頑張れ!沙奈ちゃん!~「有閑みわさん」(たかの宗美著/竹書房刊)

主人公の魅力以上に、脇のチカラ。出てこないと評価に影響、「イマイチ」となっえしまう登場人物。アチラ流で言えば、キャラクターがある。殊に漫画。特に4コマ漫画で作者の力量が問われる点だ。

森沙奈(もりさな)。名前が綺麗だ。が、一方的にみわさんを天敵とし(?)「音無さん」。みわさんの夫である広司くんを奪おうと作戦を立てては、あと一歩のところでダメになる。「有閑みわさん」(たかの宗美作)に出て来るキャラクターだ。「妻」と書いて読ませ方は「ブス!」彼女の台詞内で、みわさんは統一されている。天敵が故だろう。

或る時は「フォーリンLove」、或る時は「プリプリ」、或る時は「みずみずしーい女子高生」自己紹介も目まぐるしい。同世代を飛び越えて、おじさんにひた走る感覚は、まるで森昌子の「せんせい」。が、やはり妻の座は強い。何せ生活を共にしている。気配を察するのにも長けていれば、先手、先手と打つだってお手のもの。防御は常に完璧だ。結果いつもやられてばかりである。にも拘わらず、めげない沙奈ちゃん。元気な沙奈ちゃん。チャレンジしまくる彼女の姿は可愛らしい。健気だ。応援したくなる。

「負けませんわッ!」のイツ子さん。「おじさんよりも、同世代。俺を見ろよ、気づけよ、俺の言動を」言わんばかりに、沙奈ちゃんちょっかいを出しながらも、好きをアピールする並川くん。

主人公・みわさん以上に脇役。彼女を彩るキャラクター達の面白さ、愉快さ、お間抜けさが、たかのの巧さだと思う。他のキャラクター達も勿論、好きだけども、読む度「頑張れ、沙奈ちゃん!」小声で応援したくなってくる。








#読書の秋2022

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