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タイニー・ターニーズがやって来た! #エッセイ

タイニー・ターニーズとは、ミュージシャンではありません。
念のため、Googleで検索してみましたが、ヒットしませんでした。
タイニー・ターニーズ(Tiny Taneys)は、メダカ水槽の新たな住人、タニシたちのことです。
2匹いるので、複数形の”s”をつけています。
(このスペルの発音は、本当はトーニーが適切ですが、まぁ置いといて。)

このターニーズことタニシたち、ご存知、昔から日本にいる貝の一種ですが、本当、仕事人なんです。感動します。

彼らをお迎えした経緯から話します。
現在、水槽にメダカと水草がいます。
以前書いた通り、水槽では、なんとなしに疑似的な生態系づくりを目指しているのですが、この2種の生き物だけでは、限界がある。

それは、なによりも水替えや掃除の必要があるということ。
食べ残しのエサやフン、落ちた水草などなど、水槽には汚れる原因がたくさんあります。長い目でみれば、バクテリアがすべて分解して浄化してくれるのでしょうが、小さな水槽の中では、浄化よりも汚染の方が、よほど早く進みます。

さらに、光と水、栄養分があるという環境なので、予期せぬ住人も増えます
人間にとってうれしくない、水槽のガラス面を曇らせるコケ*はその代表です。さらに、このコケは、生長の遅い水草に着いて、成長を邪魔したりもします。
(*正確には藻類だったりしますが、一般にコケと呼ばれているようです。コケについては熱い思いを持っているので、また別の機会に・・・)

そこで、ターニーズの出番。彼らは、プロの掃除人なのです!
論より証拠。こちらの写真をどうぞ。ビフォーアフター!

写真の縮尺や角度が微妙に違っていて申し訳ないのですが、陶器の茶ゴケがきれいになったことが、伝わるでしょうか。
1枚目は、"Before"というより、"Undergoing"の方が適切ですね。ターニーが通った後のみ、茶ゴケがなくなっています。

じっとしているようで、黙々とお食事を続けながら移動し、気がついたときには忍者のようにすばやく、次の掃除場所に移っています。
「風林火山」とは、彼らのことであったのか・・・・

さらに、ターニーズには、目に見えるコケを取る以外にも“水質を浄化する”能力があります。

どういうことかというと、「食べる手段」を複数持っているのです。
手段その1はコケを食べるという方法。その2として、水中の栄養物をエラで濾して食べるという「ろ過摂食」の能力がある。
飼育環境下だと、だいたいは、水槽はエサの与えすぎなどで栄養過多の状態にあって、それで水が濁ってしまうんだとか。でも、ターニーズは水中の栄養も吸収するから、濁りが解消できる、と。さらに、メダカのエサの食べ残しや、枯れた水草なんかも食べてくれるんだとか。

えり好みせず、仕事をやり遂げるターニーズ・・・す、すごい。
(とはいえ限界はあるので、人の手による水替えや掃除も必要です。念のため。)

ちなみに、貝の中身の見た目は、カタツムリに少し似ています。広い意味で、仲間の生き物ですし。
わたしが都市部育ちで、もともとあまり馴染みがないせいかもしれませんが、地味ながら比較的、可愛く感じます。
カバー画像では、メダカが「未知との遭遇」みたいな顔でターニーを見ていますが、互いにあまり干渉しあわない感じで、仲良くやっているようです。

水槽内でのターニーズの超人的な活躍を書いてきたのですが、彼らは、当然自然界でも同じことをしているわけですよね。

どぶ川など、他の生き物には過酷な環境も、彼らは生存可能。彼らによって水質が浄化され、様々な生き物が住めるようになる。
本当、仕事人だなぁと思います。その存在によって、確かに自然(生態系)を守り、維持している。
もちろん、ヒトの目には見えない、バクテリアなど、もっと小さな生き物も、有機物を分解する点でよく似た役割をしているんだと思います。ターニーの活躍を見ていると、そのことにも思い至る。
Tiny(小さい)ながら、本当、やるよなぁ。

生き物は、知れば知るほど、よくできている。「万物の創造主」がいるのかも、と思わせるほどに。そう思いながら、日々水槽を観察しています。

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