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2022年7月丹後・但馬旅行記

謎の平日休みがあったので3泊4日で行ってきた。
山陰は良い。ノスタルジーがある。自然もある。歴史もある。でも人はいない。それがいいのだ。人嫌いにはもってこいの場所だ。

山陰地方の中では山口県は二度、島根県は三度、兵庫県は一度訪れているが、今回は京都府に近い丹後・但馬エリアを中心に行動した。

(撮影機材:Nikon Z6・Z24-120mm/f4 S)

前回の旅行↓

行ったところ

吉原運河/西舞鶴

いつも通り18きっぷの貧乏旅だったので1日目は移動だけでほとんど終わったものの、夕方の明るい頃に着いたので街を散策。西舞鶴の吉原エリアに足を運んでみた。
吉原地区は入江の運河に面して家が並んでおり、漁船が泊まっている町並みから日本のベネチアとも呼ばれるらしい。実際に足を運んでみるとそこまで喩えるほどの規模は無いと感じたものの、逆にそれが哀愁を漂わせていて良かった。ヒグラシとカモメの鳴き声が響いているのもまた風情があった。


色褪せた漁具
日本は背景に山の稜線が映らないほうが珍しいくらい山だらけの国だが、知らない稜線を見ると遠く離れた土地に来た感じがする。
一本裏道に入ると狭い路地に伝統的な家屋が密集している。通りを歩いているだけで古い木造家屋と蚊取り線香の匂いがした。
ノスタルジックな町の銭湯。タイムスリップした感がある。
田辺城の門。日が暮れそうだったので寄れなかった。この写真は色がバッチリ理想で良い

天橋立/宮津

京都丹後鉄道というローカル線に乗り、日本三景の一つ天橋立へと向かった。
列車の内装は昭和の特急のような古めかしくも高級感を感じさせるつくりで、窓には木枠も嵌められていた。
それにしても、年季が入った車両でこれまた年季が入った雑草が生い茂る古い線路を猛スピードで走るから、脱線するのではないかと思うくらい車体が揺れる。これもまた旅の風情。
由良川の河口に架かる橋梁は鉄道ファンには名所らしく、駅にも写真が飾ってある。単線の細い鉄橋の上を古い汽車が走って、エメラルドグリーンの海をバックにウミネコが飛んでいく光景は映画のようでとても絵面が良い(実際に数々の映画に登場したとか)

余談だが、映像作品の見過ぎでノスタルジックな列車に乗ると行き先がこの世ではないかのような気がしてくる。

写真中央下に、船が通る際に電動で回転する橋がある。
海の京都、魚は本当に美味しかった。
知恩寺の門。千社札が提灯の紙の部分に貼られていないのが面白い(張り替えたのだろう)

ちなみに、天橋立を一望できるスポット「天橋立ビューランド」に行くにはリフトとケーブルカーという2つの方法がある。リフトの方が開放感とスリルがあるし、発車時間を待たなくて良いのでかなりオススメだ(ただし高所恐怖症の人は乗らない方がいい)

伊根町/丹後半島

伊根町は天橋立からバスで1時間ほどにある、1階は舟の収納庫・作業場、2階は居住スペースという構造の舟屋が並んでいる町。伊根湾の波も含めて静かな漁村といった感じで、郷愁を感じられとても良かった(神奈川のニュータウン生まれだけど漁村に郷愁を感じる)
天橋立からレンタサイクルを借りるとオーシャンビューを臨む道を走りながらこの地区を経て、さらに日本海側の展望台や灯台がある方まで行く事ができる。ちゃんとした電動クロスバイクを借りられるらしいが事前予約制。わたしは平日だし当日でも行けるだろうとたかを括っていたら借りることができなかった(それに、予報では降水確率40%で気持ち良くサイクリング出来なさそうだった)

うみねこはいっぱいいる。多分人馴れしている。
予約すれば地元の漁師の方が自分の船で案内をやってくれるらしいが、燃料高騰のこのご時世。たかが旅の女一人のために船を出してもらうのはさすがに気が引けた。
大・中・小

玄武洞

宮津や舞鶴からは少し離れるが、豊岡にある玄武洞へ。火山活動と溶岩の隆起によってできた柱状節理という集合体恐怖症には厳しい岩肌をが露出した場所で、隣接する玄武洞ミュージアムにはさまざまな岩石、鉱石、化石が展示されている。洞窟は落石の危険があるため入口を見ることしか出来ないが、ミュージアムは建物の大きさの割にかなり見応えがある。
JRの玄武洞駅は円山川を挟んだ向かいにあるのだが、事前に連絡すると渡し船を出してくれる。風を感じられて長閑で気持ちが良い。
ちなみに、玄武洞駅の隣の駅は温泉郷として有名な城崎温泉。こちらもまた風情がある土地らしいので温泉好きの人にはとてもおすすめしたい(わたしは公衆浴場が苦手なので行ったことはないが)

のどかな駅
リバーサイド
玄武岩の名前の由来はここ玄武洞で、柱状節理が亀的な伝説の動物である玄武に似ていることから名付けられた。
ちなみに、隣に青龍洞、白虎洞、朱雀洞もある


ティラノサウルスもいる(レプリカ)
ビスマス結晶もいる(多分本物)
但馬牛100%の玄武洞バーガー(本物)
特製手作り玄武洞カステラ(本物)

舞鶴赤れんがパーク/東舞鶴

舞鶴の市街地は田辺城の城下町・漁港として栄えた西舞鶴と、五老ヶ岳を挟んだ向かい、明治時代以降軍港として栄えた東舞鶴に分けられる。
東舞鶴市街地は広い道幅と碁盤の目のように整った大通りが特徴的で、赤れんが倉庫を代表する軍港時代の遺物も遺っている。同じく明治時代以降に作られた札幌の市街地も碁盤の目のような街並みなので、時代的な繋がりを感じる。
現在でも東舞鶴には海上自衛隊の基地があり、まるで工場のような灰色で巨大な船艇が泊まっているのを見ることが出来る。(ちなみに、港を一巡する遊覧船があるものの火曜日と水曜日は営業していない)

赤れんがパークの近くにあるレンガ博物館は古代ローマから遼、クレムリンやナチスドイツの強制収容所のものまで世界中の建築物のレンガと、それにまつわる歴史、日本のレンガ建築の歴史が展示されていてとてもボリュームがある。一見の価値あり。

北吸トンネル。明治時代に海軍施設へ続く線路を引くために作られた。現在では遊歩道になっている。
湿気たカビのねちょねちょ感がしっかり表現できるNikonのZレンズはすごい。

まとめ

京都の観光と言えばやはり京都市内の神社仏閣が有名だが、舞鶴や宮津といった「海の京都」も負けず劣らずの魅力がある。特に魚は本当に美味しい。
雰囲気は京都というより山陰地方に近いものの、わたしはこの山陰の雰囲気がこの上なく好きだ。また行きたい。今度行くとしたら、やはり丹後半島を天橋立からレンタサイクルで巡りたい。


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