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2022年7月の記事一覧

【競馬コラム】脇役たちの躍進は続く

先週からの流れを引き継ぐかのように、「脇役」たちの躍進が続いた。 新潟の「千直」といえばミルファームである。2歳未勝利戦で10頭以上がノミネートする乗っ取り現象も毎夏の風物詩。生産・所有馬の血統もマイナーにしてバラエティに富んでおり、かつ命名のセンスも独特なこともあって独特の個性を放ち続けている。ヴィクトリアマイル3着で大波乱を巻き起こしたミナレットのようなスターも輩出した。 そして「千直」の頂点ともいえるアイビスサマーダッシュを、ついにミルファームが制する時が来た。殊勲

【競馬】7月23-24日のPOG関連振り返り

いくらなんでも適当すぎませんか、国枝栄厩舎の新馬戦.. 今世代で勝ち上がったのはシャンドゥレールのみ。他はだいたい人気を裏切る結果ばかりで、負けっぷりもなかなか豪快。名門厩舎ゆえ能力を過大評価されているフシもあるだろうが、仕上がりも全然なんじゃないだろうか。 先週も、注目を集めていたインゼルのキタサンブラック産駒シュバルツガイストが武豊を背にデビューするも7着と大敗。4角までは好位を追走していたが、いざ追われてから全く反応せずに終わった。また福島でもパルピターレがシンガリ

【競馬コラム】夏だチャンスだ、目立て脇役たち

夏はどうしてもダラっとしてしまいがちで、正直なところ新馬戦くらいしかマジメに見てませんw もちろん馬券も全く買ってないし、重賞ものんびり眺める程度。まあそんな時期もありますわ。 もちろん毎週に生活がかかるジョッキーにはそんな心の余裕などなく、特に成績の芳しくない状況にあってはひと鞍ずつが勝負。日曜の各場メインレースは、いわば「脇役」に甘んじている乗り役に脚光が当たる結果となった。 まずは札幌開幕週を飾る大雪ハンデ。勝ったのは水口優也騎乗のブラッティーキッドだった。昨夏、惜

【競馬】7月16-17日のPOG関連振り返り

評判になっていた馬が何頭かデビューしましたけれど、それぞれ受難の結果となりました。 まずは土曜福島のヤングローゼス。追い切りの内容からも終いにいい脚を使えそうで、陣営のコメントからも自信が現れていたんですけれども..番手追走から早々に手応えが怪しくなり失速。いくら力の要る開催後半福島の馬場とはいえ、ちょっと案外な結果に。そもそも馬場適性が心配なら新潟まで待てばよかったのに.. 勝ったのはフェアエールング。さすが渋った福島1800mのゴールドシップ産駒である。先頭に立ってから

【競馬】7月9-10日のPOG関連振り返り

未来の見えづらい短距離戦よりは、どうしてもクラシックにつながる中距離戦の話が中心になるのは許してほしい。2歳戦の数が増えてくるとなおさら全てを追っていくのは難しくなる。 さあ先週はまず我がPOG指名馬、しかもドライチのラヴェルが新馬勝ちを飾ってくれましたイエーイ。1週前にCWで猛時計をマークし、ある程度の能力は確認でき安堵していたのだが、初戦から力を発揮しきれるかどうかは別問題。ましてゲート試験に手間取ったことを思うと、不完全燃焼も頭には入れておいたのだが..完勝。 懸念通

【競馬コラム】我々は田中勝春をどう語り継げばよいのか

エヒトで七夕賞を勝った田中勝春。これが3年ぶりの重賞勝ちだという。19年の函館記念をマイスタイルで勝って以来。さらにその前となると15年の福島牝馬S。もうすっかり大舞台とは縁の遠い乗り役となってしまった。 最近になって競馬ファンになった人には「誰?」と言われても仕方がないレベル。たぶん僕が競馬を見るようになった90年代後半の、大崎昭一さんや大塚栄三郎さんみたいな空気を、今のカッチーはまとっているのであろう。 若手・中堅時代から彼を見てきた我々は一体、彼をどう語り継いでいけ

【競馬】7月3-4日のPOG関連振り返り

JRAさんがYouTubeで前週の新馬戦ダイジェストをアップしてくれるようになってだいぶ助かってる。 それなりにわかった風を味わえるし、そのうち全レースのダイジェストも作ってくれませんかね。KBS京都のアレみたいな。 さて、開催が小倉・福島に移った先週は「話題の大物!」みたいな馬は出てこず、やや穏やかな雰囲気の進行に。強いて言うなら函館の1800m戦でデビューしたサトノダイヤモンド産駒のルクスグローリア。当地のコース追いでもなかなか迫力のある動きを見せてはいたのだが、宮田

【競馬コラム】「見られる意識」がスターの証、今村聖奈の重賞初勝利

一般的に、若手の女性ジョッキーが取材に対応するとき、「ファッションやおしゃれには気を使っていますか?」と質問されると「今は競馬に集中しているので..」と答えるのが模範解答だろうと思う。謙虚な姿勢の優等生。嫌われない人格を形成することは、騎手として成功するためにも必要な要素だ。 ところが今村聖奈は違う。ちょうど今週、CBC賞で重賞初騎乗の機会が訪れるにあたり各メディアでも改めてクローズアップされたのだが、そこで残したコメントに非凡さがにじみ出ていた。 「常に見られている立場