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85[ハチゴウ]が農業と向き合う理由

8月5日は"85の日"とし、今年からお祭りを始めました。
初の今年は、味噌玉や味噌汁サービス、お酒・おつまみのサービスを一律85円とし、もう一つの目玉は二子玉川ライズ店とカメイドクロック店でデビューした"85の野菜"でした。

このお野菜は、元85 中目黒店 店長が山梨県北杜市に移住し、有機栽培しているお野菜です。
そもそも環境や健康に無頓着だった彼が、85の店長として様々なメーカー・生産者の方達とコミュニケーションを図るうちに環境や健康に意識が向き、コロナ禍によって食の安全といった部分に強い関心が募って、自分の手で作った安全な農産物を提供したいと思い、それまでの生活を一変させてまで、地方に移住して就農しました。
相談を受け、85の取引先であった山梨県 北杜市 津金の油屋さんを紹介し、恵まれた環境でのスタートでした。


移住後、農業訓練校に入り、一年間学んで晴れて卒業を迎える時期に、一本の電話がありました。
話を聞くと「卒業後、山梨で企業に就職しようと思う」といった内容でした。

それなら、何故ハイブを辞めたのか?
皆に安全な農産物を届けたいといった想いはどうなったのか?と聞いてみると、出てきた理由は厳しい現実でした。

先ず初めに農工機器や諸々揃えるのに借金を負うが、最初はほとんど収入にならず、ローンはおろか生活さえままならないので、生活費や返済金を稼ぐ為にアルバイトをしながらの兼業になってしまう。
有機野菜として世に出すには有機JAS認定を取る必要があり、さらにお金・時間・労力を有します。
そうすると新規就農で、非常に手間の掛かる有機農業で自立していくのは大変高いハードルです。
彼の中では、安全な農産物をお届けしたいといった信念があった為、まずは慣行栽培から…といった選択肢はありませんでした。
また、同じ訓練校に通う他の方達も、同様に有機農法による農産物を目指しながら、不安を抱えている様でした。


欧米では、普通にオーガニックの農産物が求めやすい価格で豊富に並んでいます。
これは生産者が多く存在し、ある程度の競争原理で量・コストともに洗練されているからです。
このままでは、日本にそうした未来はありません。
食糧自給率も上がらず、この先、食糧危機を迎えた時に日本はどうなるのか?
何か僕らで出来る事は無いだろうか?

元店長を中心に、数名の有機農業を目指す方・従事されている方ともコミュニケーションを図り、色々な意見を募って可能性を模索し、85を絡めての農業支援プロジェクトを立ち上げました。


85での取組みとして

先ずは今回のデビューをきっかけに毎週末 定期的に"85の野菜"を販売し認知を広げます。

この後には、見た目の悪い物や収穫時期のタイミングでマーケットにお届けできない野菜を使ったピクルスなどの加工品も85に並べていきます。

そして来年からは、店舗で募集した上でお客様にも現地に赴いていただき、実際にお客様の目で見て、作業もしていただくプログラムを計画しています。

僕も、元店長の田畑に農作業の手伝いをしに行きますが、農作業を介して自然に触れる事で、とてもリラックスし、癒される効果があります。  農作業する人に鬱の人は居ないと言われ、都会に住む人々には大変な価値ある体験だと考えます。特にお子様は、情緒の発達や常在菌の多様性にも大きく影響があるのでお勧めです。

そうして体験会に参加されたお客様ご自身が見て、作業する事は、何にも勝るエビデンス(証明)になり、「有機野菜」とうたわれていなくても、安心して買う事ができると考えます。


そして、このプロジェクトで目指すのは

85の取組みを経て、地域で多くのお客様が定期的に求められる様になれば農産物の定期便なども可能となり、農家にとっては大きな安定につながります。

そうした活動が広がり、多くの新規就農者が自立していく事で、安全・安心な農産物が求め易い未来を作ります。


私たち85は、元店長が目指す「安心・安全な食材を届けたい」といった想いを皆さまにお届けする事、

そして、そうした仲間が増えていき、多くの皆さまに、"安全・安心な農産物"、"健康や環境に優しい暮らしを送るためのモノ・コト"を提案できる様に邁進してまいります。


※注 慣行栽培を否定している訳ではありません。農家の方達と話していると、皆さんそれぞれに想いと信念を持って取り組まれています。

いただく側としては、ただただ敬服するばかりです。                    いつもありがとうございます。