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うつ病になってしまったら何したらいい?

はじめに

 うつ病の電子書籍を書いてざっくりこの点も書きました。ちょっと補足的に、うつ病になったときに、どうしたらいいか、わからない、どうしようとなると思うので、この辺を深堀してみたいと思います。

どういう状況なのか?

 うつ病になった、もしかしたらそうかもしれない、病院で診断がなされた、というのは、それぞれどういう状況なのか、骨折で例えてみましょう。

 おおざっぱに言うと「足の骨が折れた状態」です。

 ということは、足にギブスをはめて、骨がくっつくように、足を動かさないようにしますよね。その分、日常生活は、歩けませんので、平常とは違ってよい、できる範囲でよい、となるかと思います。

 うつ病も、治りにくさ、という点を除けば骨折と同じです。

 足にギブスをはめて、日常生活の一部を拘束します。ですから、うつ病も、学校や仕事であれば長期間休んだりします。骨折と異なり1カ月~半年と、休む期間はお医者さんの重度かどうかの判断で変わってきます。

 ということなので、まず最初は、お医者さんに行って、どれくらい休む必要があるのか、を知るところがとっかかりです。

 といって、足にギブスをはめるように明確に見える拘束道具はありません。心を休めることが大切です。といって、心を休める、苦労させないための道具ってありませんよね、ですから、あとは、ゆっくりやすんでね、となるわけです。

休むときって、メンタルの問題だからメンタルを鍛えればいいの?

 休む、といわれてもよくわからず、精神的な、心の問題ならメンタルを鍛えればいいと考えてしまうかもしれません。前述したように、足の骨折とおなじで、骨が折れてるのに、ジョギングする人はいません。ですから、まずは、休むことが大切です。

と言われても、休むことが分からない

 はい、私もそうでしたが、そもそも「休む」ことも分かりませんし「休む必要性」も分かっていませんでした。そのため、私の場合は、無理やり仕事をつづけながら治療して、結局は慢性化して、10年も治らず、というひどいことになっています。

 骨折で例えた通り、休む必要性はある、とここではざっくり表現しておきます。では、どう休めば、うつ病の治療に良いのか、そもそも休むって何だろうというお話をしていきましょう。

 まず、最初はうつ病など、自分自身が病気である、ということを認めるところからスタートです。良いお医者さんですと、このあたりは丁寧に明示されるかと思います。

 うつ病は、脳の異常によって、うつ状態、気分の悪状態によって日常のいろいろな行動ができなくなり、それがひとまず2週間以上続いていると、うつ病という判断がなされやすいです。近いものだと、適応障害というのもあり、こちらは半年で原因を取り除くと治るものを指します。そのため、うつ病は原因を取り除いても治らない、なかなか手ごわいものだったりします。

 この病からの克服は、まず、病気であることを認め、しっかり休む必要性を納得するところからはじまります。というのも、どうしても早く治したくなるので、焦ってしまって、心を休めることとは反対の行動をしやすいです。

 最初は、本当に、何もしなくてもよく、生活リズムを整えることも、身の回りのことも、おざなりになってしまって構わないのです。

 というのも、そうしたことは、心のエネルギーがしっかりたまり、リハビリ1段階目に入れるようになってから行うものです。

 治療は人によってそれぞれのため、治療のステップは一概に言えません。というのも、うつ病になった要因が、遺伝的か、思考や行動の悪い癖か、人間関係や仕事などの慢性的なストレスか、によって、対処方法はかわってきます。

 少しいえるとすると、1ステップ目はまず、休みきること、であり、2ステップ目で軽いリハビリ、3ステップ目で仕事など社会復帰のリハビリ、と言った塩梅になります。人によっては、3ステップ目で、仕事や環境を変える必要も出て来るでしょう。1ステップ目と2ステップ目では、いったん3ステップ目で立ち会う社会とは距離を置き、休む、ということに集中します。

 まず、1ステップ目はいつの時間でもいいので寝て起きて、ご飯が食べれていたら、それでいいのだと思います。

 SNSやスマートフォンやテレビ、動画のニュース、はいくつかは控えたほうがいいです。事件、事故、スキャンダル、討論、議論、政治、そういったものは、心にとっては刺激物です。心を休める行為とは反対の行為ですので、これらとは離れる必要があります。

 犬や猫の可愛い動物の動画や、お笑い、ギャグ、などは塞いだ気持ちを和らげてくれますし、同じような境遇の人がいる、というのを知るのは、自身の現状を認識するという点では役に立つかもしれません。ただ、同じような境遇でも、個々人で、治って生き方は違うので、勇気をもらったり、自分の今の状況を納得する材料にするくらいがちょうどよいと思います。

 退屈で、なにかに集中したい、と思うかもしれません。ちょっと心に余裕があるのかもしれないですし、焦っているのかもしれません。

 脳はリラックスモードというモードがあります。集中しているときとは反対の状態で、記憶の整理や定着などを行ってくれる状態です。なるべくこの時間を増やしたほうが良いため、何もせず、ぼーっとする、という時間が大切です。

 それでも、うつ病の場合は、ぼーっとしている方がしんどかったりします。というのも、考える時間があると「しんどいなー」「つらいなー」「生きていても仕方ないなー」「なんでこんな状態になってしまったんだろう」と、ネガティブな思考に陥ってしまいがちであるため、そこから逃げるために、なにかに集中する、ということをしたくなってしまいます。

 そうした場合、お医者さんと相談して、そうしたネガティブな思考を抑制するお薬をしっかりもらって服用します。

 つまり、休む、とはなにか、というと「ぼーっとする」ということで、そのための障害を1つ1つ、取り除いていくということをしながら、「ぼーっとする」時間を少しずつ増やしていきます。

それでも何かしたい場合

 それでも、何かしたい場合、毎日の記録をとって、それが良かったのか悪かったのか、長期的に判断できるようにしておきましょう。ノートに1日1ページ、ざっくりとでいいので記録をとり、見返すことができるようにします。

 起きる時間、寝る時間がばらついてしまう人は、寝た時間や起きた時間を記録します。そして、「ぼーっと」した時間をタイマーではかって、1分でもいいのでまずはぼーっとしてみます。「ぼーっとする:1分」みたいに、できなかったら、横線で消したり、「〇ぼーっとする:1分」のように項目の頭に〇を書いておいて、できたらそこをレでチェックか横線で消すかをしていきます。

 さらに、やったことも、全部でなくていいので3~6個程度、寝る前に記録して書いておきましょう。そして、その日の気分をざっくり書いてみてください。起きた時、寝る前や、寝る前だけでも問題ありません。それは「しんどい」「ぼーっとする」「焦っていてつらい」「早く治りたい」で十分です。

 ゆっくりと、ぼーっとする、ことが定着し、時間を増やしていけたらよいですし、すこしきつくなったらまた戻しても問題ありません。

 そして、1週間ごとに、1週間を振り返り、1カ月ごとに1カ月を振り返ってみましょう。そうすれば、例え、ぼーっとできなかったとしても、その行動が、治療に対して悪いことなのか、そうでないのか、判断する材料になります。

 また、繰り返していくと、気分や調子は浮き沈みがわりとある、ということがノートを振り返ると見えてくるかもしれません。冬は季節性のうつになりやすい時期で、長期的に見ていないと、こうしたことも見逃したりします。なぜか調子を崩したけど、実はいつも冬にしんどくなっていた、といった感じです。

 このように記録を簡単にでいいのでとっておくことで、やってもよいこと、やってはいけないこと、が判断できるようになります。

社会的、金銭的にそんなに休めないけど?

 もし、「会社に迷惑をかけてしまう」と考えてしまって休めないのだとすると、自身が病人であることを納得できていないでしょうし、病人が働かなければならないような組織・ビジネスは、それはそれで破綻している、と考えるのが良いと思います。

 金銭的にという場合は、会社員の場合「傷病手当」というのがうけられます。お医者さんと会社の事務とのやり取りが必要ですが、最大で1年半、給料の三分の二が受給できます。

 会社に強く休みます、と言いにくい人は、お医者さんから、これこれの期間休む必要がある、という診断書を受け取って休んでください。お医者さんの診断書がある場合、会社は拒否できません。

 まず、そうした不安がある場合は、いったんお医者さんに悩みを打ち明けてみましょう。多くの場合、うつ病の患者さんが、どのような社会的支援を使っているか知っているため、ヒントを聞くことができます。

 こうしたことが難しい場合、近くの社会福祉協議会に相談してみるのも一つの手段です。

さいごに

 なんでいろいろ書いたかというと、ついつい、うつ病になったのに、メンタルを鍛えてみようとか、運動などをいきなりしはじめちゃう人がいらっしゃるみたいなので、書いてみました。

 まず、休むことが大切です。

 足の骨折も、まずはギブスをはめて、骨がくっつくのを待つように、心の骨がくっつくまではぼーっと休んで、次に生活習慣など基礎的なリハビリ、つづいて社会復帰へのリハビリと進んでいくんだと考えるといいかと思います。

 私はまだ全然治ってなくて、生活リズムが乱れっぱなしです。今日も深夜1時に起きました。なかなか難しいです。

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