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【3-17】得意な事と好きな事が同じとは限らない(~838日目)

喜んでもらえるものを作ること

はちみつがどんな風に作られているのかなんて、養蜂を始める前は全く知らなかった。
養蜂を始めて3年目。
中学や高校の最高学年のような顔をして、ミツバチを知らない人にあれこれ語ったりしたとしていても、この世界ではまだまだひよっこ。
なので「はちみつは、年に何回搾っているのですか?」という質問をされても、驚きはしないし疑問に思うのは当然。

蓋を切って、はちみつをミツバチにお返しする

一年かけてミツバチを育てて、はちみつを搾るのは春から夏にかけての数日のみ。
搾ったはちみつを瓶に詰めてラベルを貼って。
はちみつは長期保存できるものだけど、できたものはスグに見てほしい子どもなので、注文を頂いたら喜び勇んで発送する。

そんなこんなで、髪振り乱し月間だった6月ももう終わり。

はちみつを食べてくださった人から、リピートで注文をいただいて、人にあげたくなるって言ってもらえた。
人から人へ。気に入ってもらえて伝わっていくのは、とても嬉しい。
自信を持って届けられるものを、作り続けていきたいと思うし、そういうことを私はやりたかったんだ。

 宣伝することについて余談…

SNSをやっていない友人や知人にもお知らせしたいけど、
「はちみつ、いりませんか~」って聞かれたら「いらないよ~」って言いにくいだろうと思う。
実際に食べて気に入ってもらえたり、ブログやSNSを見て面白そうだと思ってくれる人がいたら、すごく嬉しい。
すごく嬉しいって言葉じゃ言い表せないくらい嬉しい。
「断りにくいから」仕方なく買ってもらうのだけは避けたい。

私自身は「断る」のが苦手で、考えるとめちゃくちゃ気が重くなる。
誘ってくれた人そのものを断っているわけではなくて、単純に必要なかったり、その会にだけ興味がなかったりするのを、上手に伝えられない。
なので、その辺の言質が取れている人から誘われるのは、断りやすいので嬉しい。
だけど、そうでない場合にお誘いを受けて、その誘いに応えられない場合はとても神経を使う。自分がお相手を誘うときも同様。

はちみつ好きで探し求めている人、それほど興味はなかったけど食べてびっくりして好きになってくれる人。
私のことを知らないだけで、知ったら喜んでくれる人は、まだまだたくさんいてくれると思うんだけど、そういう人にどうやって宣伝していったらいいのだろうか…。
リアルでもネットでも、お店を開いて来てくれる人を待ってるのは、宣伝が届いた人たちなのよね…。
ううむ…。

コソ〜っと

特別な才能

小鹿野町に移住してから、欠かさず毎週ブログを更新している。
自分のために日常を俯瞰して見たかったというのもあるし、顔が見える生産者でいたいという思いもある。

子どもの頃から本を読むのが好きだった。
物語に夢中になることもあったけど、どちらかというとエッセイや随筆のように、書き手のリアルな感じが伝わってくるものを好んで読んでいた。

さくらももこさんの『もものかんづめ』から始まったエッセイ三部作は、ともすれば、悲劇のヒロインを気取ってしまいがちだった多感な時期に、全てを笑い飛ばす強さにどれほど憧れたことか。

わたしもそんな文章が書けるようになりたいなどと、夢見たこともあった。
当時はSNSなんてものもなく、人に読んでもらう文章と言えば、学校の作文か読書感想文か、授業中にコッソリ回す手紙か。
こんな風に自分の文章を誰かが読んでくれるかもしれない未来が来るなんて思ってもみなかった。
ところが、自由に書きたいことを書ける世の中になってみて、つくづく思い知らされる。そう…。
私は凡才~!(私は最強~♪の音程)

以前にも岸田奈美さんのブログを紹介したことがある。

こんな風に書けたらなぁ…って。
私の文章は、元来の頭の硬さと自意識過剰さに満ち溢れているからな…。

それでも、日常を面白がり続けるために、顔が見える生産者でいるために、駄文をしたためていこう。
基礎連と同じで、コツコツ同じことを続けていくと、いつか花開くこともあるかもしれないしな。

元々は人の手で育てられたものだったりするけれど

山の恵み。
本当はどの土地にも地主さんがいらっしゃって、木の実ができているからって、勝手に採っちゃダメよ…。

くるみ

ちゃんと地主さんの許可を頂いて、収穫させてもらう木の実たち。
梨は大きく育てるためには、きちんと手入れをしなくてはいけないので、小さな実が熟すのを楽しみにしているけれど、いつも猿たちに先を越されて、一度も口にできたことはない。
残念だけど、ここでは私の方が新参者。

山に生えている植物は、鳥や獣が種を運んで生えてきた種から育ったものもたくさんある。
元々ここに生えていたものではなくて、人の手によって植えられた木を見ていると、そこで人が暮らしていた様子がふっと見える瞬間がある。
どんどん人が減ってしまって、使われなくなってしまった畑や、人の手が入らなくなってしまった山がたくさんある。
ここに住む前は「もったいない」というのを、地域の資源に対する褒め言葉として使ってしまっていたけれど、実際はもったいない事なんてわかっていて、だけど資金も人でも圧倒的に足りなくて、仕方なく今の状況になっていることがわかる。
私にできることは何だろう…。

ミツバチはセンシティブなのか…

新女王が産まれて、産卵を始める群れも徐々に増えてきた。
空梅雨で、雨が少ないと畑もぱさぱさになるので、良い事ばかりではないけれど、雨だとミツバチの内検ができずに、天気予報とにらめっこすることになるので、雨が降らないでいてくれるとゆっくり内検できるのは助かる。

蜜蓋を切ると集まってくるミツバチ達

雄蜂は、基本働かず交尾するのみ。
夏を迎えて交尾の時期が過ぎれば、雄蜂は産まれなくなり、今いる雄蜂も巣から追い出されるようになる。
秋を過ぎれば、雄は群れからいなくなる。

ミツバチの大敵、ダニの対策として、雄蜂トラップという方法がある。
ダニは雄蜂の巣房の方に優先的に産卵する習性を生かして、雄蜂の巣房を切っていく。
ダニから群れを救うために雄蜂が羽化する前に、サヨナラするのだ。
勿論、すべての雄をサヨナラしてしまっては、交尾する雄がいなくなってしまうので困るけれど、トラップ以外の場所からも雄蜂は産まれるので、それほど心配することでもない。

かなり残酷な事をしているのは間違いないので、この作業はとても胸が痛むけれど、群れを守るためだと自分に言い聞かせながら、雄を切っていく。
雄が羽化する直前を狙って作業をするのだが、雨が続いたり、うっかりしたりして、まとめて雄が産まれてしまう事がある。

一回りデカいのがオス

巣枠を持ち上げた瞬間、大量の雄がひしめき合っていて、思わず「ヒーッ!」と叫ぶ。
雄蜂は針を持たないので、人を刺すことはない。
あら、かわいらしいなどと、手乗りにして遊んだりしていたのに…。

最悪だ。
今まで、女子たちがワイワイ楽し気にやっているところに、申し訳程度にちょろちょろ歩き回っていたのに。
働かない男子が、女子が集めてきた餌を我が物顔で食いまくる。
何より、羽音がでかい。
オスオスオスオスオス、ブンブカブンブカってな具合。

本来自然の中で自分たちの都合のいいように生き抜いているはずのミツバチだけど、家畜として野生化できないミツバチを飼育している以上、人間が手を加えていく必要がある。
きちんと観察するのは大事だけど、過干渉はよくない。
難しいけど実に面白い。

女王蜂の背中人印をつけるための道具

センシティブ問題は、インスタやTwitterで写真付きで紹介するとき、虫の集合体はセンシティブな画像になる可能性がある。
いくら私にとって可愛くても、他の誰かにとっては気持ちの悪い画像と認識されてしまうのは、十分承知している。

なので、ここだけでこっそり公開…。することを許して…。

私の顔はセンシティブ

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