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黎明に。そして

涙が伝って目が覚めた。
時計は午前3時過ぎを指している。明日、いや今日も仕事だ。出勤までまだ時間はある、ともう一度眠ろうとするも寝付けない。
それもそうだ、さっきまで見ていた夢はあなたの夢だもの。あなたの優しさを忘れずにいる私はそれに縋るように日々を送っているのだ。情けないものだ。
別れて半年。それでもあなたの優しい声は今でも耳に染み付いてる。
あなたの声がまた私に話しかける。もう聞くことのないその声は私に都合のいいことしか言わない。自分でもイヤなやつだ、と思う。
眠さはどこへやらと消えるも、今寝ないと夜まで持たないことはわかっている。寝たいのに寝れない、よくあるやつだ。でも最悪なことに過去の人によってそれが為されてる。自分の意気地のなさが原因なことを棚に上げて、あなたのせいにしてみる。あなたがあの日、優しくしたからだよ、と。
耳の奥で鳴っているあなたの声をかき消して塞いでくれるのは私の鼓動だった。
今でも想っている、忘れられるわけがない。
あなたは私の光だったのだから。

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