何ともフクザツ?

例えば、まるちゃんのお父さんボイス、屋良有作さん。「ちびまる子ちゃん」(毎週日曜午後6時~ フジテレビ系)で、父・ヒロシの声を担当されている屋良さんは、「報道特集」(毎週日曜午後5時半~ TBS系)のナレーターとしても知られている。
今や「報道~」は土曜日放映の番組だが、かつては日曜日。午後6時からの放映であった。
モロに「まるちゃん」。レギュラー番組とぶつかる。裏番組。視聴率を競う、ライバル番組。分野こそ違うが、同じ時間帯に放映される、ライバル番組に出演されていたのだ。

「良かった、良かった。安心した」
「やっとゆっくり眠れる」
土曜日枠に移行を知った時の、屋良さんの声が聞こえて来る。
「まるちゃん」も視聴率が欲しい。「報道~」も視聴率が欲しい。
録画視聴。どちらかを録(と)っといて、後で見るのも構わないが、出来れば放映時間に見て欲しい。共にメインとして声で出演している身として、相当なものがあったのではあるまいか?
「報道~」が土曜となって久しいが、もはや伝説(?)になっているかも知れない。

そのアニメ版がある。
「ど根性ガエル」(日本テレビ系)と「おんぶおばけ」(TBS系)わたしの大好きな番組だ。電子版辞書に詳しいが、対照的な番組であり、裏番組。
ツイッターやYouTube上で、「おんぶ~」をチョクチョク閲覧している。
共に昭和47年が本放送。「ドタバタ(ど根性~)」と「民話調(おんぶ~)」として新聞のコラム欄に度々、取り上げられている。ネットで画像検索を掛けると、結構出て来る。共に人気番組であったようだ。

屋良さんのように一人ではなく、二人。
「ド根性~」では、先生(町田先生)と生徒(京子ちゃん)。「~おばけ」では、保護者(おじー)と主人公(おんぶー)で登場している声の出演者達がいた。故・永井一郎さんと、栗葉子さんだ。
昭和48年に声優の社会的地位の向上を巡って最初の運動が起こる。永井さんはそちらの運動の代表者として参加されているので、準備期間的な時期だったのかも知れない。
「ど根性も人気だし」
「おんぶおばけも、いい物語だし」
「どちらが上かなぁ?今週は」
「気になるよね、出演しして」
アテレコ休憩時間中、他の出演者達と雑談を交わしながら、
(はぁ~っ)
心の中で、何回も溜め息。何ともフクザツな気持に、お二人ともなられたであろう。ビデオ・デッキが一般家庭になど、10年も先。
カラーテレビと黒電話が、どうやら一般家庭に普及した頃だ。
                              <了>











#創作大賞2023

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