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わさびメロンパン

いろいろと八方塞がりで、婚活をするかどうかの境地に立っているためか、母にお見合い相手を連れて来られる夢を見た。
会って話しをしていてもなにもピンと来なかった。
しかし、そのお見合い相手がお昼ご飯としてカバンから(お見合いにお昼ご飯持参なのが夢っぽい)「わさびメロンパン」を取り出した。
新緑のような濃い黄緑のメロンパンを頬張る彼に、心が躍った。

そんな意味不明な夢から今日はスタートした。
私は「変の人が好き」というわけではない(はず)。
「初対面の相手がいる」という、ちょっとばかり格好つけないといけない側面だとしても好きなもの、しかもおそらくそれを好きな人は少ないものを堂々と食べるまっすぐさがいいのだ。


「好きなタイプは?」という会話が、たまに私をおそってくる。
優しい人、明るい人、おもしろい人、文才がある人、プロ意識が高い人…なんて、いろいろと答えてきた。どれも一貫性がなく、そのときになんとなく思ったことを発言しているだけだ。

「好きになった人がタイプ」は、無難にそれをスルーできる。
おもしろみにかけるから、私はあまり使わないようにしているのだけれど(なぞのこだわり)、ただ、「好きになった人がタイプ」は間違っていないとも思う。
私は「わさびメロンパン」の彼にきゅんときたのだけれど、「まっすぐな人がタイプ」と答えたことは一度もない。
きゅんときたことで、自分がまっすぐな人に惹かれることに気づいたのだ。
「好きになった人がタイプ」は、なにかで括らずに相手をしっかりと見ようとする気持ちが表明できる、誠実な回答なのかもしれない。


現代には婚活の術が多くある。マッチングアプリを使用すれば、自分に合った人がいつなんどきでも次々に出てくるだろう。
ただ、「わさびメロンパンを堂々と食べる人」を見つけるのは難しそうなので、やはり私はしばらく婚活しないだろう。
そもそも「わさびメロンパン」なんて存在しないし。

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