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K-POP文化圏

2010年頃からこの10年の間、K-POPは商業的に急拡大し、世界的にポップスとして消費されるようになった。

日本では2010年頃といえば、すでに文化的に様々な流派を擁する巨大文化圏を構成していた。
歌謡曲、ニューミュージック、シティポップ、渋谷系、ビジュアル系、小室哲哉、小林武史、織田哲郎などの巨大ヒットメーカー、宇多田ヒカル、浜崎あゆみ、aikoらシンガーソングライター、モーニング娘。やジャニーズ、EXILE、48グループ、ももクロ、perfumeなどのパフォーマンスグループ、アニソン、ボカロなど広がりを見せきっていた。
CDが最も売れた日から10年以上も経過していた。


K-POPはフォーマットがあると思っている。
明るい髪色、華美なメイクなど感覚的に処理できる「ビジュアル」をぶつけてくる。
PVや音楽番組のカメラワークも細かく切り取られ飽きさせない。
楽曲は電子音をベースに構成されていて、メンバーはもれなく全員ダンスが上手い。
そして別のグループのメンバーが紛れ込んでいてもほぼ分からない。

実際にK-POPはお互いのグループ同士がかなり似ている。
PVだけでも
■ガソリンスタンド前でのダンスシーン(EXOやred velvet)
■テニスコートでのダンスシーン(BLACK PINKやSEVENTEEN)
■スーパーマーケットのカートに乗った状態での歌唱シーン
とPVに限らずとも、どのグループもこの「あるある」の上で成り立っていた。
https://www.youtube.com/watch?v=2MilsbNJ80Q


一方48グループにもフォーマットがあると思っている。
48グループっぽさというのを象徴するのが
制服をベースに作られた衣装。
ギターサウンドの爽やかな楽曲。
秋元康の歌詞の世界観。
10人以上の大所帯でのパフォーマンス。
そして別のグループのメンバーが紛れ込んでいてもほぼ分からない。

48グループ(支店も含む)あるあるといえば
■衣装(制服調、チェック柄など)
■髪型(前髪の分け目すらメンバー同士似ている)
■歌詞(SKEのアイシテラブルとNMBの僕はいないに貸しボートという歌詞があるのだが、グループ内で2楽曲も「貸しボート」というマニアックな歌詞が入っているし、自転車や坂道という歌詞も多い)
■楽曲構成(MIXが打ちやすい小節)
■ポジショニング(メンバーのビジュアルやダンススキルではなく、どこで歌って踊っているが重要で、これは福神制度のある坂道グループも)
どのグループもこの「っぽさ」の上で成り立っている。


K-POPは商業的な成功を目指したポップスだと思っている。
ゆえに一つ一つの要素に文脈はなく、わかりやすく「かっこいい」「綺麗」「おしゃれ」と認知させるためのデータベースで構成されているように感じる。


AKBは商業的な成功を目指してスタートした企画だとは思うが、どこからやってきたのか文脈がなんとなくわかる要素も感じられる。
AKBは秋葉原の劇場公演からスタートしたということもあり、オタク文化的な文脈を感じる。オタクというのがお茶の間にあらわになったのが電車男だと個人的に思っているのだが、電車男のドラマが放映されていたのも、AKBの最初の劇場公演「Partyが始まるよ」がスタートしたのも2005年だ。
「Partyが始まるよ」時代のファンはこの秋葉原のオタク文化的系譜の上でAKBを消費していたのではないかと思っている。


文脈のないデータベースの集合体だと簡単に真似される。
しかし独自の文脈の上で、「らしさ」を構築していったグループは真似されない。
これからどんなK-POPの新人グループがデビューするのだろうと楽しみにしているが、みんな綺麗だろうし、みんなダンス上手いだろうし、どうせキャッチーな楽曲なんだろうと想像がつく。
もうわかったから、大胆に裏切ってほしい。










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