中国ベンチャーに学ぶ・玖「急拡大させ王道化」

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🔳既出サービスを飲み込み”急拡大させ王道化”

サンフランシスコを拠点とするモバイルアプリ調査会社Sensor towerのデータによると、6月に「Tik Tok」はアップルiOSとグーグルandroidの両システムで売上高1位を維持し、同月の売上高は9,070万ドル超え、前年同期の8.3倍に達したそうです。その約89%が中国国内市場から、約6%が米国市場から、残りについては記載がありませんが、恐らくインドあたりでしょうか。

Tik Tokは150の国と地域で75言語に対応し、2020年第1四半期(1〜3月)のダウンロード数は全世界で3億1,500万回DLされました。これは、「ポケモン GO」がもつ最高記録(3億800万)を上回る数字だそうですので、その規模感をイメージしやすいかもしれません。2016年にTik Tokの前身となるサービスを開始してからおよそ4年で累計ダウンロード数が20億近くに達するなど、その驚異的な成長スピードには目を見張るばかりです。

このように劇的に事業が拡大することをブリッツスケール(劇的な成長)と呼んだりします。米国のハーバード・ビジネス・レビューが、LinkedIn共同創業者のリード・ギャレット・ホフマンに行ったインタビューで、

”ブリッツスケールとは、(中略)迅速に企業を立ち上げ、巨大市場、多くの場合グローバル市場に商品を提供し、規模という点からパイオニアになることであり、一種の学問や芸術でもある”

と答えています。中国では、高い目標を掲げ、それを成し遂げるために、ゴールを高く設定し、リスクを取りながらも事業を急拡大させていく、このブリッツスケールという手法が多く用いられているのです。

では、なぜ急拡大させる必要があるのでしょうか。

それは、インターネットにより一気にグローバル化が加速し、ビジネスにおける全ての過程でより迅速に動けることが重要となってきている為に、急速な成長に重点が置かれています。他者・他社より早く大きく成長していくには、より一層のスピード感を伴った事業の拡大成長が必要とされるのです。

TikTok(抖音)はブリッツスケールによって台頭しました。これを運営する ByteDance(字節跳動)は、「創造と交流のグローバルプラットフォーム」というミッションを掲げ、宣言通り世界中からユーザーを獲得しています。

そして、AIによる強力なレコメンド機能を備えており、スワイプするだけでショートムービーが次々に再生されるという機能面で同業他社サービスとの差別化が図られています。これにより、ユーザーは中毒的に次々と動画を見てしまい、このことがある意味刷り込みと閲覧時間維持に貢献することになり、離脱率を下げる効果があるのだと思います。

ByteDanceが他の中国ベンチャーと違う点は、早くからグローバル進出を実行したことにある、と永井竜之介さんの著書、
「リープ・マーケティング 中国ベンチャーに学ぶ新時代の「広め方」 」
記されています。

当初"A・me"というサービス名でスタートした時から、国内と海外の両軸を考える戦略をとっており、「抖音/Dǒuyīn」の名称に変更してから中国国内市場で広めていくのと同時に、グローバル展開をTikTokで開始しました。

実は、その時米国で人気のあったショート動画アプリ「ミュージカリー」を買収し、人材と技術を吸収した形でサービスの普及に努めたのですが、もともと抖音はミュージカリーをベンチマーキングして生み出されたサービスだったのだそうです。

つまり、「ミュージカリー」に強力なAIレコメンド機能を加えて、国内外に広めていったのがTikTokの始まりだったのです。本家を模倣しようとも、本家を超えれば王道になる、を正に体現したエピソードです。

一方で、ByteDanceの本社が中国内にあるということから、米国政府からは国家安全保障面の問題があると以前から指摘されており、実際に今、米国でのTikTok使用禁止が検討されているのだとか。。国と国の政治的な問題で、先日インドでの使用が正式に禁止されたばかりの中、ByteDanceとすれば、”泣きっ面に蜂”といったところではないでしょうか。

そんな、話題性の高いTikTokですが、つい先日元米ウォルト・ディズニー幹部のケビン・メイヤー氏を抜擢し、TikTokのCEOかつByteDance社のCOOとして迎え入れたニュースが発表され、市場にも影響を及ぼしました。

たとえ中国国内市場での売上が大多数を占めているとはいえ、人口大国インドと経済大国米国のマーケットは、そうやすやすと失うわけにはいかないはずでしょうから、当然世の中の注目はケビン・メイヤー氏の手腕に大きく注がれているでしょう。


情報を制し、人を集めること、金を調達することが、ビジネスの軸です。
その為のサービス、プロダクトを設計し、ゴールから逆算して仕掛けていくのです。その時大事になるのは市場と環境にいかに迅速に動けるか、です。

狙いを定めた事業は必ず前例があるはずですから、どこに着目し、何を手に入れるのかをよく考えるのです。そして、ターゲットを決めたら模倣と言われようがしっかりベンチマークして型を整えます実践を繰り返しながら、型の精度を上げていくのです。そして、スピード感をもって市場に投入し、ユーザーの反応を素早く広い、改善・改修に繋げ、精度を上げながらより良いサービス・プロダクトへと磨きをかけていきます。これを続けることで、いつしか模倣から本家を超えた王道へと進化・成長していけるのです。

<続く>

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