最後の叫び

最後の叫び


春には
皆とうたを歌い

夏には
波のうねりを
聴いた

秋には
人を眺めて

冬には
雪化粧をした

ひとり
またひとり
仲間が旅立っていき

樹木の親と
仲間の思い出ばなしをした

私の番が来る予感がした日
寒風が吹き
人は
私を批評した

全体を一部に
一部を全体に
誤解され
散っていく葉の

落下する前の
木の全体が宿るときは
最後の叫び

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