月15日
前々日にセラピー復帰を決め、案内をお送りし不安の残る中、渋谷へ
10:15 茹だるような日差しを歩き、アスファルトの谷に着く
レンタルで前月に出会ったスペースをお借りしてある ポストをメッセージ通りに左右へ回転し鍵の入ったビニールファスナーから取り出す いとも簡単に開錠し5Fへ

10:25 少し早めにインターフォンが鳴る
まだ用意ができてない レンタルスペースは時間がタイトすぎる だけど今はそんなこと気にしないようにしている

自分のサロンを構えていた時は積み重ねている本の位置をずらされるだけで気になって仕方なかった 気に入るお茶がなくて走って遠くの百貨店まで買いに行っていた いまはそんなこだわり、プロ意識はない

ただ、
今日この日に無事に人にふれ
うつくしくできるだろうか?

見栄を張る余裕も張り合いもなく、
ただただ精一杯でしかない
情けないが仕方ない

彼女は「とにかく疲れている」とだけいった
タオルの上からふれ始める

身体が小さく感じる
この人はこんなにエネルギーを消耗したのか

なぜ、だいじょうぶな状況なのか、
改善点はあるか・・・

・・・・いや、訊かない

「__なぜ?」を話すことはしない

この一年で決めたことだから
他人の陰を背負うことはしない

このベッド、この空間に、
この時に負荷のすべてをおいて帰ってほしい

11:30 終えることができた
肌つや明るく、
安定した笑みを持って次の仕事の話をした

いつもの彼女になってよかった

送り出し
17:40 ホテルに戻ると、鯉が池にいた

近づいて撮ろうとすると金色の大きなのが
飛び跳ねて大きな水面の縁が拡がった

17:50 「送り火はどこからよく見える?」
ベルガールに訊いてみる

中国訛りの案内で5火の内、『妙』と『法』隣駅の松ヶ崎であればよく見えますとおしえてくれる

いや、それではなんとなく足りない気がする
どうしても橋にいかなきゃならない気がする
4駅先から賀茂川へ向かうことにする

出雲路橋まで出たら
きっと何かしらあるはずだから

19:10 鞍馬駅

ここ6

追記 2023年12月16日 3:33p.m.

東海道上りのぞみ
グレーで重い雲は斜めに別れ
白くビロードのようにたなびく

書きかけの記事を見つけひらいている
こんなものがあったなんて驚く

2023年今秋、出雲路橋から左大文字
舟形を望む鞍馬口〜船岡山の麓に居を構えた

偶然見つけた古い家で
この土地に越すつもりは全くなく
一生懸命ほかの場所を何年も探していた

潜在意識の地図は一千年の時を超えている
そう理解させるようなことがある

土台、インフラは最初から決まっている
その上で遊んでるだけなのだと

穏やかな時が流れてく

Cannon in D

パッフェルベルのカノン、幼い頃聴いて
これが弾きたくてピアノを習ったりした

作品番号 PWC 37
2小節 28パターン 
4分の4拍子 3弦繰り返し
D-A-Bm-F#m-G-D-G(Em/G)- A

カノンコードはストレスを著しく低下させる

宇宙の調和 
表出するとそれは作者を離れ自立していく

代表曲がこれのみであるのはそういうことだろう

一生のうち、いやこの魂で生きてきた何千年をもってなにか生命をつなぐ癒しを生み出せたなら

それはもう赦されてる

それまで歩みを諦めないこと
希望をひたすらつなぐ

あの日、
雷が紫に光り 雨が大地を癒す
負けじと木々を燃やした 朱く朱い篝火

目頭は熱くなり 脈がなったんだろう

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