う~ん、評価は半分ぐらい~「おまけの柴子」(室山まゆみ著/小学館刊)

100巻で一応の修了を得た「あさりちゃん」。
「~ちゃん」内でも時々話題としていた、ペットショップを経営する身内からの話を、ヒントにしたものである。
初期では「あさり」。主人公・あさりちゃんにそっくりな犬、その名も「あさり」。中期では、姉のタタミちゃんがイケメン同級生から貰って来た、何だか犬「うにょ」が、「~ちゃん」ではお馴染だ。
で以て「柴子」。
ペットショップでずっと売れない雌の柴犬である。「柴子姉さん」。
「姉さん」というより「婆さん」といった風貌なのだが、周りの犬から呼ばれている。ひょんな事から、可愛い黒柴の犬と一緒に、特別価格。超大安売りで売られてしまう所から話が始まって来る。
「犬好きだった亭主の三回忌に」が、新しく飼い主となった早乙女雛子(さおとめひなこ)さんとの生活記録なのであるけど、う~ん。い、しかし。全体的にイマイチ強。良かったんだか、悪かったんだか。弾みで買ってしまって半分ぐらいは実は、後悔している一冊だ。

ネットの評判は、とてもいい。「(室山まゆみは)天才か?」なんて評まである。
けどネット。ひょっとしたら裏バイト。「この本を読んで、何文字以内で出来るだけ持ち上げて下さい」なんて類いかも知れないではあるまいか。
正直に、個人的感想を書こう。何が不満か?面白くないのか?柴子の犬格(?)設定だ。
達観しすぎる。いい犬過ぎる。動物の本能を或いは作者は頭に置いた上で描いたのかも知れないが、「ぶさいく=性格がいい」「年寄り=人生を達観。何事においても要領を得ている、踏まえている、若者達の参考になる」なんて厚みがない。
人間だって同じような事がいわれているけど、歳を取ってもガキみたいのもいれば、若いくせに、年寄りじみてるのだっているではないか。柴子にも、そういうモノが欲しかった。
けど、雛子さんのお友達の事情は、非常にいい。人間の表と裏、嘘と本当をしっかりと見据えた作品だ。


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