先駆者(?)亡母
その内、男女差はなくなるかもしれない。
殊(こと)、幼稚園にもいっていないような年齢。2、3歳ぐらいまで。
乳児~それぐらいまでの年齢の商品コーナー、服飾(洋服&時には和服)業界の流れ。
シン・常識(?)だ。
子供の頃、適当に時間が空くと亡母は、わたしたち姉妹を良く、デパートに連れていってくれた。土曜日が多かった気がする。
群馬の社宅にいた時分には、商店街をずっと抜け、信号を渡って直ぐのデパート。名前が思い出せない。大きい建物であった。
千葉の稲毛にいた時には、団地から近い「扇屋」(表記に自信なし)とか、自動車でゆく「西友」。ここは角っこ。信号機のそばにあったな。
ゆく度に、洋服。
新しい洋服の何枚かを各々、買って貰うのだが、「う~ん」。
時に亡母は、言っては悩んだ。
年齢を対象とした女児コーナーから、商品を選び、試着室で我々にあてがうのだが、「ちょっと待ってね」。
暫くしてから「どう?こっちの方が良くない?さっきのよりずっと」
同じ類いの違う商品を、目の前に出し、問いてくる。
「うん」
シャツとか、ズボン。上に羽織るような類いが多かった。
暫くの合い間、亡母は一体何をしていたのか?
幼なかった我々には、思う術すらまるでない。
が、亡母は、自ら告白した。男児コーナーを廻っていたのだ。
亡母と妹とわたしの3人でお茶を飲んでいたら、
「昔は女の子の服ってダサいのが多かったのよ。だから、男の子のSサイズなら、女の子でもいいかと」
先の行動に出ていたという。
「男の子のSサイズなら、女の子でもいい」
確実にあった、亡母のアタマの1つだ。
亡母も、ユニクロ等で自分のものを買う時の傾向であったし、孫。
「青が似合うんじゃない?けど、女の子で青ってないでしょ?男の子コーナーにゆくと、いっぱいあるわよ」
新米ママの妹に、助言をしていたりした。
どういう訳から、そのような思いに至ったのかは謎。
先駆者だったかも言えるだろう。
<了>
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