【6】4/18〜4/22 春は出会いと別れの季節
4/18(36日目)痛恨の一撃、メガンテくらう
午後からお天気が崩れると言う予報で、空を見上げると頭の上まで雨が来ている。天気がイマイチの時は、ミツバチ達もあまりご機嫌がよろしくなく、なんとなく攻撃的な感じがする。
なんだかなぁと思いながら、あたふたしてる間に、ポツポツ降り出してきた。
自分でも作業が雑になってきているのを自覚した矢先、太ももにプスリと初めて痛恨の一撃を食らった。今まで自覚できるような刺され方をした事が無かったので、「プッスー」と針が入っていく感覚。
ミツバチは、針を刺すとお尻の筋肉ごと取れて死んでしまう。命と引き換えに攻撃してくるんだから、まさにメガンテなのだ。
それは想像以上に痛かった。
そこまで怒らせてしまってごめん…。
心はもっと痛かった。
4/19(37日目)腰がセニョッた
気温が上がってくるのと同時に、畑の作物も芽を出して、少しずつ育ってきた。
寒い時期に自宅で苗を育てようとして、徒長してしまった徒長ブラザーズの筆頭、スティックセニョール。
協力隊の頼れる先輩からの助言を参考にして、なんとかここまで育ったので、ポットから土に植え替え。広い世界には、鳥や虫、沢山の天敵もいるけど、なんとか大きく育ってほしい。
土にへばりついての植え替え作業で、スクワットと前屈みで太ももと腰がセニョッてる。
4/20(38日目)梨の木の下に移動
今借りている土地とは別に、一昨年まで梨園とりんご園を営んでいた場所に巣箱を置かせていただけることになった。
地主さんにご挨拶に伺うと、果物の育て方とか苦労された話をしてくださった。
20年以上前から丹精込めて育ててきた果樹園も継ぐ人もいないので、一昨年から手を入れていないそう。
綺麗にしてあって、どれだけ苦労されたのかと思うと、心から勿体無いと思うのだけど、農業だけで生計を立てる事が難しいから、若い人でやれる人も居なくなってしまう。
土地の仕事で食べていかれる仕組みや場所があれば、もっと若い働き手も出てくるだろうけど、それが簡単ではないから、協力隊のような制度が生まれたわけで。
ただ、協力隊が一時的に作業を担っても、先行き続けていけるだけの道筋を立てていくのは容易ではなく、それが簡単にできるくらいなら、協力隊という制度が無くても地元の若者が外に出て行く事もないだろうしな…。などと、色々と考えさせられた。
さておき、巣箱の移動は初めて。
夕方までミツバチ達が戻ってくるのを待って、巣門を閉じていよいよ移動する。一箱なので、自分の車に積み込んで、プチ引っ越しのような感じ。
梨の木の下に設置して巣門を開けると、ヤイヤイとミツバチ達が出てくる。気に入ってくれると嬉しいのだけど。
4/21(31日目)トム・ソーヤのペンキ塗り
ボロボロのベンチをもらったので、早速ペンキ塗りをする事にした。こういう作業はあまり得意ではないんだけど、塗りながらトム・ソーヤのペンキ塗りの話を思い出した。柵のペンキ塗りを頼まれたトム・ソーヤが、面倒くさくなったけど、わざと凄い楽しそうに作業してそれを見ていた友人がやらせてくれ!って言って集まってきて、みんなに順番にやらせて自分は作業しないで完成したって話。
楽しくない作業を楽しそうにやると、周りの人もやってみたくなって、嫌なことじゃなくて、楽しいことに変わっていく感じが気に入っている。他の誰かにやらせるということはないけど、自分自身の中で一人トム・ソーヤというか、楽しんでやってれば楽しくなるよね、って思っている。
ペンキ塗りの出来栄えは…プールサイド感あるな…
ここで、休憩したりお茶したりできたらいいな。
4/22(32日目)女王死す
朝から気温が急上昇。兎にも角にも梨園の巣箱を確認して元気に飛び回っているのを見て、ご満悦で帰ってくると、先輩養蜂家さんが「おう!元気かー!」と様子を見に来てくれた。
「おい、女王死んでるぞ…」
「またまた、キツイ冗談…を…!!」
冗談では無かった。
女王が巣門の前に出ている。なんとか生きてはいるけど瀕死の状態。頭が真っ白になる。
慌てて師匠に連絡すると、師匠もビックリしながら、すぐに来てくれた。とにかく対処しようということで、近くのレジェンド養蜂家さんに掛け合って、別の女王を連れてきてくれた。
起こった出来事に対して、最善の対策をする。ただひたすらそれを繰り返していくしかないし、助けてくれる人達がいるうちに、トラブルを経験した方がいいんだろうけど、すぐに冷静に対処できるようになるには、まだまだ経験が足りないな。振り返れば異変に気が付きながらも、異変だと認識できていなかった事が悔やまれる。
私の生活は、この小さくて大きな命にかかっているんだから。心してお世話しよう。
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