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社会起業家は、『だれのために、なんのために』を忘れるな。

ケニアでの私たちが生産する、ケニア国産原料による(ミゴリ産)、ケニア人国産味噌(ミゴリの人々が生産)・味噌関連商品の、スーパーマーケットでの売れ行きはなかなか良く、将来性にとても嬉しく思っている。

美味しいと評判をいただいていて、さらに良い品質を目指し、消費者の声に応えた商品を開発し、レシピなど使い方に至るまで、人々の食卓を明るくするようなお手伝いをしたい。

度々、輸入物より安く売れるんでしょ?という質問を受ける。もちろん可能でそうしているのだが、おそらく一般消費者は、日本では業務用味噌がなんと1kg300円以下で手に入ることに気づいていない人も多いだろう。

うちのインターン生は、アルファジリがいかに大変で孤独な道を歩んでいるかを肌で感じて、自分にはできないと思ってしまう人も多い。それは本当に申し訳ない。人生ワクワクして生きたいと言って、私に「日本のものを輸入して販売するビジネスはどうですかね?」と質問してきたりする。

私はその質問を聞いて、心の中で泣いている。

1kg300円もしない味噌を輸入してニッチな市場に向けて途上国のお金持ちに販売する方が(しかも素晴らしい日本の人々の研究の成果により、なんらかの化合物により美味しくて安定した味に仕上げられた)、何も知らない田舎のケニア人に教育して原料を作り、味噌を生産するところからコツコツと始めて、販売するより楽に決まっている。

それが楽しいなら、否定できないが、あなたはそう言った事実を知っているだろうか?ということだけは、若い人たちに伝えておきたい。

アフリカで「ものづくり」を教えない限り、この世界の格差は一生埋まらず、格差は開いていく一方であることを伝えておきたい。

アルファジリがどれだけ茨の道を歩もうとも、消費者にとって最も素晴らしい商品を開発し、販売し、愛してもらう。それをする以外に道はない。そして、同じ志を持つ人を受け入れ、共に歩めるだけの土台を、私が作らなくては、多くの若い人は、私と同じくらい傷だらけの戦士になってしまうだろう。(もちろん、私よりずっと色んなことができる人はたくさんいるから、一括りにしてはならないが、この地において社会起業家であるかぎり、なんとも言えない大変さに向き合うことは同じだろう)そのために、何があっても歩みを進めよう。

だから私は何度でもいう。

社会起業家は、「なんのために、だれのために」ビジネスをやるのかを忘れるなと。

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