「ボク」と称した「わたし」

生理学的に、ヒトは3歳位にならないと、自分が男か女か分からないらしい。
姪が、2歳から2歳半位の時だったと思う。
「ボク」「ボク」しきりに自称した。「ボクちゃん」も、少なくなかった。
「ボクもやる」「ボクもやりたい」
余りに言うので、大丈夫かいなと、半ば、本気でわたしは思ったていた。
困ったのが、スーパーにて。
「ボクも」
「ボク、これ買いたい」
どっから見ても女の子。しかもかなりの目鼻立ち。
お目々クリクリ。リンゴのようなつやつやホッペの子が言うので、レジを待ってる時だったかな、どっかのおばさんが目を丸くして驚いていた。

で、その後「ボク」ちゃんはどうなったか?
ちゃんと「わたし」。いつやら言えるようになっていた。
「あたし」「○○(名前)」バリエーションにも富んでいる。
当時の名言=「ピンクとハートと苺には、女の子の夢が一杯、詰まってる」
「女の子の夢?」
そんな年齢、とうに過ぎてしまった昭和生まれは、教えを乞おうと素直に聞く。
と、「だから、女の子の夢といったら、女の子の夢なの!分かった?」
分かりません。

「これ位の時に」
これこれの言葉を使えないと、使わないと、これこれになるなんて迷信だ。
                             <了>

#創作大賞2023

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?