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【競馬コラム】夏だチャンスだ、目立て脇役たち

夏はどうしてもダラっとしてしまいがちで、正直なところ新馬戦くらいしかマジメに見てませんw もちろん馬券も全く買ってないし、重賞ものんびり眺める程度。まあそんな時期もありますわ。

もちろん毎週に生活がかかるジョッキーにはそんな心の余裕などなく、特に成績の芳しくない状況にあってはひと鞍ずつが勝負。日曜の各場メインレースは、いわば「脇役」に甘んじている乗り役に脚光が当たる結果となった。

まずは札幌開幕週を飾る大雪ハンデ。勝ったのは水口優也騎乗のブラッティーキッドだった。昨夏、惜しくも未勝利戦を勝ち上がれずに公営に転出。園田競馬で5連勝を遂げJRAに復帰すると、1勝クラスから3連勝でOP入りを果たした。
デビュー時から地方転出時を除き全レースでコンビを組んでいる。水口といえば2010年のデビューから12年でこれまで通算64勝と、はっきり言って結果は全く出ていない状況。騎乗馬といえばセカンドテーブルが思い浮かぶ程度で、あとは池江泰寿厩舎の調教を手伝っている関係でたまに実戦でも手綱を取ることがあるくらい。DMMの良血ダブルアンコールがあまりに難しい気性のせいで上位騎手を乗せられず、仕方なく主戦を務めているなんてことも。
名門厩舎の調教に乗っているくらいだからそれなりの信頼は集められているのだろうとは思うが、いかんせん数字として残らない部分があるだけに、ブラッティーキッドとの出会いは何としても大切にしたい。幸い馬主さんはセカンドテーブルも所有していた山上和良氏で、不思議と水口を重用してきた歴史がある。簡単に手が離れることはないと思うので、着実にチャンスを活かしてもらいたい。この勢いでエルムSに挑戦してみてはどうだろうとも思ったが中1週、これはさすがに厳しいか。

福島メインのジュライCでも、ここ数年1桁勝利数に甘んじている小崎綾也のニューモニュメントが勝利。2走前にアンタレスSでも3着に善戦していたように(知らんかったw)ずっと好調をキープしていたが、ようやく惜敗続きに終止符を打つことができた。
鞍上はデビュー年こそ38勝を挙げ順調なスタートを切るも、翌年以降はジワジワと成績が下降。同期の松若風馬ともども期待されていたのだが、確かケガに泣かされてきた記憶もある。一方で海外遠征に対しては意欲が高く、2019年にはニュージーランドに長期遠征も行った。そしてこの夏もまたアイルランドへ武者修行に向かうことが決まり、どうにか現状を打破しようという意気込みが感じられる。簡単なことではないが、アクションを起こすことが一番の解決策であり唯一の道でもある。

小倉の中京記念をベレヌスで勝った西村淳也も、勝ち星こそ伸ばしてはいるものの重賞はこれがまだ2勝目。存在感をアピールする上では大きな勝利となっただろう。積極的にハナを奪ってからペースを落とす絶妙の配分が効いた。この馬は2年前の福島でひめさゆり賞を勝った時が印象的で、当時も単勝12番人気の低評価をあざ笑うような逃げ切りだった。当時の鞍上も彼だった。いいコンビだ。

引き続きリーディング上位騎手の牙城は固いが、今はルメールさんも里帰り中でまだまだスキはあるはず。「脇役」たちがチャンスをつかむ夏を引き続き楽しみたい。

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