驚いた話

驚いた話がある。
亡漫画家さんの話。週刊誌は何かで仕入れた。記事としてではなく、言葉。最初と終わりに、鍵かっこ。チャンと鍵かっこがついている。
「ウチには本棚がない。本の全ては、資料も含めて借りている。
引っ越す際の基準は、当然、図書館からの距離。大抵は市役所と連動しているので、市役所の近くにと結論が出る。何かと便利だ」

(本棚がない!?)
世の中にいるのか、そんな人が、正直、思った。次に奥さんはどうなんだろう、良く承知したわねぇ、等々である。独身だったのかも知れないが。

凄い価値観である。とてもじゃないけど、耐えられない。
わたしの知らない価値観が、言葉となって視界に入る。
「だって借りれば済むものだから。イザと言う時、倒れて来たりして危険」
読んで増々、仰天した。
確かにそうだが、欲さないのか?所有。欲しいと思わないのだろうか?

世の中の動き、羽梁に対して鈍。非情に鈍い。
そんなわたしであるけども、欲するモノ、特に本に対しては物欲の塊。
欲しいと思えば、まず手に入れるし、新聞等の新刊広告で気になれば、
まずひっちぎって財布に入れる。

こういう楽しみが、この漫画家さんにはないのだろうか?
購入した本の2、3割は、確かに捨ててもいいような代物だが、後は
確実にわたhしの宝だ。所有するだけの価値がある。

大分前の話なので、今、漫画家さんがどうなっているのか知らないけれど、
担当編集者はちょっと大変なような気がして来る。

因みに我が家には、それなりに立派な本棚が2竿、お手軽(?)本棚が1竿
デンと構えている。スチール製のもあったけど、父か他界したので処分。
更に言うと、わたしが初めて貰ったボーナスで購入したのが、本棚だ。
「ケッ!しゃらくせぇ!場所の無駄じゃん、場所の無駄」
漫画家さんに言わせれば、なるだろう。

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