"伝わりやすいプレゼン資料"に潜む落とし穴
皆さんはPowerPointやKeynoteなどのプレゼンテーションソフトを使って、プレゼン資料を作った経験はおありでしょうか?
私も企画として働いていたころは、社内用、社外用ともによくプレゼン資料を作っていました。今日はその頃の経験を活かして、特に社外向けのプレゼン資料である「提案書」についてお話ししたいと思います。
"良いプレゼン資料"ってなんだ?
早速ですが、良いプレゼン資料とはどんなものでしょうか。
プレゼン資料や提案書を作ったことのある方は、一度くらいはGoogleなどで「プレゼン資料 伝わる」「提案書 おしゃれ」などで検索したこととがあるのではないでしょうか。私は数え切れないほどあります。
もしくはハウツー本を購入したりする人もいらっしゃるでしょう。
それぞれの記事や本は様々なアドバイスをくれます。その中で恐らく、ほとんどの記事や本に共通して書かれているアドバイスがこれです。
「文章を簡潔にする」とか「文字を詰め込みすぎない」とか表現に違いはあれど、十中八九こういった内容が書かれているはずです。逆に「文章はいっぱい書こう!」や「文字数をかせごう!」とは絶対書いてありません。
ちなみに、この記事を書くに当たって、最近なにかと話題のAIチャットにもプレゼン資料を作るコツを教えてもらいました。その結果がこちらです。
はい、いの一番にきましたね。思わず太字にしました。
AI恐るべし。「なぜ文字を詰め込んではいけないのか」の答えまで書いてありました。
文字を減らすべき理由
話し言葉で補足することを想定した文章量に。
そうなんです。プレゼン資料や提案書はあくまでプレゼンテーションするときの資料。だから、文字を詰め込む必要はなく、むしろ文章的な内容は口頭で伝え、資料にはその内容を視覚的にサポートするグラフや写真などを載せるべき、ということです。
プレゼンは多くの場合、なにかの決定を促すために行います。
自社サービスの購入を促す場合、新商品の開発を経営陣に促す場合などなど…
なにかの魅力を伝え、決定を促すためにプレゼンテーションを行うとすれば、あなたとプレゼン資料は同じミッションを遂行するパートナーのような存在です。パートナー同士で同じ役割を担うより、欠点を補い合った方が効率が良いに決まっていますよね?
よって、"良いプレゼン資料"とは話者であるあなたの欠点を補う資料です。
つまり、視覚情報を補う資料=文字を減らし視覚情報をメインで配置した資料、ということになります。
では、伝わりやすいプレゼン資料に潜む落とし穴とはなんなのか。
あなた+プレゼン資料=完全体
ここからが、本記事でお伝えしたい内容になります。
ここまでに書いてきた、文字を減らし視覚情報をメインで配置したプレゼン資料、伝わりやすいプレゼン資料は話者であるあなたがいて初めて完全体になります。あなたとプレゼン資料はパートナーですから当然ですよね。では、資料だけを見て、あなたの話を聞かないとすればどうでしょうか。
プレゼンなんだからプレゼンターがいないなんてあり得ないですか? そうですよね。自分がプレゼンをするためにプレゼン資料を作ったんですから。でも、残念ながらあり得るんです。それも結構な頻度で。
それは、プレゼンする相手が決裁者ではないケースです。
社外のクライアントにプレゼンするところを想像して下さい。
あなたはクライアントの担当者であるAさんに一生懸命プレゼンをしました。Aさんはとても感銘を受けた様子。手応えは上々です。しかし、決裁者はAさんの上司の方。その場で決定はいただけませんでした。
このケース、その後どうなるでしょうか。
恐らく、クライアントの社内会議などで、今度はAさんが上司に対し簡易的にプレゼン(報告程度かもしれません)することになります。もしくは、あなたが作成したプレゼン資料を上司に渡すだけかもしれませんね。
もうお分かりですね。
あなたと資料が揃って完全体ということは、裏を返せばプレゼン資料だけでは不完全なのです。そのプレゼン資料だけで決裁者は判断することになります。
Aさんが上司にプレゼンしてくれたとします。それでも、あなたよりも伝わりやすく、あなたよりも情熱的にプレゼンをしてくれる保証はどこにもありません。あなたからAさんに100伝わったとすれば、Aさんから上司に100伝わることはないでしょう。
あなたの目的が良いプレゼンをすることであれば話は別です。ですが、先ほどお伝えしたとおり、多くの場合プレゼンは決定を促すために行います。こういったケースでは、私は資料を読んだだけで論旨が掴めるように、文章をしっかり書くべきだと思います。
あなたの手を離れたプレゼン資料は、どう使われるか分かりませんから。
相手を忘れずに
基本的には文字は少なめにした方が良いと私も思います。
ただ、プレゼン資料についてのテクニックよりも大事なのは、役に立ちたい相手をちゃんと見ることではないでしょうか。
結局、伝わってなんぼですので。
などと自戒をこめて書いてみました。
どなたかの参考になれば幸いです。
それでは、良いプレゼンライフを!
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