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トラとミケ やさしい日々 4

表紙の絵を見て『ねことじいちゃん』と同じ作者さんだと気付いて、読んでみた。
やわらかい鉛筆タッチの線と水彩のような色塗りの絵が可愛い。癒される。

登場人物がみんな猫なのに中村とか神谷とか人間っぽい名前なのが、時々違和感があって面白い。

図書館で借りられたのが4巻だけだったため前後の流れがわからないが、この巻は大切な友人の死と夫婦の離婚という重めの内容で、読んでいて涙が滲んでくる場面もあった。
ありふれたストーリーではあるけども、大切な人を想い悼むことの胸の痛みや、夫婦お互いの関係が上手くいかず離れることの難しさを改めて感じた。
日常の風景が丁寧に優しく綴られた物語だった。

中村くんの最期までを読んで、自分にもいつかこんな経験をする時がくるのかとも思ったし、中村くんの立場になった時自分はどうするんだろうと考えた。自分は誰かに想われて最期を迎えられるだろうか...。

今巻はトラちゃんとミケちゃんの話があまりなかったので他の巻も読んでみたいし、港町の田舎暮らしを描いた『ねことじいちゃん』もまた読みたい。
それと、作品を共通して作者さんの猫愛が溢れているのが素敵だなと思った。

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