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今後の自治体職員(VOL.5)

前回に引き続き「(2)採用から職場運営まで一貫した制度構築」の残りをまとめていきます。

(参考)今後の予定
(1)自治体職員として大切にしたいこと(VOL.1~VOL.3)
(2)採用から職場運営まで一貫した制度構築(VOl.4~VOL.5)
(3)自治体職員の自主研究活動や地域活動(VOL.6)

②対話による業務遂行

内部調整における懸念

政策、行革・予算、組織・人事などの所管課は、現課に対して、何らかの権力を持つことになるため、注意しなければ、現課を上から見て、ともすれば自分たちの目線で、トップに案を伺って、進めがちになると思います。
私自身、政策を担当する課に所属したときは、常にこうした懸念を抱きながら業務を遂行していました。

例えば、いくつかの自治体の財政担当課は、一方的に、上からシーリングなどを押しつけ、後は各部総務課や現課を呼びつけ、話を聞き、時に、トップに説明しやすくするために、たくさんの宿題を出し、フィードバックは不十分に、トップに伺っていると聞きました。

改善運動における理念

仕事の進め方において、特に問題となるのは、こうした内部調整において懸念されるやり方だと考えます。
最近になって、こうした懸念を真っ向克服しようとした取組について、話をお伺いする機会がありました。

それは福岡市のDNA運動をはじめとする改善運動のことです。DNA運動を推進する際は、もちろん、トップのリーダーシップがあったからこそと言うお話ですが、注目したのは、改善運動を取りまとめる事務局が、情報を各部局(場合によって現課)に出向いて説明し、一緒に対話して進めていくやり方でした。また、改善運動を実際に考える現課に出向き、実際、実行している際も、できるだけ丁寧にフォローされていることも聞きました。

こうしたことは、ITが発達した現在においても、欠かしてはならないポイントだと思います。もちろん、ITをうまく活用しながら、バランスよく進めることが必要であることはいうまでもありません。

今後の仕事の進め方

こうした改善運動の理念、すなわち、「上から」という意識ではなく「現場から」「一緒に」という意識が重要であり、こうした意識に基づき、対話により信頼関係を築き、意見が一致しないときは納得解を得るまで議論する。こうしたことが協働の第一歩となり、仕事の進め方の基本になると考えます。

なお、これまでは、主に事務局の目線で見てきましたが、現課においても、多様な意見を全体最適を図りながら取りまとめる事務局の大変さを理解し、横の情報交換や意見交換など、対話により十分な連携を図ることが大切だと言うことは言うまでもありません。

今後の仕事の進め方においては、このように関係者全員が一丸となって進めていくやり方を再認識することがポイントであり、この前提となるのが、一人ひとりの職員が、気持ち良くやる気を持って仕事に取り組めるか。ES(従業員満足度)の向上がCS(顧客満足度)につながると言った意識です。

一人ひとりの職員が、内部的なことで追われていれば、やろうと思ってもできないし、それが続いて疲れて前を向く気持ちを持てないとすれば、悲しい状況です。そんなことのない職場、組織にするため、トップと幹部が中心に、常にこの意識を持つ組織になればよいと思います。

<対話で変える公務員の仕事>
以下の本は、公務員の世界ではお馴染みの本ですが、福岡市の今村さんが、まとめた本で、今回の対話と協働による業務遂行をまとめるにあたって、最も参考にさせていただいたので、改めてご照会します。
<冒頭写真(ホッと一息)VOL.11>旭岳温泉(北海道)
標高1,000mを超える高原に位置する旭岳温泉湧駒荘は、五種類の源泉掛け流しの泉質を誇る旭川随一の秘湯です。また、地元食材を活かし盛付もお洒落な料理も特筆もので、秘湯マニアに超絶お勧めです。

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