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旅 広島編

こんにちは!
こどもの居場所づくりを目指し、
ヒント探しに日本を旅している
SoraSiroのむぎのです。

久しぶりの投稿。今回は広島編です。

大阪→京都→滋賀→兵庫とまわり、
数日間の岡山観光のあと、広島に行ってきました!
見学を4箇所。
・いまここ (コミュニティスペース)
・カモミール (アフターケア)
・ブエンカミーノ (若者支援&フリースペース&フリースクール)
・木のねっこ (フリースクール)
それぞれ違う特徴の4箇所を周り思ったこと。今回はそんな話を。


いまここ

いまここは、業務スーパー エブリイの新しい事業展開として2年前に始まった、コミュニティスペース。
広島の東福山駅にある。
一階は会員制コミュニティスペース。
二階はフリーのシェアキッチン。

一階はキッズスペース、テーブル席、広いキッチンがあり、明るい木目調の綺麗なオシャレ空間。
キッチンは最新型のものを取り揃えているそう。
コワーキングスペースとしての利用はもちろんだが、料理する場としても利用出来る。
子連れで利用する方が多いらしく、利用者同士で楽しく会話しながら、料理の試作や、家用のご飯を作ったりしている姿があった。
子どもたちもみんなで見守れるので、心の余裕を持ちながら料理を楽しめる。
家で親子だけだと、そんな余裕はなかなか持てないだろう。子どもが小さければ小さいほど、目が離せない。
「母親」として毎日生きる人たちを、ちょっと解放してくれる、そんな役割の場所に感じた。

二階はシックな雰囲気のキッチン付きの部屋で、会員でなくてもレンタルして利用できるそう。
ママ友との会や誕生日会などパーティ会場的なものとしての利用だけでなく、
営業許可があるので、単発でのカフェ営業やお菓子販売なども出来る。
まだ営業目的での利用は少ないとの事だが、
道を挟んで隣にエブリイがあったり、キッチンの器具(しかも最新型のオシャレなやつ)はある程度揃っていて、活用の幅は結構広い気がした。

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カモミール

カモミールは、アフターケアを中心に活動している団体。
ちょっと一見難しそうな話をここで挟む。
アフターケアというのは、児童養護施設や、グループホームや、里親など、「社会的養護」と呼ばれる所を退所した人への支援。
児童福祉法の中で、「児童」は18歳未満と決められている。
小学生、中学生くらいの歳のうちに家庭に帰る子もいると思うが、ずっとそういう場所で生活し、自立していく場合が多い。
そこが難しくて、18になったらどうにかして自立しないといけないわけだが、今まで守ってくれていた児童福祉法というものから一気に外れてしまう。
今度は「若者支援」みたいな枠に入ってくるのだが、そこの層を支援している機関や団体や人は、なかなか少ないのが現実。
18といったら、高3くらいの歳。
その歳で、「自分で頑張って生きてください」と言われているようなものだ。
社会的養護の所で過ごしてきたくらいだから、実の親は気軽に相談できるような相手じゃないことが多い。
それまで暮らしてきた所も、実家のように、遊びに行ったり、話に行ったりはもちろん出来ると思うが、
職員たちも暇な訳じゃないので、いつでも相手ができる訳では無い。
身近な場所で、気軽に話が出来て、時には相談もできる、そんな場所が必要なのだ。
そこを担っているのがカモミールだ。

カモミールの、今回お邪魔した居場所支援の時間は、20代前後くらいの若者が来て、自由に過ごせる。
スタッフは3人くらいいて、友達と親の中間くらいの距離で、色々話が出来る。
ご飯を食べたり、喋ったり、ゲームをしたり、みんな好きに過ごしていた。
なんというか居心地が良くて、こういう場所、いいなあと思った。
社会的養護経験者じゃなくても、高校生、大学生になると、一気に居場所が減る感覚があった。
なにかに自分から属さなければ居場所はつかみ取れなくなる。
でも何かに属すると、何かをしなければいけなくなる。
カモミールは違った。来てもいいし、来なくてもいい。
来たとしても、何かしても、しなくてもいい。
若者と呼ばれるような層が、そうやってただ何となく過ごせる場所も、社会には必要なのだ。

SoraSiroでは、大学生までを対象にしたい。
(自分では無理だけど、誰かと協力して、ほんとはもっと上の世代の部門も作りたい)
対象をそうしたのは、カモミールに行って感じたことと同じ。
大人の助けの手がすこんと抜けてる層。意外と居場所のない、若者層。そこをどうにかしたいのだ。


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ブエンカミーノ

NPO法人 ブエンカミーノは、広島の安佐北という地域にある団体。
農業を通して若者の自立支援を行っている。
参加する若者が居ない時も、代表の吉川望さん始め、農業スタッフの方たちで、畑を管理している。
2年前から、素敵な古民家 ''岡崎ハウス'' で、0歳から100歳までの ''地域交流フリースペースOKAZAKI'' を開始。
''岡崎キッチン'' として飲食も出していて、ブエンカミーノの畑で取れた野菜なども使った美味しい定食を食べられる。
そして昨年から隣の建物で、 ''OKAZAキッズ'' として、フリースクールも開始。
それ以前から週1の活動としては行っていたそうだが、月水金の週3回のフリースクールとして、本格始動。
子どもたちの昼食も、岡崎キッチンの、フリースクール生特別ワンプレート定食が出る。

夏ということで、建物前には巨大ビニールプールが。
すぐ目の前に川も流れているので、プールと川と、子どもたちは水遊びに夢中だった。
室内にいると、遊びが見つからないと言ってだるそうな様子で過ごす子ども達だが、水の中にいるとびっくりするほど夢中になって遊ぶ。
水の力、凄すぎ。
ちっちゃいビニールプールもあり、水の中で相撲やプロレスも始まる。
小学校高学年くらいの男の子が多いこともあり、なかなか子どもたちと関係を作るきっかけが見つからずにいたが、
小6の男の子が「やろ!」と誘ってくれ、全力のプロレス開始。
全身ずぶ濡れ。
全力で倒し合い。
お互い「絶対負けたくない!」の一心で遊ぶ。
途中なにかのきっかけで、近くにあった泥団子をつかみ、泥パックの塗り合いが始まった。
そもそも全身びしょびしょ。
雨も降ってきちゃってずぶ濡れ。
さらに泥が追加され、もうぐっちゃぐちゃに。
そんなお互いの姿が面白すぎて大爆笑。
心で繋がった気がした。
「友達になろ」
と、これ以上無い嬉しい言葉を貰い、親友が1人出来た。
12歳と22歳。だけど、友達に歳なんか関係ないんだと思う。
関わるきっかけを作ってくれて、ただただ感謝している。本当にありがとう。

見学中は、自立支援の一環で使っているシェアハウスに泊まらせてもらった。
そこに一時滞在してる、同い年のコメは、ブエンカミーノの農業スタッフ。
車に乗せてもらい、農作業の部分も1週間一緒にやらせてもらった。
毎日6時には家を出る。朝のうちから作業して、9時頃には岡崎ハウスに戻る。
月水金は農業ボランティアのおばちゃん達が来てくれて、収穫した野菜の袋詰めが10時からスタート。
お昼頃終わり、岡崎キッチンのランチを。
食べ終わったら出荷作業。スーパーなど何ヶ所かに卸していて、袋詰めしたものを持っていく。
14時頃には全てが終わり岡崎ハウスに。
農業生活は、スタートがはやい分、終わりもはやい。早起きに慣れれば、結構得した気分になる。
こんな生活もいいな、と思った。
そして、シェアハウスという形もいいなと思った。
お互いに自分の生活ペースがあるから、あまり干渉しすぎずに過ごす。
だけど朝リビングで合流すると、「おはよう」って言って、夜寝室に戻る時は「おやすみ、また明日」と言い合う。
夕飯の時は色々話したりもした。
一人で生活する毎日に、ちょっとだけ暖かさをプラスした生活。
すごく居心地の良い毎日だった。
そして、SoraSiroとしてもそんな場所を作れたら凄くいいなと思った。

そんなんで、農作業が終わったら、
OKAZAキッズがある日は来てる子どもたち、無い日はブエンカミーノを運営している吉川さん夫婦んちの子どもたちとの遊びがスタート。
暑い日が続いたのでプール中心に、毎日たっぷり体を動かして、汗をかいて、生きてるなーって感じの生活を送った。
吉川さん夫婦は、旦那さんののぞみさんが農業中心、奥さんのチミョンさんが岡崎ハウス中心に活動を担っている。
今回行った期間は望さんが出張で居なく、チミョンさんが色々面倒を見てくれた。
農業やフリースクール後は、「休憩しんしゃい」と声をかけてくれ、岡崎ハウスで休みながら、チミョンさんとも色々話をした。

ブエンカミーノで1週間過ごし「〇〇しんしゃい/しんちゃい」という方言が好きになった。
チミョンさんをはじめ、ブエンカミーノに関わってる方たちがみんな優しくてあったかいせいもあるが、
その語尾がつくと、なんか可愛くて、優しい温かさがうまれる。
素直に「はーい!」と言いたくなる。
フリースペース、岡崎キッチン、フリースクールは、若いママたちが中心になって活動しているので、
ちょっと離れたお姉さんたちが沢山出来たみたいな、話がしやすい空間だった。
みんな優しいので、ついつい頼りたくなるような、そんな所。
また帰ってきたいと、そう思った。
そして、広島に行く人、暖かい人たちと出会いたい人、なんとなく今がしんどい人に、ブエンカミーノに行ってと伝えたい。


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木のねっこ

廿日市にあるフリースクール。
廿日市。ハツカイチと読むらしい。
住宅街の中、急に自然溢れる場所に着く。
その中にあるのが木のねっこ。
Googleマップ頼りに行ったのだが、あとちょっとというところで案内が終了。
行く前にホームページを見ていたので、自然でいっぱいの場所というのは知ってた。
なんか、あの、奥の自然が急にあるところでは、、?!
という感を頼りに進むと「木のねっこ」の看板が。
建物探しの次は、玄関探しが始まる。
うーんと、、この、、奥、、かな?
と進むと玄関らしきところが。
しかも開いてる。
勇気を振り絞り「こんにちわー!!!」と声をかけ入る。
そんなスタートで、4日間、過ごした。

木のねっこの面白いところは、毎日午前中(11時まで)はテーマがあること。
活動日は火〜金の週4回。
火曜は農、水曜はアート、木曜はDIY、金曜は食。
代表のはるみさんはDIY、理事長のみゆきさんはアート、農と食もそれぞれ担当の大人がいる。
私が行った週では、例えばアートの水曜は、油絵をしよっかなーという緩いテーマ。
油絵という枠は一応決めてるけど、何を書きなさいとかはなくて、大人も子どもも自由にアートを楽しむ。
今回はいなかったけど、油絵やりたくない!って子はほかのツールでアート活動をしてもいいそう。
金曜は、ごりおカフェというのをやっていて、普段木のねっこに関わりがない人でも来ていいカフェを開いている。
食担当の大人が入るので、はるみさん、みゆきさんはこの日はお客さん側で。(他の用事で居なかったりもするが。)
食担当の方とこどもたちが、料理、火起こし、提供、レジ、片付けなど担当し、食に触れながらカフェ営業を行う。

木のねっこでの時間は、暮らしに近い。
建物の前には、みんなで管理してる畑や田んぼがある。
お昼は火起こし担当と料理担当に分かれて、みんなでご飯を作る。
よそうお皿は自由。皿洗いは各自で。
〇〇やりなさいとか、そういうものは無いんだけど、はるみさんもみゆきさんも、自分たちの子育ての中で開いた場所だからこそ、
かーちゃん的な感じで、暮らしに近い形で子どもたちと関わったり声をかけるのが上手いのだ。
それがすごく自然な気がした。
国数理社英。
あんなに毎日学校行って授業を受けて詰め込んで勉強したけど、忘れてたり、今生活で使わないことが大半。
それよりも、暮らしていく力の方が、生きていく時に役立つ。
木の根っこで過ごしていたら、それが気付かないうちに学べる。
田舎過ぎない、まちなかで、自然に囲まれて暮らすように学べる。そんなフリースクールはなかなかないんじゃないかと思う。

そして何より、はるみさんもみゆきさんもすごく優しく、暖かく、強さを持つ人で、だから居心地が良い。
面白いのは、2人は、性格で言ったら真反対くらい違うこと。
はるみさんはパワフルで、どストレートで、スカッとしてる。油絵が好きだと言うが、「描いてる過程が好き。出来たものはべつに興味なくて、うんこみたいなもの!」と言うような、本当に面白い人だ笑
みゆきさんは、穏やかで、まったりのんびりしてる。当日の朝に「今日のアート、どうしようかな。あ、〇〇ちゃん油絵やりたいって言ってたな、そうしよ。ダンボールに書いてみたら面白いかもねえ。そうしてみよう」そんなゆったりした人。それが心地いい。
2人とも正反対なのに、だけど、その違いのバランスがいい。
お互いの強さをいかしながら、お互いの弱さを補いながら、そんなふうに毎日の活動を行っている。
そして2人とも、人としての暖かさを、これでもかと言うほど持っている。
4日間しか居なかったけど、それでも、帰る頃には家にいるくらい落ち着く空間になっていた。
木のねっこに出会えてよかった。


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母たちの強さ

広島で、色々な場所を見学し、母たちの強さを感じた。
子育ては毎日続く。当たり前かもだけど、シフト制じゃない。
本当に毎日が目まぐるしく回っていくんだろうと思う。
自分の自由な時間は夜の子どもたちが寝たあとのほんの少し。
よく倒れないなと尊敬してしまう。

子どもと関わっていて、親子の時間がもっと取れたら、この子の甘え足りなさは埋まるんだろうなとか、
そんなふうに思うことは多々ある。
だけど、子育てをする母たちを見ていて、そんな丁寧に毎日暮らせるものじゃないと分かった。
きっと母たちも、子どもと丁寧に関わり過ごしたい気持ちはやまやまなのだろう。
でもいつもそうしていたら暮らしが回らない。
そんなことを感じて、「家族の時間を」とか「親子の1対1の関わりを」とか、簡単には言えなくなった。
核家族で、助け合って暮らす文化が減った現代。きっと母という役目が担う仕事は増えている。
だから、時間的に、心の余裕的に、家庭で担うのが難しいところは、こどもたちが家の外で関わる大人たちが担ってもいいんじゃないかと思った。
子どもが家で甘えられないなら、他の場所で大人に甘えればいい。
「家族が一番」とか、そういう概念に囚われないで、できる人が、できる場所が、できる部分を担って、
そんな形で、こどもたちが社会の中で毎日を暮らして生きていけたら、それでいいんじゃないかと、そう思った。


最後まで読んで下さりありがとうございました。
次回は佐賀編。ぜひまた気が向いた時に読みに来てくださいね!

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