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花の仕入れができない

小さな花屋さんが継続して営業を続けていける仕組みづくりを目指して、花苗生産農家の会社と花屋である私の会社がグループ企業として共に歩きはじめました。花苗生産農家が抱える悩みと、小さな花屋が抱える悩みの両方をひとつひとつ解決しながら、この業界にイノベーションを起こし、私達の日常にもっともっと植物が寄り添っていけるよう、壮大なプロジェクトをスタートしました。

そんなことをわざわざ、いち小さな花屋の私がはじめた理由がある。
花屋をやりたくてやっと一歩を踏み出したのに、この業界には花屋をもっと手軽にスタートできるような仕組みが整っていなかったのです。

前回の内容はこちら

花屋が抱える悩みのひとつ、花の仕入れ

やっとの想いで1つの仲卸屋さんが取引を開始してくれました。私は花屋といっても切り花でなく花苗を専門に扱う花屋がしたかったので花苗をたくさん仕入れようと思ったのですが、市場の開催のたびに仲卸屋さんに足を運んでみるものの、まったく植物を仕入れることができなかったのです。

そもそも、まず市場にやってくる花苗の種類が少ない。仲卸屋さんに並ぶ植物も数種類しかない。選ぶにも選びようがない。そこで私を受け入れてくれた原さんに相談すると、市場開催の前に下見をしてその中から欲しい苗を手に入れたらいいよと教えてくれたのです。

早速、その日から早起きして市場に行って、セリの前の下見をすることに。たくさん並んだ花苗の中から数種類の花苗を買うのですが、1ケース24個入の花苗をずらりと買わなければいけなかったのです。スタートアップしたばかりの店舗もない自称花屋の私にとって、同じ種類の花苗を1ケースまるまる販売することは簡単ではないことはわかっていました。

仲卸屋さんには切り花ももちろんたくさん並んでいるのですが、切り花は10〜20本単位で小分けされて並んでいて、花屋さんがせっせと束を選んで仕入れをしていました。しかし花苗は黒いプラスチックのトレイにずらりと同じ種類が並んでいるまま販売されていました。

どうして花苗は小分けで買えないのだろうか。小分けでたくさんの種類が欲しいのに。

せっかく市場で仲卸屋さんを通して花苗が買えることになったのに、結局思うように仕入れができない。みんなどうしているのだろうか。
よくよく考えると、切り花屋さんに切り花は並んでいても花苗はあまり並んでいない。それは、きっと小さな花屋さんが花苗を少しの量を買える仕組み自体がないからなんだな、とこの業界の現状を感じました。

花苗は大きな園芸店やホームセンターでしか買えない。たしかに、小さな町の花屋におしゃれな花苗だけを販売しているようなお店を私は知らない。

そうか仕入れが難しいんだ。なるほどね〜と、頭を抱えるのでした。


多肉植物との出会い

花苗を仕入れることが難しいと知った私は、比較的仕入れがしやすい多肉植物で活動をしていくことにしました。多肉植物は1ケースに色々な品種の苗が入っていて、どれも表情が違う。そして丈夫すぎで枯れない。本業を別に持ちながら活動する、店舗のない自称花屋の私にとってはとても都合のようアイテムでした。

半ば仕方なく、多肉植物を取り扱う移動花屋として歩みはじめていたのですが、それでも花屋として活動をスタートしたことは嬉しい。いったい世の中の多肉植物のニーズはどんなものなのか、市場はどうなのか、どんな人がどんな多肉植物を好むのか。グーグルの画像検索やネットをぐるぐる巡回し、自分にしかできない花屋を目指して今与えられた環境でやれることをやりはじめたのです。

この多肉植物しか仕入れられないという状況は当時のわたしとしては悔しい想いだったのですが、この多肉植物で、どれだけ人と違う差別化をしながら自分らしい表現ができるのかを、頭をぎゅうぎゅうに振り絞って考えていた事が今の活動を大きく支えている。

悔しさと途方も無い憤りの中でも、絶対に諦めない、できることを探し続ける思考が身につけていったのです。

半ば仕方なく多肉植物を使って作品を作っていたんですよ、という話をするとみんな「え!?」と驚く。スタッフからは多肉植物が好きじゃないなんて、間違ってもお客さんに公言しちゃいけないよと言われてしまう。

だって、当時の私の多肉植物を使った作品は本当に可愛らしくて、喜びに満ち溢れているんです。今でも写真をみると、自分が作ったにも関わらず、すんげー可愛いって思う。ほら、こんなに可愛い。

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今でも私の当時の多肉植物の作品のファンの方がたくさんいてくれる。

だから口が裂けても「多肉植物が好きじゃなかった」なんて言ってはいけない 笑

次回へ続く。

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