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青色LEDは心を落ち着かせるのか



イルミネーションやディスプレイなど、私たちの身近なところで使われているLED(発光ダイオード)は、さまざまな色を発光することができます。その中でも、青色LEDは近年注目されています。なぜなら、青色LEDには心を落ち着かせる効果があると言われているからです。本当にそうなのでしょうか?この記事では、青色LEDの心理効果について、科学的な根拠や研究事例を紹介します。


青色LEDとは


まず、青色LEDとは何なのでしょうか?LEDとは、電気を流すと光る半導体素子のことです。LEDは赤や緑などの色を発光することができますが、青色を発光することは長年難しい課題でした。1990年代に日本の中村修二さんらが青色LEDを開発し、2014年にノーベル物理学賞を受賞しました。青色LEDは白色LEDや有機EL(電子ペーパーなどに使われる)の基礎技術でもあります。


青色LEDの心理効果


では、青色LEDにはどんな心理効果があるのでしょうか?一般的に、青色は「落ち着き・癒し」の心理効果を発揮する色合いだとされています。青色の光は気分の高まりを抑えたり、冷静に考えたりするのに役立つとも言われています。実際に、精神的ストレスを受けた人が室内で青色光を浴びながら横たわっていると、リラックスした状態に戻るのが早くなるという研究結果もあります。


青色LEDの応用事例


このように、青色LEDには心を落ち着かせる効果があると考えられていますが、それを応用した事例はどんなものがあるでしょうか?代表的なものとして、駅で自殺防止用に設置された青色灯が挙げられます。日本では2000年代末から鉄道会社が駅のホームや踏切に青色灯を設置し始めました。これは自殺を考えている人に対してナッジ(一見ちょっとしたきっかけが行動に大きな影響を及ぼす手法)の効果を期待したものです。実際に、青色灯が設置された駅では自殺者数が84%も減少したというデータもあります。ただし、このデータには統計的な不安定さや他の要因の影響も考慮しなければならないという指摘もあります。青色灯の効果についてはまだ正確には分かっていないというのが現状です。


まとめ


青色LEDは心を落ち着かせる効果があると言われていますが、その科学的な根拠や研究事例はまだ十分ではありません。青色LEDを応用した自殺防止用の青色灯も、その効果については慎重に評価する必要があります。青色LEDは素晴らしい発明ですが、その心理効果を過信することなく、客観的に見極めることが大切です。

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